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インナーファッションの流行ウォッチング
ランジェリー★EXPRESS
2015年7月29日
BEAUTY
インナーウェアも『スポーツ』に注目!

7月5日から3日間、パリで開催されたランジェリーとスイムウェアの展示会「モード・シティ」展でも、今回の大きなテーマとして"スポーツ"がフォーカスされていました。
異なるカテゴリーの橋渡し役
ランジェリー(インナーウェア)においてもスイムウェアにおいても、もっというとファッションやライフスタイル全体の中で、"スポーツ"は一大トレンドになっています。パリのデパート「ギャラリー・ラファイエット」では、ランジェリーとスイムウェアのフロアに、ヨガを中心とするスポーツウェアの大きな売り場が出現していました。スポーツウェアは、下着と水着、あるいは水着とスポーツウェア、水着とカジュアルウェアというように、異なる領域をつなぐ(ボーダーをなくす)重要なキーワードとなっています。実際に、今回の「モード・シティ」でも、インナーウェアなのかビーチウェアなのか見分けがつかないものが増えていました。中にはその両方に使えるものさえあります。
スイムウェア(泳ぐため)からビーチウェア(海岸で楽しむ)へと発展してきた水着についても、次なる進化として改めてスポーツという方向性があり、このスポーツウェアやアクティブウェアはまさにインナーウェア側とも密接な関係になっています。つまり、インナーウェアなのかスイムウェアなのかという、従来のカテゴリーで分けてとらえる時代ではなくなっているのです。

機能性への強みが発揮できる分野
さらに、ランジェリーからの視点でいうと、今なぜスポーツなのかという背景には、業界が抱える深い事情があります。グローバルな大手小売りチェーンが世界のランジェリー市場をも席巻する中で、専業メーカーや素材メーカーにとっては、自らの強みである物づくりや機能性を武器に、存在意義を高めたいという思いがあります。特に体型補整をはじめとするファンデーションのノウハウを発揮できるのが、このスポーツの分野なのです。
「モード・シティ」は時代に求められたトレンドではありますが、製造業側がリードしていることも、事実のようです。


武田尚子(ジャーナリスト)
インナーウェア専門雑誌の記者を経て、1988年にフリーランスに。以来、ファッション・ライフスタイルトータルの視点から、国内外のランジェリーの動きを見続けている。著書に『鴨居羊子とその時代・下着を変えた女』(平凡社)など。
「パリ国際ランジェリー展」など年2回の海外展示会取材は、既に連続30年以上となる。現在、ライフワークとなる新たな計画を進行中。
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