トップ 商品づくりの現場から / BODY 動きの左右バランスを整える新発想ショーツ!「骨盤サポート」開発秘話

インサイドストーリー

商品づくりの現場から

2017年9月27日

語り/小嶋瑠璃(商品統括部 商品企画部 デザイン三課)
岡本智子(人間科学研究所 研究開発課)

BODY

動きの左右バランスを整える新発想ショーツ!「骨盤サポート」開発秘話

足を組んで座ったり、歩き方のクセや姿勢の傾きなど、1日のなかでどうしても崩れてしまう左右の動きのバランス。ここに着目し、骨盤の動きの左右バランスを整えるために生まれたのが「骨盤サポート」。レースをふんだんに使った見た目の美しさからは想像もできないほど、緻密に考えられた機能性、その秘密に迫ります。 骨盤サポート
気軽に、自然に、ここちよく。
独自に生み出した構造で、骨盤をサポート。
――ワコールの「美ショーツ」は、毎日はけるサポートショーツを多く生み出していますが、そのグループから「骨盤サポート」が誕生した経緯について教えてください。

小嶋 1995年から発売し、多くの支持をいただいている美ショーツですが、若い方にももっとサポートショーツのよさを実感してもらいたい、と考えたところから今回の開発は始まりました。今は、ゆったりとしたシルエットやビッグサイズの服がトレンドで、そういったゆるやかな服だとからだのラインも隠れることが多いのですが、だからといって、女性にとって"きれいなからだのラインをキープしたい"という気持ちがなくなったわけではありません。そして調査するなかで"骨盤を改善したい""骨盤にいいことをしたい"など、特に「骨盤」は多くの女性が気になるキーワードであることがわかりました。 小嶋瑠璃 ――骨盤と聞くと、きれいな姿勢やダイエットなど「美」に関連するイメージが浮かんできます。

小嶋 はい。雑誌やテレビなどでも特集されている影響もあるのかもしれませんね。実際に、ワコールの店舗で働くアドバイザーから聞くお客さまの声からも、「骨盤にアプローチする商品を探しにきた」「具体的に骨盤をどうしたいということはわからないけれど、なんとかしたい」など、骨盤に対するお悩みや要望が多いことも実感していました。それならば、ワコール人間科学研究所と協力して骨盤にフォーカスしたアイテムをガードルではなく、ショーツでつくれないかと考えたのです。

――ガードルではなく?

小嶋 はい。「骨盤に効くからがんばってガードルをはこう!」ではなく、もっと気軽に、自然に、デイリーに取り入れられるショーツでつくりたいと考えました。
やじろべえのように、
動きながらバランスを整える新発想!
――骨盤に焦点をあてた開発が始まったのですね。

小嶋 人間科学研究所に相談すると、偶然にも過去に骨盤について研究し、商品を出した経験もあり、すでにそのノウハウをもっていたんです。

岡本 人間のからだは、左右バランスが取れていることが大事だという考えのもと、研究所では日常生活で生じるくせや動作で変わるからだのバランスを整え、気持ちやからだをスッキリさせるための商品を上半身から下半身まで一連で開発していました。ただ、骨のことは伝え方がとても難しく、苦労して得たノウハウをもう一度どこかで活かせないかと考えていたところに、相談がきて。こちらも「待ってました...!」と、すごくうれしかったです。 岡本智子・小嶋瑠璃 岡本 人間のからだの動きは、起きている間に少しずつ左右のバランスがズレます。起床から時間が経つほど動き方が左右対称でなくなっているんですね。日中、起きている間のからだの動かし方のくせが蓄積されることで、夕方から夜になるにつれて、どんどん動きの左右差が出てきます。「骨盤サポート」をはくことで、骨盤の動きの左右差が少しでも小さくなるよう、物理的にサポートしています。

――とても興味深いですね。いったいどのようにサポートしているのでしょう。

岡本 やじろべえをイメージしてみてください。やじろべえを押すと、いったんは左右のどちらかに揺れたとしても、少しずつ自力でバランスを取って左右対称に動きながら中心に戻っていきますよね。ショーツの力のかけ方も、ガシッと強い力で動きを固定してしまうのではなく、骨盤の中心を決めたうえで、左右どちらかの動ける方向は自力で動かしながら、あまり動けていない方向は、ショーツ素材の伸縮性を利用して動かすよう誘導するような仕組みを考えました。 岡本智子 岡本 具体的には、骨盤全体を囲むように骨盤前中心の下部から腰にかけてをVライン上にサポートして、骨盤の中心を安定させます。さらに足の付け根部分で骨盤とつながっている股関節の部分を左右の両サイドからXラインを描くように伸縮性のあるサポートをしています。これがやじろべえの左右の棒のイメージです。 骨盤サポート機能説明図 骨盤サポート 小嶋 このようにいくつものパワーのグラデーションをつくることで、抜くところは抜いて、はきごこちのよさを実現。そして特別な日だけでなく、毎日はきたいと感じられる、ほどよいパワー感に仕上げました。力のかけ具合、バランス感、狙った効果が出ているかなど、フィッティングと着圧計測を何度も何度も繰り返して理想の設計にたどり着きました。
肌触りのよさにもこだわった
高級感あふれるデザインが魅力
――パワー部分がレース柄で、V字の流れもレースに動きが出てとてもエレガントに感じますね。

小嶋 はい。大人の女性に手に取っていただけるようなエレガントさを意識しています。レースの柄は上品な雰囲気になるよう、華麗な流れの幾何学模様と、軽やかな唐草模様の組み合わせにし、また手持ちのブラジャーにも合わせやすい色合いにこだわりました。

また、レースというと堅かったり、カサカサと肌に当たるイメージがある方も多いかと思いますが、これは肌側にふんわりとしたウーリー糸を使用しているので、肌あたりがやわらかいのも特徴。今までレースが苦手だった方にもぜひ手にとっていただきたいですね。 肌側にふんわりとしたウーリー糸を使用しているので、肌あたりがやわらかいのも特徴 ――一見デザインで美しく見えるのに、実は一枚のレースの中にパワーが切り替えてあるなど、機能的な役割ももっていて、さらに肌触りもいいとはすごいですね。

小嶋 まずは見た目で好きになっていただけるよう、レースのパワー切り替えやおなか押えのパワー部分など、ガードルっぽくならないように心掛けてデザインをしています。

――色合いも素敵です。

小嶋 カラーバリエーションは5色。今はニュースキンカラーもトレンドで、以前は自分の肌よりも少し濃いベージュが好まれていましたが、今は軽やかなスキンカラーやベージュの代わりになるモーブピンクのような色が人気。ブラックもネイビーとの配色で地味にならず高級感があると評判です。

――贈りものにも喜ばれそうですね。

小嶋 このショーツは、ヒップをきちんと包みこむので、普段ガードルなどでヒップが出てしまう、臀部(お尻)のたるみが気になるという方にも、おすすめです。お母さまへのギフトにもぜひ。さまざまな年代の方にこの機能とデザインの美しさを堪能していただきたいですね。
小嶋瑠璃

小嶋瑠璃(こじま・るり) 商品統括部 商品企画部 デザイン三課。ワコール入社後、ブラジャーのパタンナーを担当。その後デザイナーに転身し、「サルート」「パルファージュ」「ラゼ」などのブランドをつとめ、「着やせすっきりブラ」「キャッチアップパンツ」などを手掛ける。現在はデイリーショーツを中心とした商品のチーフデザイナーに従事。

岡本智子

岡本智子(おかもと・ともこ) 人間科学研究所 研究開発課。ワコール入社後、商品試験室で材料の物性試験や品質試験を担当。 その後人間科学研究所に異動し、素材や人の生体について基礎研究をベースにした商品開発に従事。初代ナイトアップブラを開発し、寝るとき用ブラのカテゴリーを開拓するほか、人ともの(製品)の温熱特性を考慮した、夏に快適・冬に快適なワコールの商品開発のバックアップを行っている。繊維製品品質管理士。

取材・文/大庭典子
撮影/合田慎二

関連キーワード

  1. 小嶋瑠璃
  2. 岡本智子

ワコールをフォロー

  • facebook ワコール Wacoal corp.ページ
  • Twitter ワコール公式アカウント
  • RSS