トップ ランジェリー★EXPRESS / BEAUTY 花柄のトレンドに込められたもの

インナーファッションの流行ウォッチング

ランジェリー★EXPRESS

2019年11月 6日

文/武田尚子(ジャーナリスト)

BEAUTY

花柄のトレンドに込められたもの

左/野に咲くような可憐な花柄も、リバーレースとの組み合わせでより洗練された感じを。右/黒をベースにした柄は、まるで絵画から飛び出してきたような雰囲気。キャミソールトップは透け感が楽しめる(ともに「Aubade(オーバドゥ)」。 左/野に咲くような可憐な花柄も、リバーレースとの組み合わせでより洗練された感じを。右/黒をベースにした柄は、まるで絵画から飛び出してきたような雰囲気。キャミソールトップは透け感が楽しめる(ともに「Aubade(オーバドゥ)」)。 ランジェリーと切っても切れないモチーフの代表といえば花柄です。フェミニンなやさしさを表現するために、昔から花柄が生地やレースに多く使われてきました。ひと口に花柄といっても、華やかな大柄から素朴な小花柄、また花の種類がはっきりわかるような写実的な柄から、グラフィックにデフォルメされたような抽象柄まで、また色や素材によってもさまざまな表情の花柄があります。その手法も、プリント、織り、刺しゅう、フロッキー加工と多種多様。ともするとステレオタイプになりがちな花柄ですが、柄や色、素材、使い方によって新鮮な印象を与えるものが登場しています。

来シーズンの花柄は正統派というよりは、カントリー調あるいはボヘミアン調といったらいいでしょうか。すがすがしい草原の香りがします。
幸せ感を呼ぶ花柄プリント
"フローラルセラピー"を2020春夏のシーズンテーマに掲げているのが、「Aubade(オーバドゥ)」です。あらゆるインスピレーションの源である花で女性たちの幸せを願いたいと、改めて花をモチーフに取り入れています。特にヴィンテージ感覚のチュールプリントのグループは、懐かしさとモダンな雰囲気があいまったもので、今のファッショントレンドがうまく反映されていますね。

実際に、庭で花を育てたり、室内で花を生けていたりすると、心が癒されて幸せな気持ちになるものですが、身に着けると肌にもしっくりなじんで、上に着る服との組み合わせも楽しむことができます。ハーブのようなナチュラルな柄ですが、リバーレースとの組み合わせが優美な洗練度を増しています。 「Elomi(エロミ)」は春らしいカラフルなプリントと黒のレースとの組み合わせが魅力的。 「Elomi(エロミ)」は春らしいカラフルなプリントと黒のレースとの組み合わせが魅力的。 また、プラスサイズ専門ブランドとして好調な「Elomi(エロミ)」も、毎回、プリントのグループが登場します。人気定番になっているアニマル柄とは別に、次シーズンは春らしいカラフルな花柄プリントが新しい魅力を放っています。
花柄はジェンダーニュートラル
実は花柄は、女性のためだけではありません。メンズのアンダーウェアにも花柄が使われることがそう珍しいことではなくなってきました。レディスのランジェリーとおそろいの柄がメンズに使われることも少なくない「オーバドゥ」では、先ほどの花柄プリントがメンズにもマッチングさせてあります。 メンズもレディスとおそろいで日常に花柄プリントが楽しめる「Aubade(オーバドゥ)」。 メンズもレディスとおそろいで日常に花柄プリントが楽しめる「Aubade(オーバドゥ)」。 昨今のファッションのトレンドには、1960年代や1970年代の影響が色濃く見られ、花柄もその一環ですが、男性ファッションのフェミニン化が進み、男性が色柄を抵抗なく着るようになったのもこのころからといえます。

ベトナム戦争を背景にした当時、アメリカのヒッピーたちが「武器ではなく花を」をスローガンに、からだを花で飾ったり、人々にも花を飾ったりしながら反戦を呼びかけたことから、彼らは「フラワーチルドレン」と呼ばれました。そういう時代のファッションがリバイバルしているのは興味深いものがあります。

花には、いつの時代にも平和の気持ちが込められているのです。
武田尚子(ジャーナリスト)

武田尚子(ジャーナリスト) インナーウェア専門雑誌の記者を経て、1988年にフリーランスに。以来、ファッション・ライフスタイルトータルの視点から、国内外のランジェリーの動きを見続けている。著書に『鴨居羊子とその時代・下着を変えた女』(平凡社)など。
「パリ国際ランジェリー展」など年2回の海外展示会取材は、既に連続30年以上となる。現在、ライフワークとなる新たな計画を進行中。
http://blog.apparel-web.com/theme/trend/author/inner

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