トップ 美の流儀 / HEART 【番外編/学びと美を考える】季節を感じる暮らしで美しく

からだのために「やってる人」の奥の手公開!

美の流儀

2018年3月14日

語り/伊藤和憲(明治国際医療大学教授)
中 倫子(薬膳料理家)

HEART

【番外編/学びと美を考える】

季節を感じる暮らしで美しく

「美」をコンセプトにした学びの場、ワコールスタディホール京都と連動した美の流儀【番外編】。今回は、大人気講座「東洋医学が導く美のメソッド」の講師おふたりが登場。伊藤和憲さん(写真右)は鍼灸師として、中 倫子さん(左)は薬膳料理家として、それぞれの立場から美を語ります。 伊藤和憲さん、中 倫子さん ――2017年秋に実施した講座「東洋医学が導く美のメソッド 〜健やかに美しくなる知恵・秋冬〜(全3回)」が大好評でした。2018年春には、より基礎から学ぶ3回講座を予定していますが、テーマとなる「東洋医学」と、ワコールスタディホール京都のテーマでもある「美」とのつながりについて、それぞれの思いをお聞かせください。

伊藤 鍼灸師をしていると、病院や薬など西洋医学では治らない症状の方を多く診ますが、治りやすい人とそうでない人がいます。きちんと食べる・寝るという生活のコンディションがきちんとできる人は、治りやすい。反対に、食事が偏って栄養素が足りず養生していなければ、いくら治療しても効果は出ないのです。

養生という言葉はもともと、「美しく健康に長生きするということ」。健康はあくまでも方法であって、その先に目的がなければ、意味がありません。女性の場合、「美しく」と思うことは生き甲斐でもあり、それを原動力として養生をして、健康になってほしいと考えています。

 中国の古い宮廷では、良い世継ぎを生むために「食医」(医師と栄養士の仕事を兼ね備えている)という職を医師の最上位にすえ置き、宮廷内の健康を管理していました。薬膳に女性のからだにとって有利な知恵が多いのは、食養生を徹底して実践してきた歴史があるためです。

東洋医学では、女性は7の倍数の年にからだが変化すると言われています。たとえば、数千年前から言われている事ですが、平均的には(7の倍数の)49歳で閉経を迎えますが、そのころに元気がなくなることが多い。そこで、薬膳を使ってケアすることで老化を緩やかにし、からだのエネルギーが急速に低下するのを防ぐことができるのです。

――女性の「美」には欠かせない「学び」。さらに日常での実践方法も知ることができるのがこの講座の特徴ですね。

伊藤 3回の講座では、「からだ」「こころ」「食」というテーマを予定しています。第1回「からだの養生」では、まず「からだを知る」ことから始めるのですが、舌の状態を診て、血行や栄養状態をチェックするのも、ひとつの方法です。舌の色が白っぽい人は、血流が悪く栄養素や酸素も足りない。舌が硬い人は筋肉も硬い。というように、舌でからだの状態がわかるのです。また、目を閉じて片足立ちができるか(下の写真)のチェックでは、筋肉の状態もわかります。 カラダチェックでは、片足立ちで目を閉じて、30秒立っていられるか確認。 カラダチェックでは、片足立ちで目を閉じて、30秒立っていられるか確認。 伊藤 たとえば、「筋肉が硬い」とひとことで言っても、運動不足の人ならば鍛えばよいのですが、運動していても硬い人は、まずゆるめてストレスを取り除くことが必要です。それぞれの状態に合わせて、「ゆるめる」「あたためる」「ととのえる」「きたえる」という方法を組み合わせることが、大事なのです。

 「食」テーマでは、先天の元気(親から受け継いだ体質)と、後天の元気(自分で増やせる元気)のふたつがあることからお話しします。たとえ先天の元気が多くはなくても、その人の体質に合った食べ物と新鮮な空気があれば、元気をつくり増やすことができる。食べ物を元気に変えるには、胃腸を整えることが最大の課題です。現代では胃腸の弱い人でも油っぽいものや冷たいものを食べて、さらに胃腸を弱らせていることが多く、後天の元気がつくりにくくなくなっています。

また、女性は男性よりも筋肉量が少なく冷え症になりやすいですが、冷える食材ばかりとって運動もせずにいると、さらに冷えが強くなります。薬膳では、からだを温めるもの・冷やすものが明確にあるので、その知恵を知っているだけでも、冷えは自分で改善できるのです。(疾患が隠れていることもあるので改善しない場合は病院で検査を受けてください)

伊藤 何をするにも「食」がいちばん中心で、精神もからだも食べ物からきているといえます。正しい食事があってこそ、からだのケアも生きてくるのです。

 ただ現代は、からだの変調やサインを読むことが、難しくなっています。エアコンの効いた室内、年間とおして豊富な食材...、季節の変化を感じにくいうえ、日本も夏はかなり高温で多湿になってきていて、からだをコントロールしにくくなっています。それも薬膳を使って解消していくことで、快適に過ごせるとお伝えしたいです。

――最後に、東洋医学の考えをベースに、おふたりが日常の中で大切にして実践していることがあれば、教えてください。

 家族や親戚と一緒に育てている田畑があって、できるだけそこで収穫したものを使い、薬膳効果を確かめながら暮らしています。近年、気候や季節が不安定ですが、それも自分のからだで感じながら、そのうえで自分の言葉で薬膳を伝えたいのです。教科書通りではお決まりの言葉になってしまいますが、季節や野菜と会話した後は言葉に力が宿り、伝わり方も違ってきます。 中さんが畑でつくった丸大根(左)と、露地ほうれん草(右)。 中さんが畑でつくった丸大根(左)と、露地ほうれん草(右)。  また、(住んでいる)京都は季節ごとの行事を大事にするし、山に囲まれていることもあって、自然の変化を感じやすい場所。薬膳を実践するには、恵まれた環境だと思います。

伊藤 私は大阪ですが、駅から家まで20分の道を、気温や風景の変化を感じながら毎日歩いています。季節を感じたり、周囲のことに目を向ける余裕が出てくると、からだにも目を向けられるようになる。感性が豊かな人ほど健康になれる、つまり美しくなれると、私は思います。

伊藤和憲 明治国際医療大学教授
1972年生まれ。鍼灸学博士。全日本鍼灸学会理事。明治国際医療大学鍼灸学部教授。明治国際医療大学大学院鍼灸学研究科教授、同大学大学院研究科長。2012年~2014年、厚生労働省科学研究費助成事業 地域医療基盤開発推進事業「慢性疼痛患者に対する統合医療的セルフケアプログラムの構築」、2014年~2015年同研究助成事業「鍼灸における慢性疼痛患者の治療方針ならびに医師との連携に関するガイドライン」の研究班班長を務める。また、2016年より過疎化対策の一環として京都府南丹市にて養生の体験教室「MIYAMA 森の湯治場」を監修。明治国際医療大学附属鍼灸センター長を務め、「はり•きゅう」の治療に当たるとともに、慢性痛患者のためにセルフケアを指導している。

中 倫子 薬膳料理家(管理栄養士・国際中医薬膳師)、宝グループ (株)トータルマネジメントビジネス
京都女子大学卒業後、宝酒造株式会社(現、宝ホールディングス株式会社)入社。現在、株式会社トータルマネジメントビジネスにて、宝酒造をはじめとする大手食品メーカーや量販店向けの料理レシピ開発などに従事し、薬膳教室・料理教室の講師を務める。

ワコールスタディホール京都 伊藤さん、中さんが講師をつとめるスクール講座情報
東洋医学が導く美のメソッド ~しっかり学ぶベーシック編~(全3回)
2018年4月11日、5月9日、6月6日 (水)19:00〜20:30

※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
※この記事に含まれる情報の利用は、お客様の判断と責任において行なってください。

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