ラクな着用感が大好評の「ワコール カルソン」の「働ラクカルソン」から、「透けにくい白」が2タイプのデザインで登場しました。インナーが透けにくい、春夏のオフィスファッションに重宝する新アイテムの魅力をご紹介します。
濃いカラーや柄のあるインナーでも透けにくい!
――まずは「働ラクカルソン」から新しく登場した白のパンツ、いちばんの特徴を教えてください。
田中 2020年春夏のカルソンは、なんといっても透けにくいのがポイントの「防透(ぼうすけ)」タグが付いたハイブリッドカルソンです。トルソーに着せているこちらにも、下にカラフルなインナーを合わせているんですよ。ちょっと下げますね。
――濃い色のインナーをはいていたなんて、まったく気づきませんでした! 色が透けない理由を教えていただけますか?
田中 この生地に特性がありまして。表はレギュラーポリエステルで、酸化チタンを多く含むものを使っているので光をよく反射するんです。裏はカチオンエステルという糸を使用し、表裏で染まる温度帯が違うので、織って裏面にくるその部分だけベージュに染め分けています。たとえばライトグレーでも透けにくくなりますが、そうすると表の生地が青っぽい白になってしまうので、最終的に明るい白を楽しんでいただけるベージュに決定しました。
――「防透」というワードが聞き慣れないのですが、どんなふうに認定されるのでしょう?
田中 ワコールで以前から使っているカラフルなインナーの色見本がありまして、目視試験にはそれを活用しました。色見本の上に今回の生地をのせたら、うっすらと透けている色がわかるので、それをどれだけ透けないようにするか調整していったんです。
田中 以前の商品と比べても格段に防透度がアップしましたし、最終的にJIS規格で防透度を測ってもらったら、97.3%という最優良評価が出ました。インナーを手がけているメーカーがつくるからこそ、白いボトムの日も気分に合わせたカラフルなインナーを着用していただけるとうれしいです! 店頭では、従来の商品と透けにくさを比較できるツールをご用意しています。
――防透だけはなく、防汚加工も施されているそうですね?
田中 はい。はっ水加工によって汚れがつきにくく、汚れても落ちやすいのがポイントです。突然の雨にも対応できますし、カレーとミートソースを使った油汚れ試験もクリアしています。ご自宅の洗濯機でじゃぶじゃぶと洗えて、センタープレスが少し弱くなってもアイロンをかけると戻ってくるので、そのへんも安心いただけるのが特徴ですね。
パンツファーストではないデザインだから、コーディネイトに悩まない!
――テーパードとワイド、2つのラインの特徴や着回しについて教えてください。
田中 トレンド的に需要の高いテーパードは、JIS規格の(身長)158~160cmに合わせた丈感ですが、背が高い方にはいていただいてもくるぶしが見えてかっこいいんですよ。もう一方のワイドパンツともに、幅広いトップスが合わせやすいんです。オフィススタイルを中心に、スニーカーやカジュアルなトップスとの着回しも楽しんでいただけます。パンツファーストではなく、最後に選んでいただいても、コーディネイトが決まります。ぜひ多くの人に活用していただけると何よりですね。
――細部のポイントも教えてください。
田中 ウエストがゴムで、股の周囲の伸びもいいので着ごこちがラクです。とはいえ、かっこよくも見せたいので、縦長に見える効果を狙ってセンタープレスを入れ、サイドにはスラッシュポケットをつけました。このポケットだと、おなかがぽっこり出ていてもパカっとあいてしまわないんです。ちなみにポケットも防透です。
田中 後ろのポケットはダミーなんですが、これを付けることでバックスタイルにもすっきり感を出しました。
田中 また、裏地を脇割り接ぎ(下の写真)にすることで、肌あたりを軽減してより透けにくくなっています。
――「働ラクカルソン白」がこの春夏かなり活躍しそうですね!
田中 透けにくいからいろんなカラーのインナーを合わせられることはもちろん、デザインやはきごこちにも自信がありますので、店頭で試着していただけるとうれしいです。幅広いコーディネイトに合う一例として、今私が着ているトップスはジャケットのように見えて3Dプリントでリアルに仕上げたものなんですが、こういった個性的なデザインにもマッチします。次の秋冬シーズンに発売予定の新たな色柄のトップスと白カルソンとのコーディネイトも、ぜひお楽しみください!
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田中富子(たなか・とみこ)
卸売事業本部 パーソナルウェア営業部 商品企画課
2008年から BODY SUPLI 企画デザイン担当
2019年から ワコールカルソン 企画デザイン担当
撮影/合田慎二