スリーブ・パッド

KCI Wunderkammer

文/筒井直子(京都服飾文化研究財団 キュレーター)
写真/成田舞(Neki. inc.)

珍品奇品も数多いKCIの収蔵庫 -- そこはまさに「驚異の部屋」。

スリーブ・パッド

素材:綿、羽毛
原産地:ヨーロッパ
製作年:1830年代


ふかふかとした丸い物体。まるで蒸しあがった饅頭のようだ。これは1830年代の流行のドレスに見られる大きな袖を形作るためのパッドで、水中用のアームリングのように上腕に取り付ける。パッド側の紐とドレス側の紐を結んで装着してからドレスを着用した。当時の絵画やイラストに描かれた女性たちを見ると、妖精のようにふんわりと軽やかな装いをしている。ロマン主義全盛のヨーロッパで求められた理想的な女性像だ。しかし実際には袖周りにモソモソとした大きなパッドを付け、さぞ動きの邪魔になったことだろう。表に見えない苦労はいつの時代も同じ。

扇
下着類(スリーブ・パッド、コルセット、シュミーズ、ペティコート)を着装した様子
© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama
© The Kyoto Costume Institute
(KCI広報誌『服をめぐる』第11号 2018年11月発行より)
  • 京都服飾文化研究財団(KCI)
  • 京都服飾文化研究財団(KCI) 京都服飾文化研究財団(The Kyoto Costume Institure, 略称KCI)は、西欧の服飾やそれにかかわる文献や資料を体系的に収集・保存し、研究・公開する機関です。現在18世紀から現在までの服飾資料を約13,000点、文献資料を約20,000点収蔵。それらを多角的に調査・研究し、その結果を国内外の展覧会や、研究史の発行を通じて公開しています。 https://www.kci.or.jp/

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