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インサイドストーリー

商品づくりの現場から

2015年2月18日

語り/藤井孝子(ワコール人間科学研究所 主席研究員)
取材・文/大庭典子(ライター)

BODY

軽やかな歩行をサポートする「動く姿かろやか®ガードル」開発秘話

1999年に誕生以来、多くの人に愛用されている股関節ガードル。股関節をやさしく支えて安定させ、脚の動きをスムーズに導く「動く姿かろやか®ガードル」には、どんな仕掛けや工夫があるのでしょうか。15年前から開発に携わってきた藤井孝子(ワコール人間科学研究所)が、ロングセラーの秘密を語ります! 動く姿かろやか®ガードル
年齢を重ねた世代のためのガードルは、
「CW−X」の応用版として誕生!
――「動く姿かろやか®ガードル」は、1999年に誕生したと聞いています。ロングセラーですね。

藤井
 最初に商品化されたのは、今から15年前です。当時、これからの高齢化社会に向けて、60歳以上の方の商品をつくるためのプロジェクトチームが組まれました。そのチームで最初に手がけたのが、通称"股関節ガードル"です。歩行時の脚の動きがスムーズになる商品の開発がスタートしました。実はこのガードルは、スポーツウェア「CW-X」の開発が基盤になっているんですよ。

――それは意外です。藤井さんは、「CW-X」の開発にも携わっていたそうですね。スポーツウェアの「CW-X」と年齢を重ねた方のためのガードルは、一見かけ離れているように思えますが...?

藤井
 ワコール人間科学研究所が「CW-X」を開発したのは1990年。このプロジェクトで得られたもっとも画期的なことは、生地のパワー差が、からだの動きやすさにつながるということです。これは今までにはなかったアプローチでした。 動く姿かろやか®ガードル 独自のラインで股関節をサポート 「CW-X」は生地のパワーの差を利用して動きがサポートすることが可能だとわかったのです。「動く姿かろやか®ガードル」も「CW-X」の応用版のような形でつくってみようと考えました。
股関節を安定させ、歩行をスムーズに
若々しい歩き方に
――歩行をどのようにサポートしているのですか?

藤井
 人間科学研究所がもっている膨大なデータには、同じ人間を毎年、何十年にもわたって計測することで、エイジングによって起きた変化も細かく記録されています。加齢によって筋肉が衰えることは、みなさんご存知だと思いますが、データを分析すると、太ももや殿部(おしり)の周径が細くなっているのがわかりました。その部分には中殿筋や大殿筋があり、その筋肉は股関節を曲げたり伸ばしたり歩行に重要な役割を果たしています。 歩行にかかわる筋肉 藤井 特に中殿筋は、歩くときに"横にブレないように"からだのバランスをとる筋肉。ここが弱ってしまうと、歩くときにからだが安定しません。そこで、"中殿筋"が付着している骨、"大転子"(股関節の外側に突出している骨)の部分に、パワ-素材を重ねてサポートするよう設計しました。これで股関節部分を安定させ、歩くときの足の運びを安定させる効果を狙いました。

――股関節を安定させると、歩行がラクになるのですね。

藤井
 体重を支えている股関節には、歩くときには、体重の何倍もの力がかかっています。加齢とともに股関節まわりの筋肉が衰えてしまうと、股関節にすき間ができてしまいます。その部分を当て布で安定させることで歩行をサポートしているのです。

股関節が安定すると、脚が動きやすくなり、見た目の若々しさにも影響します。
膨大なデータによって導き出された
エイジングによる体型変化に対応
――スムーズな歩行をサポートするほかには、どんな工夫がありますか?

藤井
 年齢とともに体型は変化しますので、「動く姿かろやか®ガードル」は、その変化に対応した独自のサイズ設計がされています。たとえば、ウエストがLサイズでもヒップはMサイズという具合に、ウエストの割にヒップが小さい方が多いのもこの年代ならではの特徴です。そこで、この年代に合ったサイズ設計を行いました。

――なるほど。年齢とともにおなかまわりはたっぷりしてきても、ヒップは逆に細くなってしまう...などがありますよね。

藤井
 はい。あとは、強い力がかかったガードルを長時間はいて過ごすことは、年代が上がるほど辛くなりますから、当て布のパワーの強弱にも試行錯誤を重ねました。当て布のパワーが強ければ、ガードルの脱ぎ着にも力を必要とします。お手洗いのたびにガードルを引き上げるのがしんどい...、そんなガードルでは、すぐに履きたくなくなってしまいます。

脱ぎ気がしやすく、きちんとサポートの効果が出るような布の強さを、時間をかけて探っていきました。また、生地にパワー差をつけているのも、足の動きをスムーズにするためです。

――年代ならではのサイズ感や履きごこちが追求されているのですね。ロングセラーの理由がわかりました。

藤井
 ありがとうございます。ぜひこのガードルを身に着けて、お買い物やちょっとした散歩でも、歩行を楽しんでもらいたいですね。
藤井孝子(ふじい・たかこ)

藤井孝子(ふじい・たかこ) 人間科学研究所 主席研究員
ワコール入社以来、人体計測など人体の構造や特徴の研究に従事。後にそれをパタ-ン設計に反映させた新しい機能を持った商品づくりに携わり、数々の機能商品を世に送り出す。代表的な開発商品にグラッピーの「股関節ガードル」、スポーツウェア「CW-X」、介護する側の人の負担を解消する「腰部保護ベルト」などがある。

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