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インナーファッションの流行ウォッチング

ランジェリー★EXPRESS

2015年5月20日

文/武田尚子(ジャーナリスト)

BEAUTY

レースもグラフィック感覚がトレンド

Simone Pérèle社のブランド「IMPLICITE(アンプリスィット)」 2007年秋冬にデビューしたSimone Pérèle社のブランド「IMPLICITE(アンプリスィット)」より。 デジタル時代の中で、ファッションにもグラフィック感覚が求められています。ことにインターネットビジネスにマッチした視覚表現が大切になり、デザインのトレンドにも影響を及ぼしています。
これはランジェリーにおいても同様で、全体のプロポーション、素材の組み合わせをはじめ、プリントやレースの柄に至るまで、従来とは異なる変化が見受けられます。
クラシックな花柄からモダンな柄へ
ランジェリーにとって命ともいえるのがレース。レースの付加価値がその製品の価値を決めるといっても過言ではないほど、レースが大きな役割を果たしてきました。
日本では長い間、クラシックな花のモチーフが好まれ、バラをはじめとする豪華な花や、多色使いのかわいい小花柄のエンブロイダリーレースが人気でしたが、ここにきて今までになかった新しい趣向のものも登場しています。先日発表された2015年秋冬物を見ると、葉脈あるいはメロンの表皮のような微妙なニュアンスの柄も見受けられました。 「HUIT(ユイット)」(左)と「Simone Pérèle(シモーヌペレール)」 ともにフランスのランジェリーブランド「HUIT(ユイット)」(左)と「Simone Pérèle(シモーヌペレール)」。 これは世界的なトレンドの変化を受けたものといえます。特にヨーロッパでは数年前からレースにも幾何学柄や抽象柄が増え、三角や格子などの直線的なモチーフをうまく取り入れ、また波、泡、樹皮など自然からインスピレーションを受けたようなものも、モダンに図案化されているのが目につきます。
2015年秋冬コレクションの「パリ国際ランジェリー展」で、ビジュアルインパクトの強かったのは、タトゥ(刺青)効果のある大胆なグラフィックパターンを全面に使ったもの。またカゴの網目のような幾何学柄は、色も柄も比較的おとなしい印象だけに、光るラメ糸を使って華やかな魅力を放っていました。
花のモチーフもフレッシュに表現
Simone Pérèle(シモーヌペレール) 「Simone Pérèle(シモーヌペレール)」より。 主力を占める花のモチーフについても、ありきたりで退屈な感じにならないよう、いかにフレッシュな印象を与えるかが大きな課題になっています。オーガニックな植物や花のナチュラルなボタニカル柄、60年代風の幾何学的にデザイン化されたデイジー柄など、配色を含め、花ひとつとっても様々な表現が見られます。アンティークのリネン類にあるような、手工芸的な雰囲気のものも見直されています。

柄だけではなく、レーザーカットや3D(立体的)効果と、多彩な表面変化を出すための技術を駆使しながら、新しいものが生み出されています。さらに、異なるレースの複合的な組み合わせ、レースとプリントの融合も進んでいます。
いずれにしても女性のからだをいかに引き立たせ、満足を与えるか、これがランジェリーにおけるレースの役割であることに変わりはありません。
ランジェリー全体を見渡すと、レースを使わないシンプルなモールドブラのシェアが高まっているだけに、改めてレースの価値が問われる時代になっているといえるでしょう。
武田尚子(ジャーナリスト)

武田尚子(ジャーナリスト) インナーウェア専門雑誌の記者を経て、1988年にフリーランスに。以来、ファッション・ライフスタイルトータルの視点から、国内外のランジェリーの動きを見続けている。著書に『鴨居羊子とその時代・下着を変えた女』(平凡社)など。
「パリ国際ランジェリー展」など年2回の海外展示会取材は、既に連続30年以上となる。現在、ライフワークとなる新たな計画を進行中。
http://blog.apparel-web.com/theme/trend/author/inner

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