トップ 教えて、ドクター! / BODY 【特集/続・いざ温活!】腸のジャッジはいつだって完璧!

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教えて、ドクター!

2015年10月28日

先生/藤田紘一郎(医学博士、東京医科歯科大学 名誉教授)

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【特集/続・いざ温活!】

腸のジャッジはいつだって完璧!

腸のジャッジはいつだって完璧!
腸内細菌を増やして、冷えを撃退
腸を健康に保ち、冷えないからだをつくるためには、日々の食べものや習慣など、どんなことに気をつけたらよいのでしょうか。具体的な対策について、引き続き、藤田紘一郎先生に伺います。

長生きするための持続的エネルギーをつくるミトコンドリアが、よく働くためには37度が適温です。からだが冷えてしまうと、ミトコンドリアの働きが悪くなり、からだは大きなダメージを受けます。特に、ミトコンドリアは腸に多くいますから、腸を健康に保ち、いい腸内環境をつくることは、冷えにも、からだ全体にも大切なことなのです。

腸内には、平均約2キロもの腸内細菌がいて、最近の研究でその数は、1000兆個もあることがわかりました。想像してみると、ものすごい重さと量ですよね。そして、みなさんの腸内環境は、ひとりとして同じではなく、どんな種類の腸内細菌がどのくらいの数いるのかなど個人によってまったく違います。

腸内細菌の種類は、およそ1歳までに決定し、その種類は死ぬまで変わりません。多くの場合は、母親の腸内細菌と種類が似ますが、それは、1歳までに育ててもらった人と腸内細菌の種類が似るためです。

さて、一度決定したら種類は変わりませんが、量を増やすことはできます。これには年齢に制限なく、腸にとっていい習慣を始めたそのときから、腸内細菌の量は増えていきます。増やす方法のひとつとして、"乳酸菌"の含まれたヨーグルトや飲み物などの食品を摂取することは有効でしょう。ですが、ただやみくもに摂取するのではなく、効率的に量を増やすポイントがあります。

それは、「自分の腸内細菌の種類に近いものを、摂取すること」。乳酸菌とひとことで言っても、どの種類の乳酸菌をもっているかは、人によって全然違いますから、あなたに合うヨーグルトを「○○社の○○乳酸菌ヨーグルトがすごくいいよ!」と友人にススメたとしても、その乳酸菌を友人が持っているかは、わかりません。

どの乳酸菌を摂取しても少なからず量は増えますが、似た種類の菌を摂取すると、増え方もぐんとアップします。さまざまな種類を試しながら、自分に合うものを見つけてください。2週間くらい続けてみて、「肌の調子がいい」「お通じがよくなった」と実感できたら、それはかなり近い種類の乳酸菌でしょう。
よく噛み、味わうことが美腸への道
腸の機能を落とさないためには、"活性酸素"の働きを抑えることも重要です。細胞を攻撃し、腸内細菌の数も減らしてしまう活性酸素は、腸の天敵。体内に発生させる要因は、さまざまありますが、電化製品から出ている電磁波もそのひとつ。とは言っても、これらをすべて日常からハズすことは、不可能です。その代わりに、活性酸素を減らす働きのある食品を積極的に取り、活性酸素をつくりやすい食品を避けることが重要。

活性酸素の働きを抑える食材は、柑橘類や緑黄色野菜、ニンニクなどの匂いの強いもの。できれば、毎日とることを心がけてください。逆に食品添加物の多く含まれた食べ物は活性酸素を作りやすいですので、できるだけ避けましょう。

唾液中に含まれている酵素成分には、活性酸素を消す効果がありますから、よく噛んで食べることもポイントです。逆に考えると、よく噛んだときに、"気持ち悪い"と感じる食べ物からは、活性酸素がたくさん作られている可能性があります。添加物たっぷりのスナック菓子などを、何十回も噛んで味わう人はいませんよね。サッと食べて、飲みもので流し込んでしまいたくなる食べ物は要注意です。

また、常に時間に追われていたり、嫌な人と食事をしなくてはならないなど、ストレスの多い生活も活性酸素を増やす要因です。ストレスがたまると、脳は快楽系を刺激する、甘いものやスナック菓子などを欲します。ジャンクフードも少しなら問題ありませんが、大量に欲してしまう、毎日食べてしまうなど、ストレスをフルに抱えた脳の指令は、心身を不健康な方向に向かわせることも。私が書いた『脳はバカ、腸はかしこい』のタイトルにもあるように、脳は誘惑に負けやすく、だまされやすいのです(笑)。その点、腸は完璧ですよ。腸は、どんなときでもからだに悪いものに「NO!」のサインを、排泄物を通して伝えてくれます。

下痢をしたり、便秘になったり、すごくクサいオナラが出たり...これらは腸内細菌がいい状態ではないという腸からのメッセージ。脳よりも、腸の声に耳を傾けてください。
冷え性にいい水のポイントとは?!
私は世界中を歩き、長寿の村などの"水"の研究もしています。最後に冷えに効果的な水について、お伝えしましょう。冷え性にいい水のポイントは3つ。ひとつは、硬度の高い水。水中に含まれたミネラルやマグネシウムが新陳代謝を促して、血流をよくしてくれます。

ふたつ目はアルカリ性の水。特にからだが疲れているときは体内環境が酸性に傾くので、新陳代謝が滞ってしまいます。アルカリ性の水でバランスを整えると、血流も高まります。最後は炭酸水。炭酸水を飲むと、からだが「酸素が足りない!」と勘違いして、血流を促し、血行がよくなります。ただし、炭酸水は酸性のものが多いので、ダラダラと飲むのではなく、コップ1杯をさっと飲むのがよいでしょう。

腸を整え、冷えに備える対策は、日常からコツコツと地道に行うしかありません。どうぞ、腸の言うことを信じて(笑)、美しく、健康なからだづくりを行ってください」

----腸を大事にすると、肌のツヤや代謝、心の幸福度...いたるところにプラスの作用がありそうです。腸の声に耳を傾け、そのメッセージを受け取ることから、美腸生活を始めましょう。
藤田紘一郎

藤田紘一郎 東京大学医学系大学院修了、医学博士。金沢医科大学教授、長崎大学教授、東京医科歯科大学教授を経て、現在東京医科歯科大学名誉教授。専門は、寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。1983年、寄生虫体内のアレルゲン発見で、小泉賞受賞。2000年、ヒトATLウイルス伝染経路などの研究で日本文化振興会・社会文化功労賞、国際文化栄誉賞を受賞。著書に『脳はバカ、腸はかしこい』(三五館)、『50歳からは炭水化物をやめなさい』(大和書房)、『体をつくる水、壊す水』(ワニブックス)など多数。

取材・文/大庭典子(ライター)
イラスト/190

※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
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