トップ 商品づくりの現場から / BODY 新発想『着る指圧代用器』! 「背中おしもみトップス®」開発秘話

インサイドストーリー

商品づくりの現場から

2015年4月 8日

語り/木村亜依(ワコールブランド事業本部
インナーウェア商品統括部開発商品部レッグ営業課)
丹松由美子(ワコール人間科学研究所 研究開発課)

BODY

新発想『着る指圧代用器』! 「背中おしもみトップス®」開発秘話

着ることで、背中の血行をよくして、筋肉のコリをほぐす...! そんな新発想のトップスが2015年2月に発売となりました。どのような経緯で、背中をやさしく押しもむ刺激が得られるインナーウェアが完成したのでしょうか。開発に携わったワコール人間科学研究所の丹松由美子、ワコールブランド事業本部開発商品部の木村亜依に、開発のきっかけや苦労、設計のポイントなどを聞きました。 背中おしもみトップス®
多くの女性が感じている
"背中のコリ"を
ほぐすトップスをつくりたい!
――「背中おしもみトップス®」とは、その名のとおり、背中を押してもむトップスということですか?

丹松
 はい。以前から、アンケートで多くの女性から「背中のコリを感じている」という声が聞かれ、いつかそれに応えられるような商品をつくりたいと思っていました。

――デスクワークで同じ姿勢が続いた後などに、背中のコリを実感することはありますね。

丹松
 私自身もすごくコリを感じるタイプなので、よくわかります。そのコリにアプローチするトップスを、と考えたときに、最初はこする機能を付けてみたり、いろいろと試したのですが、これがまったく気持ちよくないんです(笑)。着ることでここちいい刺激を得られるもの、と考えたときに、シンプルに「押す」という発想が出てきました。

コリを感じる部分に当たるよう押すためには、衣服に突起物を付ければいい!と思ったのですが、そこでまた問題が発生しました。服の上から見たときに、突起物の形が目立ってしまうのです。たとえ気持ちよくても、そんなトップスは着たくないですよね。「突起物があたって気持ちのいいところ」「血行をよくすることによって、コリが楽になるところ」「突起物があっても、目立たないところ」はどこだろう、と研究を重ねるうちに、たどり着いたのが肩甲骨の内側のくぼみでした。
肩甲骨の動きに着目して
背中の筋肉の血行をよく!
日常生活における肩甲骨の動き ――肩甲骨の内側のくぼみですか?

丹松
 はい。立っているときや、座りながらでも姿勢を正したときに、肩甲骨の内側にくぼむ部分がありますよね。そのくぼみに凹凸指圧クッションが当たるように設計すれば、外から目立たないですし、ちょうど押されて気持ちのいい部分でもあります。しかも、この箇所には背中の大きな筋肉があるので、血行をよくすることができれば、コリはほぐされ、楽になります。

――なるほど! すべての条件を満たしているのが肩甲骨のくぼみだったのですね。

丹松
 とはいえ、ただ突起物を衣服につけるだけでは、押す力は生まれません。押す力を生み出すために、日常の動作と衣類の状態に着目しました。

ピッタリとしたインナーを着ていると、腕を前に出したときには背中の生地が伸ばされて、フィットします。この、腕の動きにともなう生地の伸びる力を使えばいいのではないか、と考えたのです。正確には、「伸びる力を抑えて」押す力をつくろうとした、ということです。 凹凸指圧クッション連結部 ――伸びる力を抑える...。どういうことでしょう?

丹松
 図の「凹凸指圧クッション連結部」を見てください。腕を動かしたときに本来いちばん大きく生地が伸びる箇所を伸びないようにしています。伸びを抑えることによって、生地がつっぱり、動くたびに凹凸指圧クッションが当たりやすくなるのです。その他、効率よく押す力がかかるようなラインも加えました。また、凹凸指圧クッションの形を肩甲骨の形に添ったカーブ状にすることで、からだに沿いやすくしています。

これらの設計により、家事をしているとき、パソコンに向かっているときなど、日常生活の中での、ちょっとした腕を動かす動作で、凹凸指圧クッションからやさしい刺激が加わります。
やさしくじんわりとした
刺激を1日中実感!
――指圧クッションが凹凸になっているのにも理由がありますか?

丹松
 最初は、1本の細長いクッションでしたが、圧力は小さな面で当てた方が刺激を感じやすいので、凹凸状にしました。クッションの固さについても、当たったときに固さは感じられるけれども、痛みを感じにくい、気持ちのいい固さを探り、ブラジャーのパットと同じ素材のものに決定しました。 指圧クッション ――襟ぐりが広く開いているのもうれしいポイントです。

木村
 最初はもっと詰まっていたのですが、開きの深い服を着るときに見えないよう、それでいて、生地を引っ張る機能を損なわないギリギリのラインを狙いました。 背中おしもみトップス® ――少しずつ軌道修正をしながら、開発されていくのですね。ところで、「着る」指圧代用器というネーミングにも、すごくインパクトを感じます。

木村
 はい。指圧代用器の機能をもったトップスをつくりたいというのは、最初から一貫していたコンセプトでしたので、そのままネーミングに使いたいと思いました。

丹松 「背中おしもみトップス®」の刺激は、指や器具で押す力と比べるとソフトですが、着て日常生活を送っている間は、ずっと優しく押しもみし続けてくれます。このトップスはまさに"着る指圧代用器"なのです。

――着ているときも気持ちよさそうですが、脱いだ後もスッキリ感がありそうですね。ありがとうございました。
木村亜依(きむら・あい)

木村亜依 (きむら・あい) 2009年入社以来、サクセスウォークの販売・開発に携わる。
現在ワコールブランド事業本部
インナーウェア商品統括部開発商品部
レッグ営業課で商品計画MDを担当。

木村亜依 (きむら・あい)

丹松由美子(たんまつ・ゆみこ) ワコール人間科学研究所 研究開発課
神戸大学大学院 人間発達環境学研究科 卒業
2009年入社後、人間科学研究所に配属。
女性の加齢変化を追ったエイジング研究に携わり、さまざまな年代の人体計測も担当。
その後、基礎研究を元にした研究開発に従事。
日常から運動シーンにおける不具合を解消する新商品の開発や、日常生活の中での動きの研究などを行っている。

取材・文/大庭典子(ライター)
人物撮影/合田慎二

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