トップ 湯山玲子の「人間はカラダだ!」 / BODY 【特集/神秘なるホルモン】私たちは、永遠にホルモンに抗えない

生きるためのボディ&ソウル。鍛えれば、人生きっといい感じ

湯山玲子の「人間はカラダだ!」

2015年3月 4日

文/湯山玲子
イラスト/腹肉ツヤ子

BODY

【特集/神秘なるホルモン】

私たちは、永遠にホルモンに抗えない

私たちは、永遠にホルモンに抗えない
ホルモンがもたらす変化はとてつもない
ホルモンと聞くそばから、麻布十番の老舗韓国料理屋の逸品「ホルモンチゲ鍋」や、先日、恵比寿ガーデンプレイス38階の「叙々苑」で夜景を見ながら食べた、シマチョウのプルプルの記憶が蘇って、いてもたってもいられなくなってしまった。
いや、ごめんなさい。ホルモン違いです。人間のホルモンとは、神経や細胞、栄養状況からの情報を受けて、視床下部や副腎皮質など身体のいろんな分野でそれぞれつくられ、生きるための正常な状態を支え、都合のよい状態にする重要な役割を果たす存在を指す。
女性男性の各ホルモンが年齢とともに減少し、ホルモンバランスの乱れが出始める時期を更年期と言うが、私も冬なのに汗をダラダラかくほど熱くなるホットフラッシュというものを体験した。身体の内側から暖まり、熱が発散していくが、その100倍のパワーには、正直驚いた。その「異常」を恐怖や不快ととるか、面白がれるかは考え方次第。だって真冬なのにTシャツ一枚でOK! ダウンジャケットの下はTシャツという、実は寒すぎて耐寒に強い白人しか着こなせないファッションを楽しめたのは、まさに更年期さまさま(本当か?)。大友克洋の漫画『AKIRA』に出て来る、超能力が覚醒して、自分でも制御できないパワーを手に入れて崩壊していく鉄雄というキャラがいるが、まさにホルモンのバランス変化は人間にとてつもない変化をもたらすのである。
30代で体感した、ある驚愕のホルモン体験
その鉄雄並みの変化と言えば、私は30代前半にネフローゼ症候群という腎臓病にかかり、その治療で副腎皮質ホルモンとして知られるステロイドの大量投与を経験したことがある。そうするとどのような変化が身体に表れるのかというと、ひとつは能力の覚醒というもので、私はこの時期、天才級の頭脳をもっていたと思う。まったく眠くならず、頭は明晰、そして何より休みを取らなくても大丈夫な集中力が備わったのだ。当時仕事で、あるアーティストの英文テキストを資料で読み込む必要があったのだが、その洋書一冊を一晩徹夜で読んでしまったぐらい。言葉も行動もキビキビ、キレッキレになっていたらしく、「悪いドラッグをやっている人はこういう感じなのかと思った」とあとで夫に言われてしまった。
 私の場合、その投薬が奇跡的に4日目で効いたので、あとはショックのないように少しづつ、減薬していくのだが、そこでも面白い体験をした。薬をついつい飲み忘れた日があって、そうすると、私の身体は話している途中で、身体の動きも脳のソレもプツッと動きが止まって空白状態になってしまったのだ。意識はあるのに、身体と心が動かない状態はまさしく、ゼンマイが止まったブリキのおもちゃのごとく。ホルモン、その存在は少量でも、人間を人間らしくしている最大要素だということが分かる。
加齢とともに、オバサンはオジサンになるか!?
ちなみに、オバサンパワーなどとよくいうが、閉経後の女性は女性ホルモンが減る替わりに、男性ホルモンが優位になるのだという。男顔負けに仕事をこなす30代の女性などは、「心の中にオヤジを飼っている」などと自嘲するが、大丈夫、アナタの将来は、名実ともにバッチリオヤジ化するのだから。

ゆやま・れいこ 著述家、ディレクター。自ら寿司を握るユニット「美人寿司」、クラシックを爆音で聴く「爆音クラシック」を主宰するなど、カルチャー界を牽引。著書に『四十路越え!』(ワニブックス)、上野千鶴子氏との共著に『快楽上等! 3.11以降を生きる』(幻冬舎)がある。

構成/本庄真穂

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