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インサイドストーリー

商品づくりの現場から

2017年5月24日

語り/池田晋平(ワコール ワコールブランド事業本部)

BODY

トルネード設計で「ここちよい」メンズパンツ誕生秘話

「男性下着も"はきごこちのよさ"で選んでほしい」という思いから、1991年にメンズ下着が誕生。下着への関心は徐々に高まってきているものの、女性に比べるとまだまだなのが現状。そんな男性たちの意識を変える新商品、WACOAL MENの「トルネード設計パンツ」のこだわりに迫ります! トルネード設計パンツ
テーマは軽スポーツにも対応する
ワンランク上の快適下着
――男性は下着を購入するとき、何が決め手になるのでしょうか?

池田 まずはボクサーかトランクスかブリーフか...といったカテゴリーの選択で、次にデザインとブランド名で決める人がほとんどだと思います。海外のファッションブランドのロゴなら、チラッと見えてもおしゃれですが、そこで戦っても意味がない。ならば、選ぶ基準を"はきごこち"に変えていこうというのが、ワコールのメンズ下着が誕生した経緯です。 ワコール ワコールブランド事業本部 池田晋平 ――女性も下着をプレゼントするときデザインで選びがちですが、はきごこちの良さというのは、どこがポイントになるのでしょうか?

池田 改めて、下着への不満と快適な下着の条件について、2016年7月にインターネットでアンケートを取ってみたところ、不満は「ムレ」と「ズレ」が多数でした。快適な下着の条件は、「通気性がいい」「吸汗速乾性がある」「フィット感がある」「肌触りがいい」などです。特に夏場はフロント部分がいつも以上にムレて、不快指数マックスになるにも関わらず、常に不満というわけではないこともわかりました。男性は下着に対する関心が低いため、「まぁ、いいか」となる。ここが女性との違いです。

――百貨店向けブランドWACOAL MENには、フロントと裾がズレにくい下着が多数ありますよね。「トルネード設計パンツ」は、どこが違うのでしょうか?

池田
 健康志向が高まっていたり、スポーツミックスがファッションのトレンドになるなど、スポーツに関心が集まっている今、軽スポーツにも対応する下着も必要では? という百貨店のバイヤーさんからの声もあり、商品化したら海外のライセンスブランドに勝てるかもしれないと思ったのです。それで、"いつもよりアクティブな1日を快適に過ごすボクサーブリーフ"をコンセプトにしました。
一枚の布をトルネード状にねじることで、
今までにないフィット感を実現
――商品名にもなっている「トルネード設計」の特徴を教えてください。

左/ボーダー柄のラインの方向に生地が伸びることで、からだに吸い付くようなフィット感を体感できる。右/ヒップ部分の布はフロントから1枚の布が続いており、ねじるように設計することで、生地の伸び方向を変化させ、からだにフィットさせる(トルネード設計)。 左/ボーダー柄のラインの方向に生地が伸びることで、からだに吸い付くようなフィット感を体感できる。右/ヒップ部分の布はフロントから1枚の布が続いており、ねじるように設計することで、生地の伸び方向を変化させ、からだにフィットさせる(トルネード設計)。 池田 「トルネード設計」は、「日常のあらゆる動き」に対応できる設計をデザイナーの長谷川に相談し、彼女が短期間で仕上げてくれたことで実現しました。縦ボーダーのところと横ボーダーのところがあるのは、からだの伸縮方向に合わせているからです。前太もも部分はからだが伸縮したとき皮膚が縦方向に伸びることから、生地の向きも縦方向に配置。これに対してお尻は皮膚が横方向に伸びる。この特徴から、太ももからヒップにかけて一枚の布をひねるように配置しました。それが「トルネード設計」です。

からだの伸縮方向に合わせて、パーツごとに生地の伸縮方向を変えればからだ全体にフィットし、全体にフィットすれば軽い運動をしてもズレにくくなるという答えには、すぐにたどり着きました。フロント部分のムレは、吸汗速乾性、抗菌防臭性、通気性のすべてを備えているメッシュ素材を裏打ちに使用することで解消しています。 フロント部分の裏打ちや、肌への刺激を軽減するフラットシーマ縫製は、はきごこちのよさをとことん追求するワコールならではのこだわり。 フロント部分の裏打ちや、肌への刺激を軽減するフラットシーマ縫製は、はきごこちのよさをとことん追求するワコールならではのこだわり。 トルネード設計を叶えるための生地もすぐに見つかったのですが、最初はスイムウエア並みの厚みがあったんです。このままでは商品化できないため、希望の薄さになるまで何度も調整してもらい、そしてその都度、伸縮性やワコールの基準を満たす耐久性を検査しました。

――ここまでこだわった理由を教えてください!

池田 世の男性は、なにしろ下着への関心が薄い。不満はあっても、もっとここをこうして欲しいというような、具体的で細かい要望は出てきません。だからつくり手が提案していくしかないと思ったのです。今までデザイン押しだったメーカーも、はきごこちを追求してきているので、ここまでこだわらないと追いつかれてしまうというのもあります。

――パタンナーとデザイナーは女性だとか。ということは、実際のフィット感などは、池田さんの感覚が重要になってくるわけですね。

池田 企画チームは男性が私ひとりなので、別の部署の男性社員にも協力してもらい、屈伸などさまざまな動きをすることで、ズレやムレを検証したり、普通のパンツとはき比べてみたり。パンツ1枚で「あ!本当にズレない!」と検証している様子をパタンナーとデザイナーも見ているわけですが、何十回と行っているので恥ずかしさはまったくありません(笑)。
一度はいたら満足していただける
自信作は、父の日のプレゼントにも
――お客さまからの反応はいかがですか? 父の日のギフトに検討される方も多いと思うので、気になるところです。 裾はアウターにラインが出にくい、シームレス仕様。伸縮性がありながら変形性はないので、裾がくるっとカールせず、めくれ上がらない。 裾はアウターにラインが出にくい、シームレス仕様。伸縮性がありながら変形性はないので、裾がくるっとカールせず、めくれ上がらない。 池田 2017年3月に発売したばかりですが、「これをはいてジムに行きたい」「フィット感がすごい」といった声や、「手触りがこんなに気持ちいい下着を、初めてはきました」というレビューがありました。男性の感度が上がってきている実感はあります。

WACOAL MENは、父の日やクリスマスといったイベント以外でも、ワコールを愛用してくださっている女性が旦那さんや彼氏のために購入する割合が高いんですよ。男性の下着は黒、グレー、ネイビーが鉄板カラーということもあり、「トルネード設計パンツ」もネイビーとブルーが人気ですが、スポーツをされる方には緑やオレンジもおすすめです。一度はいていただければ、「快適ってこういうことなんだ!」と実感していただける自信はあります。男性は気に入るとあまり浮気をしないので、「トルネード設計パンツ」をきっかけに、男性の下着への感度がもっともっと上がればいいなと思っています。
池田晋平

池田晋平(いけだ・しんぺい) ワコールブランド事業本部 商品統括部 開発商品部 レッグ営業課 WACOAL MEN MD担当。専門店のセールスを経て、2016年4月より現職。

取材・文/山崎潤子
撮影/ワコールボディブック編集部

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