独立系国産ブランドの新潮流

文/武田尚子(ジャーナリスト)

有力ナショナルブランドに対して、個人のデザイナーがつくる小規模のブランドが欧米では常に存在しています。今、日本のインナーウェア市場でも、大手アパレルやメーカーに属さずに、個人で個性豊かなブランドを立ち上げるという動きが目につくようになりました。

この動きの背景には、インターネットというメディア&販路の環境変化が大きく影響していることはいうまでもありません。百貨店のポップアップショップ(期間限定のイベント販売)でブランドの紹介を進め、自社サイトのEコマースで常時販売するというスタイルが定着しています。

ここではそれぞれに特徴をもった4つの注目ブランドを紹介しましょう。いずれも日本製(国内縫製)が強み。日本のインナーウェアも想像以上に洗練され、多様化していることに驚かれるはずです。

●粋で艶やかなシルクランジェリー

basara silk lingerie(バサラ) basara silk lingerie(バサラ)。フランスのシルク、ニューヨーク在住のデザイナー、日本の技術で縫製、という三つ巴から生まれるブランド。これまでのシルクランジェリーのような伝統的なレース使いではなく、マスキュラン感覚ともいえる粋で艶やかな色柄、大人っぽいパターンとシルエットが魅力。

●ビスポークランジェリー

Chiyono Anne(チヨノ・アン) Chiyono Anne(チヨノ・アン)。ロンドンとニューヨークで育ったデザイナーの千代乃さんは、ランジェリーをインタラクティブな"着るアート"としてとらえている。その知性や感情性の豊かさが、一人ひとりの体型や好みに合わせてつくるカスタムメイドで体験できる。

●オーガニックコットンの必須アイテム

Souple Luz(スープレルース) Souple Luz(スープレルース)。肌触りのいいオーガニックコットンのシンプルでエレガントなインナーウェアは、日常の必須アイテム。ブラパットキャミソールやベアトップなど定番を中心に、アパレルのセレクトショップなどで人気を得ている。ボタニカルダイの製品も展開。

●グラマーサイズのブラジャー

ivyy(アイヴィー) ivyy(アイヴィー)。2016年末にデビューしたばかり。自分に合うブラがないと悩んでいたモデル・タレントの原田奈津美さんが自ら起業した。アンダーバスト65・70のE・F・Gカップを中心にした安定感のあるブラが、ボトムとセットで購入できる。 ここにご紹介したのは、ほんの一例です。それぞれのバックグラウンドもさまざま。この個人的な多様性こそ、今のインナーウエアのリアルなのです。
武田尚子(ジャーナリスト)

武田尚子(ジャーナリスト) インナーウェア専門雑誌の記者を経て、1988年にフリーランスに。以来、ファッション・ライフスタイルトータルの視点から、国内外のランジェリーの動きを見続けている。著書に『鴨居羊子とその時代・下着を変えた女』(平凡社)など。
「パリ国際ランジェリー展」など年2回の海外展示会取材は、既に連続30年以上となる。現在、ライフワークとなる新たな計画を進行中。
http://blog.apparel-web.com/theme/trend/author/inner

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