
今年はさまざまなお楽しみを先送りしてきた人も、そろそろランジェリーの色で気持ちをリフレッシュしてみませんか。ボルドーやバイオレット、マスタードイエローなど、秋らしいシックな色合いもいいですが、今年はパステルカラーやピンク、すがすがしいブルーやグリーンも注目されています。
全体的にフェミニンな雰囲気を感じさせる色が充実しているシーズンといえるでしょう。
肌にやさしくなじむピンクのバリエーション
近年、人気がすっかり定着しているのが、コスメカラーともいえるパウダーピンクやピンクベージュです。ベーシックでありながら、モードな魅力もたっぷりで、素材によってさまざまな表情を見せてくれます。
今年はそれに加えて、微妙なニュアンスのあるローズやモーヴ、さらにオレンジ味の入ったコーラルやテラコッタも含めて、女性の肌にやさしくなじむような色のバリエーションが目につきます。

新しくリニューアルしたパリのギャラリー・ラファイエットのランジェリー売場も、この一連の色がVMDのメインに使われていました。やわらかな木の内装ともぴったりで、女性のからだと心をあたたかく包み込むような印象です。
さらに、もっと強い色調のピンクやローズは、高揚感を高めたいときに効果的かもしれません。

エコフレンドリーを反映したブルーやグリーン
エコフレンドリーやオーガニックの潮流とも連動し、自然からインスピレーションを受けたようなブルーやグリーンの人気も続いています。
春夏シーズンとは異なり、濃色が中心にはなりますが、ブルーはあたたかみのあるデニムブルーやミッドナイトブルー、グリーンは北欧を想わせるような深い森のグリーンや、やや青みがかったエメラルドグリーンなど、多様性が見られます。
このほか、もちろん華やいだ雰囲気のブラックやレッドも、秋冬シーズンの必須カラーではありますが、自分自身の気持ちに合わせて選ぶのがいちばん。色を上手に取り入れて、ウィズコロナの日常を楽しんでください。


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武田尚子(ジャーナリスト)
インナーウェア専門雑誌の記者を経て、1988年にフリーランスに。以来、ファッション・ライフスタイルトータルの視点から、国内外のランジェリーの動きを見続けている。著書に『鴨居羊子とその時代・下着を変えた女』(平凡社)など。
「パリ国際ランジェリー展」など年2回の海外展示会取材は、既に連続30年以上となる。現在、ライフワークとなる新たな計画を進行中。 http://blog.apparel-web.com/theme/trend/author/inner