トップ ランジェリー★EXPRESS / BEAUTY 恵まれた環境から生まれるブランド「ハンロ」

インナーファッションの流行ウォッチング

ランジェリー★EXPRESS

2016年9月14日

文/武田尚子(ジャーナリスト)

BEAUTY

恵まれた環境から生まれるブランド「ハンロ」

コットンの中でも世界最高級の海島綿を使用。「HANRO(ハンロ)」のラグジュアリーな世界を象徴している(以下すべて「HANRO」2017春夏コレクションより)。 コットンの中でも世界最高級の海島綿を使用。「HANRO(ハンロ)」のラグジュアリーな世界を象徴している(以下すべて「HANRO」2017春夏コレクションより)。 世界の名だたるランジェリーブランドの中でも、特異な存在感を放っているのが「ハンロ」です。スイスで誕生してから既に130年。肌着やナイトウェアなど上質なニットアイテムを特徴に、肌の触感や着ごこちに訴えるラグジュアリーな世界を確立しています。
そのブランドが生まれる現場の空気を味わうために、この7月、オーストリアにある本社に伺ってきました。
グローバルブランドの強さの秘密
スイス・チューリッヒ空港から車で約1時間半。スイスやドイツとの国境にも程近いオーストリア・フォアアールベルク州にハンロの拠点はあります。
ヨーロッパの人にはよく知られたリゾート地で、すぐ近くでスキーも楽しめるという自然に恵まれた環境にあり、地産地消の農作物や食肉も豊富です。3国にまたがるボーデン湖周辺には、もともと機械メーカーや繊維メーカーが多く、クリスタルで有名なスワロフスキーやレースメーカーなども近くにあるという土地柄です。 刺しゅうレースの繊細さに心を奪われる。レースの柄はオリジナル。 刺しゅうレースの繊細さに心を奪われる。レースの柄はオリジナル。 ヨーロッパらしい田園風景を過ぎ、かわいい町並みを少し走ると、ハンロ本社に到着しました。ここはホーマン社長をはじめ、企画デザイン部門、営業部門などのハンロの中枢機能が集結。隣接する工場では、広々としたスペースの中に合計約75台の機械が稼働し、同ブランド向け素材を中心にしたニットの編立や染色が行われていました。製品を作る縫製工場はポルトガルにあります。
販売先市場としては、地元近隣国(スイス、ドイツ、オーストリア)が全体の40%を占めますが、世界で最も大きいシェアを占めるのがアメリカで30%。それ以外の国が30%となっています。
「ハンロ」が今日のようなグローバル化が進み、安定した成長を続けられるようになったのは、2000年にオーストリアのニットアパレル総合企業、フーバーグループの傘下に入ってから。特に2007年に現社長体制になって以降は、全体で2倍近くに成長しているそうです。 カジュアルなトレンドラインは、イエローが効果的に使われている。 カジュアルなトレンドラインは、イエローが効果的に使われている。
2017春夏テーマは"コントラスト"
本社内で、来年2017年の春夏コレクションを見せていただきました。テーマは、"コントラスト"。北アフリカのマラケッシュで撮影を行ったカタログは、茶色のレンガ、青い空、そして砂や水が見事なコントラストを描いています。自然のシンプルな風景の中に、光と影の微妙なニュアンスが表現された美しいものとなっています。
レディスコレクション、メンズコレクションそれぞれに、肌着やナイトウェアから、アウターウェアとして着られるラウンジウェアまで、また定番ラインからトレンドラインまでと多彩な構成になっています。
最近の傾向として、レディスでは着けごこちのよいソフトなブラジャーが充実。また、優しい透明感のあるレース使いや、トレンドカラーでアクセントをつけたものと、目を奪われるようなものも少なくありません。
海島綿からコットンシームレスといったハンロらしい上質なコットンをはじめ、ヴィスコース・シルク、コットン・シルクといった天然素材、さらにレーシーなオパール加工や布帛の素材もバランスよく組み込まれています。
これみよがしのセクシーさとは対極にある世界。身に着ける人の、質の高いライフスタイルが漂ってくるようなランジェリーです。こういう理知的で洗練されたイメージを求めている人は、日本にもたくさんいるはずと思います。
最終的に行きつくブランドのひとつであることは間違いないでしょう。 美しく着けごこちのよいブラジャーも、「ハンロ」の顔になりつつある。 美しく着けごこちのよいブラジャーも、「ハンロ」の顔になりつつある。
武田尚子(ジャーナリスト)

武田尚子(ジャーナリスト) インナーウェア専門雑誌の記者を経て、1988年にフリーランスに。以来、ファッション・ライフスタイルトータルの視点から、国内外のランジェリーの動きを見続けている。著書に『鴨居羊子とその時代・下着を変えた女』(平凡社)など。
「パリ国際ランジェリー展」など年2回の海外展示会取材は、既に連続30年以上となる。現在、ライフワークとなる新たな計画を進行中。
http://blog.apparel-web.com/theme/trend/author/inner

関連キーワード

  1. ハンロ
  2. ランジェリー
  3. 武田尚子

ワコールをフォロー

  • facebook ワコール Wacoal corp.ページ
  • Twitter ワコール公式アカウント
  • RSS