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インナーファッションの流行ウォッチング

ランジェリー★EXPRESS

2014年9月17日

文/武田尚子(ジャーナリスト)

BEAUTY

ライフスタイル時代のランジェリー新トレンド

「ASCENO」のラウンジウェア
旅を愛する女性デュオによる「ASCENO」
今のランジェリー全体の流れとして、体型補整などの機能性はベースにおきながらも、女性たちのリアルなライフスタイルに対応したトレンド感というものが重要になっています。今回はその好例をご紹介しましょう。
7月にパリで開催されたランジェリーと水着の見本市「モードシティ」を取材していた時、ひとつのブースの前で足が止まりました。
「ASCENO(アッセーノ)」――プリントやシルクのパジャマやソフトブラから、さらさらした優しい時間が流れていたのです。
若いデザイナーのブランドが集まるエリアの中でも、イギリスのブランドといえば、近年はボンデージ風のテープ使いなど、セクシーなスタイルがあふれていましたが、「ASCENO」はそれとはまったく別の世界をもっていました。

ポピーさんとローランさん、イギリスの大学で出会った2人の女性が学生時代に始めたブランドで、これまでの5年は「ビューティフル・ボトム」という名で市場に展開してきたもの。コスモポリタンな環境で育ち、海と旅とヨガと犬を愛する2人のライフスタイルを反映させた物づくりを特徴にしていますが、彼女たちの成長と共に、より洗練された方向を目指してリブランドに至ったものです。

この新しい不思議なブランド名は、2人の母親の旧姓をミックスした造語だそうです。女であることと強さを大切にしたいというブランド哲学が、その名前に込められていますね。 「ASCENO」のラウンジウェア
カテゴリーを超えるリラックスエレガンス
「ASCENO」は、ラグジュアリーなラウンジウェア(ランジェリーやスリープウェアなど)とビーチウェアの2つのラインを構成しています。それらは別ラインにはなっていますが、双方はまるっきり異なるものではなく、ラウンジウェアでもビーチウェアでも使えるようなアイテムが少なくありません(これは今回の「モードシティ―」の際立った傾向です)。まさにデザイナー2人の等身大のナチュラルライフが反映されているのです。

パジャマもキャミソールもひとつひとつはシンプルですが、細部のカッティングやプロポーションにこだわった、非常にコンテンポラリーなシルエットが魅力となっています。まさに、リラックスエレガンス。今ちょうど、こういうものが着たいと思わせてくれるスタイルなのです。

リブランドのスタートとなる2015春夏コレクションは、"都市の風景"からインスピレーションを受けた抽象柄のデジタルプリントをはじめ、ローズやミントグリーン、ターコイズブルーなどの微妙な色の組み合わせに、デザイナーのセンスの良さを感じさせます。

私たちは最近「ライフスタイル」という言葉を簡単に使ってしまいますが、ランジェリー、こと機能性を優先させたブラジャーのワンアイテムでライフスタイルを提案するのは限界があるのが現状です。作り手のライフスタイルに対するメッセージ性をコレクション全体にどう込めるか、ブランド全体の世界観が重要になっているのではないでしょうか。
武田尚子(ジャーナリスト)

武田尚子(ジャーナリスト) インナーウェア専門雑誌の記者を経て、1988年にフリーランスに。以来、ファッション・ライフスタイルトータルの視点から、国内外のランジェリーの動きを見続けている。著書に『鴨居羊子とその時代・下着を変えた女』(平凡社)など。
「パリ国際ランジェリー展」など年2回の海外展示会取材は、既に連続30年以上となる。現在、ライフワークとなる新たな計画を進行中。
http://blog.apparel-web.com/theme/trend/author/inner

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