肩甲骨の動きをサポートする「JYURYU®TOP」の 開発秘話を大公開!

語り/仙波孝之(ワコール人間科学研究所)
取材・文/大庭典子(ライター)

肩甲骨まわりのラインが左右の肩甲骨をバランスよく支えて、可動域を広げ、腕を振る動作をサポートするCW-X(シーダブリュー・エックス)の機能性トップス『JYURYU®TOP(ジュウリュウトップ)』。2007年の発売以来、スポーツをする多くの人から愛用されています。この商品はどのように誕生したのか、開発担当の仙波孝之がお答えします。 JYURYU®TOP

「からだの柔軟性があがるトップスを
つくりたい...!」と、開発がスタート

――『JYURYU®TOP』は、どのようにして生まれたのでしょうか?

仙波
 従来のスポーツアンダーウェアは、ふくらはぎやひざなどケガの多い部位をサポートするウェアでした。そこで、ケガを防ぐだけでなく、"パフォーマンスがあがる"商品をつくれないだろうか、と考えたのが始まりです。そのためには、何が必要だろう、からだをどんな風に動かすことが重要なんだろう...と探っていきました。

「筋肉を使いやすいウェア」「ボディバランスをうまく使えるもの」など、さまざまな案が出るなかで、パフォーマンスをあげるためには「柔軟性を向上させることが大事だろう」という結論にたどり着きました。

――そこから、本格的に研究が始まったのですね。

仙波
 はい。そこで上半身の柔軟性の要になる"肩甲骨"に着目したのです。肩甲骨は大人になるほど固くなる部位。小さい子どもは、左右の肩甲骨がくっつくほどやわらかいんですよ。肩甲骨の柔らかい子どものからだは柔軟性も高いですよね。肩甲骨はどの骨ともつながっていなくて、鎖骨と靭帯でつりさげられている、いわば浮いている状態。ここにアプローチするにはどうしたらいいだろう...と調べていたある日、武術の先生に出合い、そこから道が開けたのです。

"たすきがけ"が
開発の大きなヒントに!

――武術の先生...?

仙波
 そうなんです。からだの動かし方のエキスパートである武術の先生にお会いして、西洋人とのからだのバランスの違いや日本人の筋肉の使い方などを詳しく教えていただきました。また、腹筋や腹直筋(ふくちょくきん)をしっかりと帯で支えている着物、丹田(たんでん)を支える剣道着など、昔からある日本の衣服と日本人のからだの動きについても学んでいくなかで、"たすきがけ"というキーワードが出てきたのです。

――背中でクロスするあのたすきがけですか?

仙波
 はい。実際、たすきがけをすると自然に胸を張れて、腕も動かしやすかったりと、からだの動きが軽やかになります。

そこから発想を得て、肩甲骨まわりのいくつもある複雑な筋肉に対して、軽く触れるような刺激を与えれば、柔軟性があがるのではないか、と研究や実験、検証を進めていきました。全体がフィットするような設計にしていますが、なかでも肩甲骨を囲むようにサポートしているのが特徴です。 JYURYU®TOP ――確かに、ラインの入り方がたすきがけのように見えますね!

仙波
 センターホールの箇所は、伸縮性の弱い生地でパワーがかからないようにすることで、肩甲骨の可動域を広げて、腕を振る動作をサポートしています。バックだけでなく、フロントにも肩甲骨と骨盤の連動性に重要な広背筋と腹斜筋に沿うようにサポートラインを配置しています。2006年の展示会では、ゴルフの打ちっぱなしのセットを設置し、『JYURYU®TOP』 を着用して、実際に体感してもらいました。

からだの動きがスムーズになり、
疲れにくいなどのうれしい声も続々

――ランニングをする人にも愛用者が多いと聞いています。

仙波
 ランニングテストでは、体軸のブレが少なくなり、腕の振りが左右対象になりやすいことがわかっています。体軸や腕の振りにブレが少ないということは、ムダな動きが減り、からだ全体を使った効率的な動きができるようになるので、その分、ランニング時の疲労を軽減できるのです。

――疲れにくいのはうれしいですね。なんだかこれを着て走りたくなってきました!

仙波
 実は、もともとは子どもを運動会で一番にしたくて、なんとか速く走れる、足を速く前に出せるような商品はできないかと考えていたのが本当の出発点なんです(笑)。この研究はなかなかスムーズに進まなかったのですが、いろいろな先生に会いに行ったり、お話を聞くなかで、筋肉は、押さえるなど少しの刺激でも反射的に収縮活動が起きて、動かしやすくなるという特性がわかり、そこから3年かけて『JYURYU®TOP』が完成したんです。 JYURYU®TOP ――子どもを一番にしたかった...、なんだかいいお話ですね(笑)。今日はありがとうございました。

仙波
 ありがとうございました。
仙波孝之(せんば・たかゆき)

仙波孝之(せんば・たかゆき) 京都工芸繊維大学卒業。有機化学専攻。
ワコール入社後、セールスマンを経て人間科学研究所・研究員になり、肌着の開発、スポーツウェアの開発に従事。
一時研究所を離れ、スタイルサイエンスの新規事業立ち上げに参画。
復帰し、現在人間科学研究所 開発二課 課長。

からだ用語辞典: 肩甲骨 / JYURYU®TOP / 広背筋

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