拇印つきのレーベル

KCI Wunderkammer

文/筒井直子(京都服飾文化研究財団 キュレーター)
写真/成田舞(Neki. inc.)

珍品奇品も数多いKCIの収蔵庫 -- そこはまさに「驚異の部屋」。

拇印つきのレーベル

素材:絹
原産地:フランス
製作年:1924年


ブランド名やメーカー名が入ったレーベルを服の裏側に取り付ける。この慣習はファッションにおける「ブランド」が誕生した19世紀後半から始まり、一種の保証書のような役割を果たしてきた。本レーベルは高級ブランド「マドレーヌ・ヴィオネ(Madeleine Vionnet)」のドレスの裏側に付けられたもの。右端にはデザイナー本人の拇印が押されている。本品が作られた1920年代のフランスではドレスや帽子などに対するコピー問題が噴出していて、レーベルも一緒にコピーされた。そこでヴィオネはコピー商品に対する訴訟を起こすほか、このようなコピー防止策を講じて対抗したのだった。現代社会では指紋すらコピーされ、さらに悪用されそうなのだが、この時は唯一無二の有効な策だったのだ。

マドレーヌ・ヴィオネ デイ・ドレス
マドレーヌ・ヴィオネ
デイ・ドレス
1924年
© The Kyoto Costume Institute, photo by Kazumi Kurigami
© The Kyoto Costume Institute
(KCI広報誌『服をめぐる』第12号 2019年3月発行より)
  • 京都服飾文化研究財団(KCI)
  • 京都服飾文化研究財団(KCI) 京都服飾文化研究財団(The Kyoto Costume Institure, 略称KCI)は、西欧の服飾やそれにかかわる文献や資料を体系的に収集・保存し、研究・公開する機関です。現在18世紀から現在までの服飾資料を約13,000点、文献資料を約20,000点収蔵。それらを多角的に調査・研究し、その結果を国内外の展覧会や、研究史の発行を通じて公開しています。 https://www.kci.or.jp/

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