- ファッション
- 2015.06.17
新発明、新感覚! 「研究所からのサニタリーショーツ」 開発秘話
ワコール人間科学研究所とワコールウェブストアが、タッグを組んだ「みんなでつくる下着屋さん」は、世の女性たちが求める"こんな商品が欲しかった!"に応えるべく、日夜活動中。"すごい下着"第6弾となるのは、「研究所からのサニタリーショーツ」です。今回はいったいどんな発明が生まれ、どんな機能が備わっているのでしょう。開発に携わった人間科学研究所の岡本智子、ウェブストアの西川陽子が、商品が誕生するまでの道のりを語ります。
サニタリーショーツにできることは
――「研究所からのサニタリーショーツ」は"モレないだけじゃない!"とのことですが、どんなところが特徴なのでしょうか?
岡本 はい。生理前、生理中に感じる、心のゆううつ、下半身のどんより感に向き合い、それらに対して、さまざまな工夫をしました。
――心の...ですか?
岡本 女性ならば月に一度は必ず生理がやってきます。生理前から心のゆううつ感や下半身のどんより感を感じるため「あ、そろそろ(生理が)くる...」とわかるんです。女性の方ならこの心のゆううつ感や下半身のどんより感を、生理前、生理中に実感している人は多いのではないかと思います。
この開発テーマだから調査したというわけではないのですが、身体動作と気分状態はお互いに影響し合っている、互いが作用し合っているという内容の文献を見たことがありました。ならば、生理前や生理中に感じる心のゆううつ感と下半身のどんより感も何か関係があるのではないか?どちらかをコントロールすることで、気持ち的にもすっきり感が得られないか、と考えたのです。
とはいえ、いったい何をどんな風にコントロールしたらよいのか、どこにアプローチしたらよいのか、最初は向かっていくべき方向もわからなかったのですが、"研究してみたい! 商品にしたい!"という前のめりな気持ちが先行して、気づけば開発テーマとして取り組み始めていました(笑)。1か月サイクルでからだの動きを計測
研究所からのサニタリーショーツ
――開発にあたり、まずは何から始めたのでしょうか。
岡本 最初に、モニターの方々のからだの動きやシルエットを測定しました。生理前や生理中とそれ以外の時期でからだや動作にどんな変化があるのか、シルエットはどうなっているかを観察しました。
すると、生理前から生理中にかけての時期は、そうでない時期に比べて、下半身の動き方が鈍くなっているという違いがわかりました。では、なぜこの時期(生理前から生理中)には下半身の動きが変わるのだろう?産婦人科の先生と確認をとりながら分析していくと、これには女性ホルモンの分泌が影響していそうだとわかりました。
――女性ホルモンの分泌が高まって、からだの動きに影響しているかもしれない、と?
岡本 女性のからだは、女性ホルモンの影響で生理前から"水分"をもつようになります。これは、妊娠の成立に備えたからだの仕組みなので、自然なことではあるのですが。でも、体内に水分をため込んでしまうことで、下半身の動きが変わってしまうのであれば...、"下着の力"で、生理前や生理中でも、そうでない時期と同じような下半身の動きをさせることができるのでは、と。少しずつやるべきことが見えてきました。生理中のどんよりとした下半身を
――下着の力で、下半身の動きをうまくコントロールするということですね。
岡本 そうです。ワコールの人間科学研究所では、CW-X®やJYURYU®などの開発を経て、インナーや下着でサポートすることで、からだの動きをよくしたり、軸を整えたり、可動域を広げることができるノウハウをもっていましたし、効果や手応えも感じていました。今回のこの商品でも、そういった人間科学研究所がずっとやってきたものづくりの技術を生かせると思ったのです。
――なるほど。では「研究所からのサニタリーショーツ」はどこをサポートしているのでしょうか。
岡本 ずばり、"ヒミツのソコ"です。
――これは...!(笑) 本当にからだのど真ん中のソコですね。
岡本 はい。医学的には会陰(えいん)といわれる箇所です。この"ヒミツのソコ"を中心として、前後にハンモックのようにクロスサポートラインを施して、★を支えています。これで★に下から上にぐっと支え上げる力がかかり、下半身がブレにくくなります。また、このクロスラインは、伸縮性のある生地を使って、ラインはウエスト位置まで前後に延長しているので、骨盤や腰まわりも安定します。生理前から生理中だから起きてしまう下半身の動き方の違いをなくすことで、生理前や生理中以外の時期と同じような動き、同じような気分で過ごせたらと思います。
――ということは、このショーツをはくのは生理中だけでなく...。
西川 はい、どんより感が起こり始める生理前からぜひはいてください。
――ほかにもこだわったポイントは何でしょうか。
西川 生理前や生理中は、肌もデリケートになっているので、はきごこちも大切にしました。薄く、ストレッチ性のある生地で締めつけ感の少ないもの、サイドの縫い目もなくし、すそも切りっぱなしにして、なめらかな着けごこちに。また、おしりに沿うようにギャザーを入れているので、フィット感もあります。
――"モレないだけじゃ満足できない"の意味がよくわかりました。
西川 この商品の開発をして改めて思いましたが、生理の周期を考えると女性は1か月のうち、本当に快適な日というのは、わずかなんですよね。「研究所からのサニタリーショーツ」でここちよく過ごせる時間が増えたら、とてもうれしく思います。
研究所からのサニタリーショーツ 各¥2,700+税

サニタリーショーツにできることは
「モレない」以外にもある!
――「研究所からのサニタリーショーツ」は"モレないだけじゃない!"とのことですが、どんなところが特徴なのでしょうか?岡本 はい。生理前、生理中に感じる、心のゆううつ、下半身のどんより感に向き合い、それらに対して、さまざまな工夫をしました。
――心の...ですか?
岡本 女性ならば月に一度は必ず生理がやってきます。生理前から心のゆううつ感や下半身のどんより感を感じるため「あ、そろそろ(生理が)くる...」とわかるんです。女性の方ならこの心のゆううつ感や下半身のどんより感を、生理前、生理中に実感している人は多いのではないかと思います。
この開発テーマだから調査したというわけではないのですが、身体動作と気分状態はお互いに影響し合っている、互いが作用し合っているという内容の文献を見たことがありました。ならば、生理前や生理中に感じる心のゆううつ感と下半身のどんより感も何か関係があるのではないか?どちらかをコントロールすることで、気持ち的にもすっきり感が得られないか、と考えたのです。
とはいえ、いったい何をどんな風にコントロールしたらよいのか、どこにアプローチしたらよいのか、最初は向かっていくべき方向もわからなかったのですが、"研究してみたい! 商品にしたい!"という前のめりな気持ちが先行して、気づけば開発テーマとして取り組み始めていました(笑)。
1か月サイクルでからだの動きを計測
生理前から起きる"どんより感"の正体とは?!

岡本 最初に、モニターの方々のからだの動きやシルエットを測定しました。生理前や生理中とそれ以外の時期でからだや動作にどんな変化があるのか、シルエットはどうなっているかを観察しました。
すると、生理前から生理中にかけての時期は、そうでない時期に比べて、下半身の動き方が鈍くなっているという違いがわかりました。では、なぜこの時期(生理前から生理中)には下半身の動きが変わるのだろう?産婦人科の先生と確認をとりながら分析していくと、これには女性ホルモンの分泌が影響していそうだとわかりました。
――女性ホルモンの分泌が高まって、からだの動きに影響しているかもしれない、と?
岡本 女性のからだは、女性ホルモンの影響で生理前から"水分"をもつようになります。これは、妊娠の成立に備えたからだの仕組みなので、自然なことではあるのですが。でも、体内に水分をため込んでしまうことで、下半身の動きが変わってしまうのであれば...、"下着の力"で、生理前や生理中でも、そうでない時期と同じような下半身の動きをさせることができるのでは、と。少しずつやるべきことが見えてきました。
生理中のどんよりとした下半身を
支える"ヒミツのソコ"を新発見!
――下着の力で、下半身の動きをうまくコントロールするということですね。岡本 そうです。ワコールの人間科学研究所では、CW-X®やJYURYU®などの開発を経て、インナーや下着でサポートすることで、からだの動きをよくしたり、軸を整えたり、可動域を広げることができるノウハウをもっていましたし、効果や手応えも感じていました。今回のこの商品でも、そういった人間科学研究所がずっとやってきたものづくりの技術を生かせると思ったのです。
――なるほど。では「研究所からのサニタリーショーツ」はどこをサポートしているのでしょうか。
岡本 ずばり、"ヒミツのソコ"です。

岡本 はい。医学的には会陰(えいん)といわれる箇所です。この"ヒミツのソコ"を中心として、前後にハンモックのようにクロスサポートラインを施して、★を支えています。これで★に下から上にぐっと支え上げる力がかかり、下半身がブレにくくなります。また、このクロスラインは、伸縮性のある生地を使って、ラインはウエスト位置まで前後に延長しているので、骨盤や腰まわりも安定します。生理前から生理中だから起きてしまう下半身の動き方の違いをなくすことで、生理前や生理中以外の時期と同じような動き、同じような気分で過ごせたらと思います。
――ということは、このショーツをはくのは生理中だけでなく...。
西川 はい、どんより感が起こり始める生理前からぜひはいてください。
――ほかにもこだわったポイントは何でしょうか。
西川 生理前や生理中は、肌もデリケートになっているので、はきごこちも大切にしました。薄く、ストレッチ性のある生地で締めつけ感の少ないもの、サイドの縫い目もなくし、すそも切りっぱなしにして、なめらかな着けごこちに。また、おしりに沿うようにギャザーを入れているので、フィット感もあります。
――"モレないだけじゃ満足できない"の意味がよくわかりました。
西川 この商品の開発をして改めて思いましたが、生理の周期を考えると女性は1か月のうち、本当に快適な日というのは、わずかなんですよね。「研究所からのサニタリーショーツ」でここちよく過ごせる時間が増えたら、とてもうれしく思います。


岡本智子(おかもと・ともこ) ワコール入社後、商品試験室で材料の物性試験や品質試験を担当。 その後人間科学研究所に異動し、素材や人の生体ついて基礎研究をベースにした商品開発に従事。初代ナイトアップブラを開発し、寝るとき用ブラのカテゴリーを開拓するほか、人ともの(製品)の温熱特性を考慮した夏に快適、冬に快適なワコールの商品開発のバックアップを行っている。繊維製品品質管理士。

西川陽子(にしかわ・ようこ) ワコール入社後、営業・海外生産管理・バイヤー・販売企画・マーケティング・宣伝販促等に従事。担当したアイテムは、レディースインナー・ナイトウェア・メンズインナー・インポートランジェリー・化粧品等。その後ワコールウェブストアに異動し、売場の編集・販売企画・ウェブオリジナル商品開発等を行っている。