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インサイドストーリー

商品づくりの現場から

2015年7月22日

語り/西澤孝弘(ワコールブランド事業本部商品統括部)
山田隆登(ワコール人間科学研究所)

BODY

気になるふとももをエクササイズ。『ふとももウォーカー』開発秘話

細身シルエットのパンツをはくたびに気になる「ふともも」のたるみやボリューム。『ふとももウォーカー』は、ふとももの補正効果に加えて、歩くときのふとももの筋肉の使い方と足運びに着目。研究の結果、内ももにしっかりと力が入り、足運びがまっすぐな歩き方にするための「ダブルライン構造」を発明しました。この構造が歩き方をどう変えるのか、開発に至るまで何に苦労し、どこにこだわったのか、ワコール人間科学研究所の山田隆登、ワコールブランド事業本部の西澤孝弘に聞きました。
構想10年。いよいよ『ふとももウォーカー』が始動!
ふとももウォーカー ――2005年に「ヒップウォーカー」から始まった機能性ボトムのシリーズですが、今回いよいよ「ふとももウォーカー」が誕生することになりました。

西澤
 実は、最初の「ヒップウォーカー」の開発が始まったときから、「ふとももウォーカー」も視野にありまして、構想10年目にして、ようやく実現しました。

――10年前から温めていたのですね! 時を経て、今、誕生したことには何か理由があるのでしょうか。

西澤
 最近実施した「自分のからだの中で、気になる部位は?」というアンケートでは、世代ごとに答えが分かれるという、興味深い結果が得られました。全世代を通して、「おしり」が1位ですが、2位以下は、50代以上では「おなか」が上位にあがってくるのに対して、20代や30代前半の人たちのアンケートでは、「おなか」を抜いて、「ふともも」が上位に浮上してきました。

その理由としては、「スキニーパンツをはいたとき、太もものラインをカッコよく見せたい」「パンツをはいたとき、左右の太ももの間にすき間をつくりたい」と、スキニーパンツや細身シルエットがトレンドになるというファッションの流れも関係していました。おしゃれへの興味と相まって、太ももを美しく見せることへの関心も高まっている。このようなアンケート結果を受けて、「ふとももウォーカー」が必要とされているのではないかと考えたのです。
「ダブルライン構造」でふとももの内側の筋肉を使ったまっすぐな足運びをサポート
――なるほど...。確かに、女性同士でもふともものラインがカッコいい人がいると、「いいな」とつい目を向けてしまいます。「ふとももウォーカー」の特徴はなんでしょうか?

西澤
 この1枚で、ふとももにさまざまなアプローチをしているのですが、まず、「ふとももの間に、すき間が欲しい」という多くの声に応えるべく、見た目のすっきり感については、「ふとももの内側に伸縮性の強い生地を使用」し、はいたそのときから、シェイプされた見た目が実感できるよう、こだわりました。

山田 またふだん、どのようにふとももの筋肉を使っているかを知るために、多くのモニターさんの歩き方を検証しました。すると、実に多くの方が、歩行時に内ももの筋肉がうまく使えていないことがわかりました。筋肉を使わず内股歩きになっている人、ふとももの外側に力が入っている外股歩きの人など、多くの方がまっすぐ足を出せておらず、内ももの筋肉をきちんと使えていなかったのです。

――歩いているときは無意識で「足をまっすぐ出しているか」は、あまり考えていないですね。

山田
 歩き方は、積年の習慣によってできあがっています。内ももの筋肉が使えなかったり、ふとももが正面を向いていないと、歩くときにもしっかり地面を蹴れませんし、その結果よちよちとした歩き方になってしまったりと、独特のクセがついてしまいます。私たちは、モニターさんの歩き方を観察することよって、「内ももにしっかりと力が入る」「足がまっすぐ出る」ことを叶えるべく開発を進め、「ダブルライン構造」を編み出しました。 ふとももウォーカーのダブルライン構造 山田 「ダブルライン構造」とは、歩行時ふとももが外側や内側に向くときに、逆方向に反発する力が生まれるようにラインを施した仕組みです。「ふとももライン」を前面と背面に施し、ふとももが正面を向いたまっすぐな足運びをサポートしています。まっすぐな足運びによって、ふだん使われにくいふともも内側の筋肉が使われるようになり、エクササイズ歩行への変化が期待できます。 エクササイズ歩行への変化 左/ふとももが正面を向いた、まっすぐな足運びへとサポート。
右/ふだん使われにくい「ふともも内側」の筋肉を使う。
――シェイプアップ効果だけでなく、歩き姿まで! 開発にあたりもっとも苦労したことは何でしょうか。

山田
 歩き方を見ていると、体型によってその大小は異なるものの"左右にブレて"いる人が多いこともわかりました。サイズが大きくなるほど、左右のブレも増すのですが、この"ブレ"には、どのようにアプローチしたらよいかを探るのに時間がかかりました。結果として、「ふとももの向きを変える」ことに加え、「骨盤をサポート」すれば、よりまっすぐに歩けるようになることを見つけることができました。
アウターを美しく着こなすための
カラーやツヤ感へのこだわり
ワコール ふとももウォーカー(フルロング) ワコール ふとももウォーカー(フルロング)¥5,000+税 ――骨盤やふとももなど、さまざまなラインが施されて、1枚で多くのサポートが受けられるのは、いいですね。

西澤
 ただ、サポートラインが増えた分、見た目にたくさんテーピングをしているような、つぎはぎ感が出てしまうのは、避けたいと思いました。「ふとももウォーカー」は、1枚の生地のなかで、パワー差を出す特殊な加工をしていることも特徴で、これによって軽やかなはきごこちを追求しています。ガードルには、どうしても"締め付け感"や"窮屈な感じ"のイメージがあるのですが、それを変えるためにも、さまざまなところにこだわりました。

――ガードルには「窮屈そう...」といったイメージがまだあることも確かですよね。

西澤
 そうなんです。「ふとももウォーカー」は、着脱のしにくさから開放されるよう、すべりのよいツルツルとした生地を使用し、ウエストテープもやわらかい生地を採用。すべりのよい生地は、アウターもするっときれいにはけるなど、"スリップ"のような役割も果たしています。さらに、色も一般的なスキンカラーではなく、アウターに響きにくい明るい色で仕上げ、スキニーパンツもカッコよくはけるフルロング丈にしました。

――気になるふともものみならず、歩き方、着こなしまで、美しくなりそうな1枚ですね。

西澤
 ありがとうございます。美しさを高める心強い味方として、手に取っていただけたらうれしいです。

(※シェイプとは、下着の補整効果によりボディラインをととのえること)
西澤孝弘(にしざわ・たかひろ)

西澤孝弘(にしざわ・たかひろ) ワコールブランド事業本部商品統括部 インナーウェア商品営業部 ファンデーションランジェリー営業課。2004年入社以来、6年間の百貨店様担当セールスを経て、商品部へ異動。2013年より現職、スタイルサイエンス商品をはじめ、―5歳の着やせパンツ、女神のヒミツビーナスハイウエストなど ワコールブランドのボトム全般のMDを担当。

山田隆登(やまだ・たかと)

山田隆登(やまだ・たかと) 人間科学研究所 製品因子研究ユニットリーダー。立命館大学 生体情報研究室卒業。大学では、人間の脳波や心電図などの生理情報や、感覚や感性などの心理側面に関する情報、反応や追従などの行動能力や日常生活行動に関する情報など、人間の生理・心理・行動に関わる生体情報を研究。2007年入社後、日常から運動シーンにおける不具合を解消する新商品の開発を行っている。コンディショニングウェアCW-X(シーダブリューエックス)の柔流(ジュウリュウ)やサポートタイツの開発、グラッピーのひざサポート、股関節ガードルの評価など、一貫して製品の研究開発に携わっている。

取材・文/大庭典子(ライター)
人物撮影/合田慎二、平賀 源

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