補修1905年頃のドレス

今日の補修室/Today’s Restoration Room 第2回

文/福嶋英城(京都服飾文化研究財団)

KCI収蔵品の補修、保存を行う「補修室」より日々の奮闘を綴ります。 第2回「補修1905年頃のドレス」 撮影:成田舞 KCI収蔵品の補修・保存に関わるさまざまな仕事を担う「補修室」。その中でも衣装の傷んだ部分を補修する仕事は、補修室の核となる業務です。

現在、補修室が取り組んでいるのは1905年頃のドレス。このドレスは日本のある伯爵家に伝わったもので、時を経て生地が弱り、あちこちに生地の裂けが見られます。とても痛々しい状態です。

さまざまな補修技法があるなかで、このドレスにとられた方法は「裏打ち」。これは裂けの部分に同色の薄い絹地を当て、極細の糸で細かくステッチしていき、生地を補強していく補修技法です。

「補修にあたっては元の状態をできるだけ生かし、無用な手を入れないよう心がけています。補修しすぎることの弊害を常に念頭に置きながら、バランスを考え、針をすすめています」

衣装の補修はとても根気のいる作業です。その苦労も補修によって過去の衣装が息を吹き返すさまを見ると報われるのだとか。KCIの補修スタッフは、衣装を少しでも長く生き永らえさせるため、今日も針をすすめていきます。
© The Kyoto Costume Institute
(KCI広報誌『服をめぐる』第2号 2015年11月発行より)
京都服飾文化研究財団(KCI)

京都服飾文化研究財団(KCI) 京都服飾文化研究財団(The Kyoto Costume Institure, 略称KCI)は、西欧の服飾やそれにかかわる文献や資料を体系的に収集・保存し、研究・公開する機関です。現在18世紀から現在までの服飾資料を約13,000点、文献資料を約20,000点収蔵。それらを多角的に調査・研究し、その結果を国内外の展覧会や、研究史の発行を通じて公開しています。
https://www.kci.or.jp/

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