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インナーファッションの流行ウォッチング

ランジェリー★EXPRESS

2014年12月17日

文/武田尚子(ジャーナリスト)

BEAUTY

世界が注目するナイトウェアとしてのKIMONO

KIMONO
モードの一環としてリバイバル
円安で外国人観光客が増え、私たち日本人も自然に自国の文化を見直す機運が生まれています。日本の「衣」のシンボルといえば、着物。今やぜいたく品ともいえる存在ですが、それだけに着物への憧れはつきることがありません。

今、ランジェリーのトレンドにおいても、このKIMONOがクローズアップされています。「着物」でも「きもの」でもなく、「KIMONO」。
日本にルーツがあるものではあっても、昨今の寿司人気とは比べものにならないほどの長い歴史を経て、既にコスモポリタンなひとつのスタイルとして確立しているのです。

夜着の一種、つまりナイトウェアとして、スリップなど(あるいは裸)の上にさらりと羽織るKIMONOスタイルは、古くから映画のワンシーンでも度々目にしてきました。西洋にこのスタイルが入ったのは、19世紀のジャポニズムの時代です。東洋趣味のシンボルとして愛好され、1920年代には新しい開かれた女性がモードとして取り入れています。

このKIMONOが、2014年夏にパリで開催された「モードシティ」展でリバイバルを見せていたのです。素材展にはコーナーが作られていました。パジャマスタイルに続くモードのトレンドとして、南フランスのリゾート地・サントロペでは、ビーチで水着の上に羽織るカバーアップのKIMONOがヒットしたそうです。 KIMONO
ラグジュアリーなシルクプリント
これまで、海外でのKIMONOスタイルといえば、おみやげ物のようなチープな印象のものが中心だったのですが、今回の傾向はクオリティが高い! その背景には、シルクという素材の見直し、プリント技術の高度な発達があります。

「モードシティ」ファッションショーのファイナルで強烈な印象を残したのが、「MENG(メング)」です。2013年にロンドンでデビューしたばかりの新ブランドで、鮮やかなシルクプリントのKIMONOをはじめ、ラグジュアリーなラウンジウェアコレクションを発表しました。既にロンドンのセルフリッジやハロッズ、アメリカのニーマンマーカスなどの高級百貨店で販売され、プレステージの高い世界の一流店が注目しています。

「MENG」のフィロソフィーは、シルクという素材の遺産と歴史の上に成り立っています。そのシルクの魅力を訴える上でプリントは不可欠というわけで、アジアの文化性を感じさせる壮麗なオリジナル柄のプリントが施されています。さらに、そのシルクプリントを最も引き立たせるものとして選ばれたのが、広く平面的なKIMONO。エキゾチシズムと神秘性を伝えるものであり、しかも非常にグラマラスで女性らしいスタイルなのです。

2015年1月に開催される「パリ国際ランジェリー展」の素材展では、ひとつの旬のテーマとして"シルク"がクローズアップされるようです。シルクといえば、富岡製糸場の世界遺産に見られるように、かつては日本が国策として近代化の一端を担った産業でもあります。古くて新しいシルクへの関心と共に、改めてKIMONOの魅力を味わってみませんか。
武田尚子(ジャーナリスト)

武田尚子(ジャーナリスト) インナーウェア専門雑誌の記者を経て、1988年にフリーランスに。以来、ファッション・ライフスタイルトータルの視点から、国内外のランジェリーの動きを見続けている。著書に『鴨居羊子とその時代・下着を変えた女』(平凡社)など。
「パリ国際ランジェリー展」など年2回の海外展示会取材は、既に連続30年以上となる。現在、ライフワークとなる新たな計画を進行中。
http://blog.apparel-web.com/theme/trend/author/inner

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