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インサイドストーリー

商品づくりの現場から

2016年6月29日

語り/りぼん(ワコール宣伝部
プロフェッショナルクリエイター)

BODY

16年も愛されるロングセラー!「モールドブラ」

"ひびかない"、"ラクな着ごこち"は、モールドブラの大きな特徴。2000年にワコールで開発されたモールドブラは、それだけでなく、"モードさ、セクシーさ"も兼ね備えたデザインで話題になりました。16年経った今も、当時のパターンは引き継がれ、ブランドの垣根を超えて販売されています。今回は、初代モールドブラの開発秘話を教えてもらいます! スタディオファイブ 3/4カップブラ ¥6,500~¥7,000+税 スタディオファイブ 3/4カップブラ ¥6,500~¥7,000+税
こんなにシンプルで、こんなに美しい。
大人のモールドブラが誕生!
――2000年に、新型モールドブラを開発したきっかけについて教えてください。

りぼん
 私は、いろいろなブランドの立ち上げに携わってきましたが、そのなかのひとつ「モアクレエ」というブランドの方向性について、見直すことになったことがきっかけです。もっと今の時代に合う、女性の気分に寄り添ったものに変えようということでしたが、ブランドの方向性を変えるとひと言で言っても、それはそう簡単なことではなくて、デザイナーを変えればOKという単純な話ではないんですね。

それで、コンセプトから一新することにし、名前も「モアクレエ ネオ」に変更。書体もロゴもやわらかな雰囲気にして、"無理なく、ムダなく、かっこよく"をキーワードに、シンプルでモードなアイテムを発信するブランドに生まれ変わったのです。そして、新しい出発を迎えたこのタイミングで、長年あたためていた"モールドブラ"の開発の実現に向かって動き始めました。 りぼん ――なぜ、このタイミングで出そうと?

りぼん
 2000年頃は、ファッションのトレンドも、働く女性の気分も大きく変わってきているときでした。お仕事服も、かっちりとしたスーツから、ストレッチの効いたジャケットなど楽なものが増えてきましたし、カジュアル化が一気に進んできたことで、たとえばニットやシャツをさらりと着るにも、下着が"ひびかないこと""ラクであること"が重要視され始めました。

――なるほど。今ではストレッチの効いたジャケットもパンツも珍しくありませんが、このころから一気に増えましたよね。

りぼん
 「時代の要求する新製品を開発し、"着てほしいモノ"づくり」をすることが私のポリシーです。その思いを常に追い求めるなかで、ラクでひびかないブラをつくろうと決めました。このブランドでモールドブラをつくるなら、ラクな着ごこちだけでなく、「モードでセクシーなかっこよさ」も兼ね備えたものを開発したい、そしてそれはきっと女性が身につけたいもの、今の気分とも一致するはずだと考えたのです。
初代は、海外から直輸入した素材で完成。
光沢の美しさ、素材のやわらかさ、すべてが完璧!
――初代のモールドブラを開発する際には、とことん素材にこだわったそうですね。

りぼん
 イタリアとドイツの素材を開拓して、すべてストレッチ素材、そして、玉虫のように美しく、奥深い光沢を放つシャンブレー素材を使用してつくりました。 りぼん ――なんて贅沢な。

りぼん
 当時は、年に2回ヨーロッパで行われる「ランジェリーショー」に行き、そこでやわらかく、上質なストレッチ性をもつ、色も美しい、完璧な生地を発掘して、現地で商談をしていました。15年たった今でも、ヒモ部分まで黄変せずに丈夫なまま使っているというお客さまの声を聞くこともありますが、やはり素材のもつ底力を感じますね。この光沢感は今見ても特別ですし、まるで蝶の羽根のような色合いは、見る角度によって色の美しさを変えるんですよ。まるで大人の女性そのものですよね(笑)。

――上質な海外の素材を使って、モールドブラをつくるという試みは社内でも話題に?

りぼん
 もちろん、開発過程では懸念する声もあがりましたよ。材料を調達するのも大変だし、採算はとれるのか、と。当時の材料管理チームの苦労も相当あったと思いますが、それでも出したい、売りたいという気持ちが強くあって、営業チームも同じ想いで制作部隊を支えてくれました。その結果、愛用してくれるお客さまを獲得することができた、まさにチーム一丸となって取り組んだ感じでした。

――素材だけでなく、デニムに見える下着などユニークなデザインも多いです。

りぼん
 そう、デニム風のモールドブラ、スウェードのもの、京都の帯屋さんにデザインしていただいたプリントの下着、3本のストレッチテープが作用するズレないストラップレスブラなど、ランジェリーをモードに昇華すべく、新しい下着の形を発表しました。もちろんすべてストレッチが効いているので、すごく着ごこちもいいんですよ。

――2006年に残念ながらブランドはなくなってしまうのですが、モールドブラは、なんとブランドを超えて引き継がれることになったのだとか。

りぼん
 そうです。現在、素材は変わっていますが、パターンを引き継ぎ、2006年以降は「MC」で、現在は、「STUDIO FIVE(スタディオ ファイブ)」で購入することができます。

――購入される方のなかには、初代の「モアクレエ ネオ」時代から愛用してくれている人も多くいるそうですね。

りぼん
 本当にありがたいことですし、当時苦労して開発してよかったと心から思います。シンプルで、美しい、大人のモールドブラをこれからもひとりでも多くの人に身に着けていただけたら、うれしいですね。

りぼん

りぼん (ワコール 総合企画室 広報・宣伝部 企画デザイン課 京都スタジオ アーティスティックディレクター)
ずいぶん昔に(秘密...(^_-)-☆)ワコール本社入社。
「モア クレエ」「パルファージュ」チーフデザイナー、「サルート」「トレフル」プランニングデザイナーなど、バブリーな時代のランジェリーデザイナーを経て2012年より現職。
デザイナーとしての豊富な経験や視点を活かし、マーケティングをはじめ、さまざまなプロジェクトや、講師などで活躍中。

取材・文/大庭典子(ライター)
人物撮影/合田慎二

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