トップ ランジェリー★EXPRESS / BEAUTY 水着で「ボディポジティブ」への共感を表現

インナーファッションの流行ウォッチング

ランジェリー★EXPRESS

2018年8月 8日

文/武田尚子(ジャーナリスト)

BEAUTY

水着で「ボディポジティブ」への共感を表現

新しい展示会名「ユニーク」(=独自の、素晴らしい)を象徴するようなショー。 新しい展示会名「ユニーク」(=独自の、素晴らしい)を象徴するようなショー。 7月上旬にパリで開催された水着とランジェリーの展示会、「2018ユニーク・バイ・モードシティ」では、"ボディポジティブ"というキーワードがよく聞かれました。

肌の色や体型の違い、あるいは病気や障害を超える、つまり現実の自分自身を受け入れて前向きに生きようという女性の願いが込められているもので、インスタグラムなどSNSでの共感が広がっていることが背景にあります。まさに多様性(ダイバーシティ)の基本にあるもので、今あえて、ここがクローズアップされていることに注目したいと思います。
新しい展示会名を象徴するショー
今回から、翌年春夏物を発表する同展が、従来の「モードシティ」から「ユニーク」へと変わりました。「ユニーク」とは、独創性やオリジナリティを意味する言葉であり、最近はトレンドキーワードとしてもよく使われています。
その新しい展示会名のコンセプトを表明するかのように、今回はいつもとは違う一風変わったショーが開催されました。 一般公募で選出された16人の女性たち。その多様な体型に対応した水着ブランドの協賛によって実現した企画。 一般公募で選出された16人の女性たち。その多様な体型に対応した水着ブランドの協賛によって実現した企画。 インスタグラムなどによって選ばれた、プロのモデルではない16人の一般女性。体型、人生ストーリー、パーソナリティー共に多様な女性たちが、水着姿でランウェイを歩き、"ボディポジティブ"な姿勢というものを観客に見せたのです。
昨今、社会的なムーブメントともなっているLGBTのような、性を超えるところまではいっていませんが、従来の画一的な美の基準へのある種のアンチテーゼが現れていたことはいうまでもありません。
特にプラスサイズに熱い視線
夏のパリでは、どんな体型や年代の人でも、脚や胸元をおしげもなく太陽にさらしています。その光景にある種の感動を抱く立場からすると、あえて"ボディポジティブ"を打ち出すことに意外な気がしないでもありませんが、ボディに対する悩みやコンプレックスというものは万国共通です。

人目や周りとの調和を重視するという根強い伝統がある日本に対し、多民族が当たり前の欧米。いわゆる肥満といわれるプラスサイズの比率は日本と比べものにならないだけに、このムーブメントにも深刻なものがあります。 製品トレンドをわかりやすく展示した「トレンド&インスピレーション」フォーラムにも、プラスサイズのマネキンが初めて登場。 製品トレンドをわかりやすく展示した「トレンド&インスピレーション」フォーラムにも、プラスサイズのマネキンが初めて登場。 ランジェリーや水着の業界は、プラスサイズや大きなバストサイズへの取り組みが進んでいますが、個人的にはその対極であるスキニー体型への配慮も欲しいと思ったりします。いずれにしても、サイズにレギュラーもイレギュラーもありません。体型や年齢による差別はなくしたいものです。

SNSの発達によって、何かと「見た目」が重視されるご時世ですが、自信や誇りをもって生きるということがいかに大切であるか。
完璧でなくてもいい。すべてのからだが美しく、すべての人が社会から必要とされている――。それはまさに地球環境問題ともつながる、サスティナブルな社会の根幹だと思うのです。 「ELOMI」(2019春夏コレクション)。ワコールヨーロッパの中でも伸び率トップの「エロミ」。チャーミングな刺しゅうレースのついたレッドは、身に着けるだけでポジティブな気持ちになれる。 「ELOMI」(2019春夏コレクション)。ワコールヨーロッパの中でも伸び率トップの「エロミ」。チャーミングな刺しゅうレースのついたレッドは、身に着けるだけでポジティブな気持ちになれる。 「ELOMI」(2019春夏コレクション)。久々復活のトレンド、レオパードプリントをいち早く取り入れたグループ。胸元のストラップと透明感あるチュールがポイント。 「ELOMI」(2019春夏コレクション)。久々復活のトレンド、レオパードプリントをいち早く取り入れたグループ。胸元のストラップと透明感あるチュールがポイント。
武田尚子(ジャーナリスト)

武田尚子(ジャーナリスト) インナーウェア専門雑誌の記者を経て、1988年にフリーランスに。以来、ファッション・ライフスタイルトータルの視点から、国内外のランジェリーの動きを見続けている。著書に『鴨居羊子とその時代・下着を変えた女』(平凡社)など。
「パリ国際ランジェリー展」など年2回の海外展示会取材は、既に連続30年以上となる。現在、ライフワークとなる新たな計画を進行中。
http://blog.apparel-web.com/theme/trend/author/inner

関連キーワード

  1. ランジェリー
  2. 武田尚子

ワコールをフォロー

  • facebook ワコール Wacoal corp.ページ
  • Twitter ワコール公式アカウント
  • Instagram ワコール公式アカウント
  • RSS