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ランジェリー★EXPRESS

2015年4月 1日

文/武田尚子(ジャーナリスト)

BEAUTY

乳がん女性のからだと心に寄り添うランジェリー

乳がん女性のからだと心に寄り添うランジェリー 女性のガンのトップといわれる乳がん。乳がん予防のキャンペーン活動は継続して行われていますが、世界的に乳がん患者は増え続けているようです。
国内では、ワコールが「リマンマ」事業を始めてすでに40年の実績があります。
今回のパリ国際ランジェリー展では、乳がんの女性に向けた新ブランド「Bibi & Bibi(ビビ・エ・ビビ)」が登場していました。

切実に求めている人にとっては、まだまだ選択肢が多いとはいえないこの分野。大きいサイズ専門のブランド、マタニティ用などに続き、ニッチ市場の中でも非常にポテンシャルが高いといえるでしょう。
機能性だけでなくメンタルへの考慮も
ランジェリー展における独立系デザイナーブランドを集めたエリア。セクシーなテイストが多い中で、シンプルだけれどフランスらしいナチュラルな繊細さが伝わってきたのが、「Bibi & Bibi」でした。乳がんの手術と治療によって、敏感になっている乳房のためにデザインしたと紹介されています。

素材はテンセルがベースになっていて、テンセルとコットンあるいはシルクとの混紡もあります。さらにリバーレースのトリミングがあしらわれたもの、白や黒以外にブルーやプラムといった色もおしゃれな印象。肌側にはアロエベラ加工、またワイヤーには柔軟性のあるチタンなどが使われています。ブラジャーはもちろんのこと、ショーツとのコーディネイトがブランドの世界観をつくっています。

商品構成は、①乳房切除②放射線治療③乳房再建という乳がんの段階に沿った3ラインで構成されています。シリコンパッドの入るポケットや肌あたりの優しさといった機能性はもちろんのこと、女性としての自信を失わないための満足感や快適性も重視されています。
女性自身の実感をもとに起業
Bibi & Bibi 代表のカロリンさんは、自ら7年前に乳がんを患って克服した経験をもとに、ランジェリーデザイナーのアガートさんと一緒に、このブランドをスタートさせました。

通常の医療用はイヤ。スタイリッシュで快適なものが欲しい――。
乳がん患者の多くの声を参考に、乳がん特有の不快感や後ろ向きな気持ちから解放させてくれるようなものを開発しています。販売についても薬局ルートではなく、通常のランジェリーブティックに当たり前のように置かれているのが願いだそうです。 右が「Bibi & Bibi」代表のカロリンさん、左がランジェリーデザイナーのアガートさん 右が「Bibi & Bibi」代表のカロリンさん、左がランジェリーデザイナーのアガートさん。 ブランド名にある「Bibi」とは、フランスで女性が自分のことをよくこう呼ぶらしく、「Bibi & Bibi」とは「Caroline & Agathe(カロリンとアガート)」、つまり「私たち女性みんな」といったニュアンスが込められているように思います。 この取り組みは社会的な関心を集め、昨年は優れた起業家に与えられるいくつかの賞も受賞しています。

ちなみに同ブランドの拠点は、パリ郊外のB線終点に位置するサンレミレシュブルーズ。パリ中心地からわずか30分で行ける所ですが、美しい自然に囲まれ、都会の喧騒とは全く異なる豊かな時間が流れています。タイムレスで快適なものは、それにふさわしい環境から生まれることを改めて感じました。
武田尚子(ジャーナリスト)

武田尚子(ジャーナリスト) インナーウェア専門雑誌の記者を経て、1988年にフリーランスに。以来、ファッション・ライフスタイルトータルの視点から、国内外のランジェリーの動きを見続けている。著書に『鴨居羊子とその時代・下着を変えた女』(平凡社)など。
「パリ国際ランジェリー展」など年2回の海外展示会取材は、既に連続30年以上となる。現在、ライフワークとなる新たな計画を進行中。
http://blog.apparel-web.com/theme/trend/author/inner

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