トップ 服をめぐる / BEAUTY 【今日の補修室/Today’s Restoration Room】第3回「時代マネキン」

服飾の歴史や文化へ誘う、京都服飾文化研究財団(KCI)広報誌より

服をめぐる

2019年4月17日

文/福嶋英城(京都服飾文化研究財団)

BEAUTY

【今日の補修室/Today’s Restoration Room】

第3回「時代マネキン」

KCI収蔵品の補修、保存を行う「補修室」より日々の奮闘を綴ります。 第3回「時代マネキン」 正面・側面とも左より、18世紀、19世紀初期、19世紀中期、20世紀初期の時代マネキン KCIには18世紀から最新のファッションまで、約300年にわたる様々な衣装が収蔵されています。

それらの衣装を展示する際に必要なのがマネキンです。しかし、デパートなどでよく目にする現代のマネキンは、古い衣装を着せ付ける際にはほとんど使用することができません。というのも、西洋ではほんの100年くらい前まで、体のプロポーションをコルセットなどを用いて強制的に変えていたため、コルセットを用いない現代人の体型と当時の体型が全く異なるからです。つまり、古い衣装は現代のマネキンには全くフィットしないのです。

そこで古い衣装を着せ付けるための特殊なマネキンが必要となります。KCIでは古い衣装を採寸・計測し、それらのデータから時代ごとのプロポーションを割り出して、特殊なマネキンを製作しました。

それが上図の「時代マネキン」です。バストの位置や形、体の傾斜角度などが時代によって異なっているのがわかります。それらはコルセットなどで体を変形して生み出された各時代の「理想のプロポーション」とも言えるでしょう。これらのマネキンを用いることで、KCIではそれぞれの時代の衣装を無理なく美しく着せ付けることができるようになりました。

KCIの生み出したこれらの「時代マネキン」は現在、衣装展示に欠かせない存在として国内外の美術館で活躍しています。
© The Kyoto Costume Institute
(KCI広報誌『服をめぐる』第3号 2016年3月発行より)
京都服飾文化研究財団(KCI)

京都服飾文化研究財団(KCI) 京都服飾文化研究財団(The Kyoto Costume Institure, 略称KCI)は、西欧の服飾やそれにかかわる文献や資料を体系的に収集・保存し、研究・公開する機関です。現在18世紀から現在までの服飾資料を約13,000点、文献資料を約20,000点収蔵。それらを多角的に調査・研究し、その結果を国内外の展覧会や、研究史の発行を通じて公開しています。
https://www.kci.or.jp/

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