トップ 教えて、ドクター! / BODY 【特集/神秘なるホルモン】美の大敵! ストレスとホルモンの関係

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教えて、ドクター!

2015年3月25日

先生/田代眞一(病態科学研究所 所長
乳房文化研究会 会長)

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【特集/神秘なるホルモン】

美の大敵! ストレスとホルモンの関係

美の大敵! ストレスとホルモンの関係
ストレスを感じた、そのときからだに何が起きる...?!
急激に太ったり、痩せたり、お肌の色もくすんだり、髪が抜けたり...美しさの大敵とされる"ストレス"。心にも美容にもダメージを与えるストレスは、ホルモンの分泌とどのような関係があるのでしょうか。引き続き病態科学研究所 所長、田代先生にご登場いただき、詳しくお伺いします。

「食欲を抑制するホルモンや睡眠を促すホルモンなど、ホルモンの調節がうまくいかないと、美しさが半減するばかりでなく、人間として快適に暮らすことができなくなってしまいます。

食欲や睡眠、性欲に関わる人間の本能的なからだの機能に指令を送り、ホルモンの分泌を調整するのは、脳の視床下部(ししょうかぶ)。いわばここは、ホルモンの総本山とも言える部位です。 視床下部と扁桃体 脳の中で、ホルモン分泌を指令する視床下部と、感情のコントロールを行う扁桃体(へんとうたい)はとても近い場所にあります。そのため、ホルモンの分泌は、ストレスの影響を受けやすいとされています。ホルモンの中でも特に女性ホルモンのエストロゲンはその影響を受けやすく、心やからだの状態にも大きく関わってきます。

肉体や精神にストレスがかかったときに出るホルモンのひとつに、副腎皮質ホルモンがあります。副腎皮質ホルモンというと、薬として記憶している人が多いかもしれませんが、もともとは自分の体内でつくっているホルモンです。抗炎症や抗免疫作用が主な役割で、ストレスを感じると多量に分泌されます。

「副腎皮質ホルモン(ステロイド)」と聞くと、「からだに悪い」「絶対に摂取したくない」と拒絶反応を示す方もいますが、本来は自分のからだのなかで分泌されているものなので、必要以上に怖がることはありません。ただし、このホルモンにはフィードバック作用というのがあって、外から薬として与えられると、からだのなかで生成する動きが抑えられます。

薬で摂取している場合、突然薬をやめて、大きなストレスを感じたときに、体内で副腎皮質ホルモンを生成する力が弱まっていると、からだに不調が生じてしまいます。ただし、副腎皮質ホルモン剤は、摂取しすぎても一定の時期まで症状が出ないのが注意すべき点。強い副腎皮質ホルモン剤を長期間にわたり大量に摂取するのは危険なので、勝手に使い続けたりしないよう、必ず医師と相談してください。
命の緊急事態にアドレナリンが活躍!
ストレスを感じたときに出るもうひとつのホルモンは、アドレナリンです。アドレナリンが分泌されると、血糖値と血圧が上がりますが、なぜ、ストレスがかかると体内の血糖値と血圧を上げる必要があるか。これは動物としての本能にも関わる話なのですが、動物にとって、いちばんのストレスは「ほかの動物のエサになって命が危険にさらされること」です。

これを回避するためには、早く逃げたり、優位に闘ったりする必要があるので、緊急時を察知した脳がからだに指令を出してアドレナリンを分泌し、血圧を高め、からだの抹消の筋肉にまで糖を素早くゆきわたらせるなどの対応を行います。いわば命を守るためのホルモンです。

血糖を上げるという意味では、実は女性ホルモンのエストロゲンにも似た作用があって、思春期のころにエストロゲンが大量に分泌されると、血糖値はぐんと上がりますが、10代のころは糖を処理するための膵臓の機能が高いので、糖尿病などになる人はあまりいません。

ところが、思春期をさらに上回ってエストロゲンが分泌される時期、つまり妊娠期になると、膵臓の機能が耐えきれず、妊娠をきっかけに糖尿病になる人も出てきます。妊娠糖尿病の原因は、エストロゲンによって血糖値が上がるために起きています。

アドレナリンは一般的に脂を消費しますから、ストレスを感じて、アドレナリンを大量に出している人は、極端に痩せている人が多いです。しかし中には、ストレスによって消費される脂を蓄えようと、食欲を増進させるホルモンが分泌されたり、食欲を抑制するホルモンの働きが鈍ることもあり、結果"やけ食い"などが起き、ストレスによって太る人もいます。

いかに、心を穏やかに、ストレスを緩和させてホルモン分泌を安定させるか。そのためのアロマの効能についても次回お話しましょう」

ホルモンの総本山である視床下部からの指令の数々、ストレスのある生活が、どれだけホルモンの分泌に大打撃を与えるかがわかりました。安定した分泌のためにできること、心がけたいことなど、次回お伺いします。
田代眞一

田代眞一 病態科学研究所 所長/乳房文化研究会 会長。
医学博士(京都大学)、薬学修士(富山大学)。1947年京都市生まれ。富山大学薬学部薬学科卒業。元昭和薬科大学教授。血清薬理学研究会会長、日本医療福祉学会会長、和漢医薬学会監事、日本疫学学会評議員などを歴任。著書に『東洋医学に学ぶ健康づくり』(東山書房)『疾病の病態と薬物治療』(廣川書店)、『ビールを飲んで痛風を治す!』(角川グループパブリッシング)など多数。

取材・文/大庭典子(ライター)
イラスト/190

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