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インナーファッションの流行ウォッチング

ランジェリー★EXPRESS

2016年6月 1日

文/武田尚子(ジャーナリスト)

BEAUTY

『ソフトセダクション』に注目!

LE PETIT TROU(ル・プティ・トゥルー) LE PETIT TROU(ル・プティ・トルー) 「セダクション(seduction)」という言葉が最近、少しずつ耳慣れてきたように思います。日本語にすると、「誘惑、魅力」という意味です。ランジェリーには欠かすことのできないセクシーな要素ですが、言葉というものにもトレンドがあって、シンプルに「セクシー」と言ったり、以前よく使われていた「センシュアル(sensual)」(官能的な)と表現したりするよりも、今は「セダクション」という言い方がぴったりきます。
「快適性」への要求を背景に、セクシーも変化する
同じファッションとはいえ、ランジェリーのトレンドは婦人服のそれとはやや異なる面もあって、外側の衣服のトレンドがどう変化しようと、非常にセクシーな雰囲気のランジェリーは根強い人気があります。からだに巻き付ける、あるいは縛ることを連想させるような、ヒモのディテールやボーンを巧みにあしらったケージ状のデザインは、その代表です。当初は一過性の動きと見られていましたが、特にヨーロッパでは、変化をしながらもここ数シーズンにわたってトレンドが続いています。
ここにきて、エッセンシャル(基本的、本質的)なものを見直す機運も高まっているので、ランジェリー全体を大きく見ると、ベーシックなもの(日常性)とセダクション(非日常性)に二極化していると言えるでしょう。
ただ快適性や居ごこちのよさに対する人々の欲求が非常に高まっているので、後者のセクシーなタイプも極端なものではなく、ソフトなさじ加減が求められている、というわけです。
そこで登場しているのが、"ソフトセダクション"というキーワード。ランジェリーならではのセクシーなニュアンスと、身に着けたときの快適性がバランスよく楽しめるものになっています。 左/KRISS SOONIK(クリス・ソニック)、右/PALOMA CASILE(パロマ・カシール) 左/KRISS SOONIK(クリス・ソニック)、右/PALOMA CASILE(パロマ・カシール)
モードなミニマリズムを表現するランジェリーブランド
この"ソフトセダクション"の流れをリードしているのは、若い独立系デザイナーのブランドです。従来のいわゆるセクシーランジェリーとは異なり、ゆきすぎたセクシーではなく、モード性や上品さがあるのが共通項。モダンなミニマリズムの精神に満ちています。
日本でも着実にファンを増やしているイギリスの「KRISS SOONIK(クリス・ソニック)は、ウイットに富んだアウターウェアの感覚で、ランジェリーのセクシーなディテールや開きを取り入れているのが魅力です。
フランスの若手有力デザイナーによる「PALOMA CASILE(パロマ・カシール)は、厳選されたレースや素材でオートクチュールの手法を盛り込みながら、からだを大胆にカットして見せるボディスーツや、透ける総レースのキャットスーツ(ボディタイツ)などを意欲的に発表しています。
ポーランドの新星「LE PETIT TROU(ル・プティ・トルー)」は、ブランド名の「小さな穴」が象徴するように、さりげないセクシー感が時代の空気にマッチしていて、まさに"ソフトセダクション"というキーワードがぴったりきます。
日本国内でも、若い人を中心に関心が高まっているセクシーなランジェリー。「隠しながらあらわす」という、ランジェリーや衣服というものの本質を知るきっかけとなるに違いありません。
武田尚子(ジャーナリスト)

武田尚子(ジャーナリスト) インナーウェア専門雑誌の記者を経て、1988年にフリーランスに。以来、ファッション・ライフスタイルトータルの視点から、国内外のランジェリーの動きを見続けている。著書に『鴨居羊子とその時代・下着を変えた女』(平凡社)など。
「パリ国際ランジェリー展」など年2回の海外展示会取材は、既に連続30年以上となる。現在、ライフワークとなる新たな計画を進行中。
http://blog.apparel-web.com/theme/trend/author/inner

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