トップ ランジェリー★EXPRESS / BEAUTY つくり手の思いが伝わる「秘密のワードローブ ~Meet Lingerie~」展開催!

インナーファッションの流行ウォッチング

ランジェリー★EXPRESS

2016年2月10日

文/武田尚子(ジャーナリスト)

BEAUTY

つくり手の思いが伝わる「秘密のワードローブ ~Meet Lingerie~」展開催!

左/「リアル」ゾーン、右/「モード」ゾーン 左/「リアル」ゾーン、右/「モード」ゾーン 年が明けて間もない1月中旬、青山のスパイラルガーデンで「秘密のワードローブ~Meet Lingerie~」と名付けられた展覧会が開かれました。インナーウェア業界のメーカー団体である、日本ボディファッション協会が主催するランジェリーの展覧会。ブラジャーや肌着だけではなく、スリップをはじめとする幅広いランジェリーの魅力を再発見しようというもので、会期中は多くの来場者でにぎわいました。
オープンなスペースの会場は、大きく3つのゾーンで構成。現代アートでランジェリーを表現した「アート」ゾーンを入り、各社既存商品が並ぶ「リアル」ゾーンを進むと、近未来のランジェリーが提案された「モード」ゾーンに導かれるという流れです。
5大要素のテーマごとに既存商品を展示
一般にはあまり知られているとはいえないランジェリーのアイテム。そのデザインの多様性や奥の深さを伝えるために、既存商品はファイブエレメンツ(5大要素)をテーマに、ブランドミックスで構成されていました。このテーマは古くからある自然哲学の思想をベースにしたもので、心身のバランスをつかさどるものとして化粧品などでも使われている考え方です。
今回の「リアル」ゾーンでは、以下のようなカラーストーリー別クローゼットで展示されていました。実際の展示順に紹介しましょう。

【風・wind】
まるで風が通り抜けていくような、軽やかで優しいパステルカラー 【風・wind】まるで風が通り抜けていくような、軽やかで優しいパステルカラー
【空(くう)・void】
肌にしっくりなじむようなスキンカラー、コスメカラーのバリエーション 【空(くう)・void】肌にしっくりなじむようなスキンカラー、コスメカラーのバリエーション
【地・earth】
パープル系やグリーン系をはじめとするシックなアースカラーで大人の装いを 【地・earth】パープル系やグリーン系をはじめとするシックなアースカラーで大人の装いを
【水・water】
透明感のあるブルーやホワイトは、流れる水のようにクリーンなイメージ 【水・water】透明感のあるブルーやホワイトは、流れる水のようにクリーンなイメージ
【火・fire 】
黒と赤などコントラストの強い色の組み合わせが、ハートに火をつける 【火・fire 】黒と赤などコントラストの強い色の組み合わせが、ハートに火をつける 環境デザインについては、ファイブエレメンツの自然の恵みを感じさせるような、ナチュラルなガーデニングの演出で、まさに"センスオブワンダー"を感じるものとなっていました。部屋の内と外の線引きがあいまいなところも、ランジェリーの魅力と共通していますね。
近未来のランジェリーは力作が勢ぞろい
そして、スパイラルガーデンの奥のアトリウムで来場者を待ち受けていたのは「モード」ゾーン。出展各社ごとに提案した次世代のランジェリーです。今回の展覧会のために、特別にオリジナルで制作・展示がされました。 「モード」ゾーンでのワコールの展示 「モード」ゾーンでのワコールの展示 ここは各社各様の異なる個性が出ていたのに加え、全体としての不思議な調和もあって、新しいランジェリーの確かな可能性を感じさせました。
全体に共通する要素として浮かび上がっていたのは、"ハンドクラフト"です。衣服の実用性が強く求められる中で、インナーウェアもマーケティングや生産の合理化によって安価で便利なものを提供する傾向にありますが、その反動があらわれていたように思います。レースやストーンなどの装飾もパターンそのものも、人の手をかけて丁寧にひとつひとつ作ることの喜び――。そういったつくり手の思いが伝わってきました。
もちろん、プロのデザイナーたちの制作らしく、ブラ機能などの基本的な機能性や着やすさもしっかりおさえられていたことは言うまでもありません。
また一方では、接着技術や切りっ放しのできるシームレス生地を使った、まさに近未来的なランジェリーが登場していたのも特徴です。これは既にショーツやソフトブラでは人気上昇中ですが、ランジェリーのひとつの方向性といえるでしょう。
いずれにしても、「夢」や「美意識」といったファッションの底を流れるもの、ともすると日常生活の中で忘れられがちなそういうワクワクした気持ちを、再び呼び覚ましてくれるような展覧会だったといえます。
会場では人気投票のアンケートも実施されていましたが、これらが近い将来、何らかのかたちで商品化され、実際に身に着けられるようになるといいですね。
武田尚子(ジャーナリスト)

武田尚子(ジャーナリスト) インナーウェア専門雑誌の記者を経て、1988年にフリーランスに。以来、ファッション・ライフスタイルトータルの視点から、国内外のランジェリーの動きを見続けている。著書に『鴨居羊子とその時代・下着を変えた女』(平凡社)など。
「パリ国際ランジェリー展」など年2回の海外展示会取材は、既に連続30年以上となる。現在、ライフワークとなる新たな計画を進行中。
http://blog.apparel-web.com/theme/trend/author/inner

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