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インナーファッションの流行ウォッチング

ランジェリー★EXPRESS

2014年8月20日

文/武田尚子(ジャーナリスト)

BEAUTY

東京で「フレンチ・ランジェリー展」開催

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フランスの代表的ブランドのアーカイブが一堂に
7月20日から28日までの9日間、東京・表参道の一角にある「バツ・アート・ギャラリー」で、コルセット全盛期から現在に至るまで、150年にわたるフランスのランジェリーの変遷を見せる「フレンチ・ランジェリー展」が開催されました(PROMINCOR:フレンチ・ランジェリー協会主催、DFFI:フランス服飾開発推進委員会後援)。

これは2012年のパリを皮切りに、ロンドン、上海、ドバイ、ベルリン、ニューヨーク、トロント、モスクワと世界の都市を巡回したもので、東京は9都市目。今後もスペインなどが予定されているそうです。
「どの都市も非常に熱心で、ランジェリーの変遷の背景に、女性の歴史と文化的メッセージを受け取ってくれました。特にモスクワでの反響が大きく、この秘めた分野が人々に感動を呼び起こすことは想像以上でした」
同展のキュレーターであるキャサリン・オーメンさん(上の写真)は、各都市を回った感想をこう話しています。

会場には、フランスのランジェリーを代表する11ブランドによるアーカイブ130点が、時系列かつテーマ別に展示され、女性を取り巻く社会的背景や、女性とランジェリーの関係が大きなストーリーとして描かれていました。 Image 左の写真/第一次大戦直前にはコルセットが2つのパーツに分かれ、その後、ブラジャーとガードルが定着。
右の写真/女性が洗練されたおしゃれを楽しむようになる1950年代は、ランジェリーにナイロンが多用されるようになった。
Image 1980年代からは黒がワードローブの中心。ボディスーツが誘惑のシンボルに。 Image 1990年代以降は"ヌード"がキーワード。新素材や技術革新によって見た目も着けごこちもナチュラルに。 初期のアーカイブの希少性はいうまでもありませんが、1950年代以降、つまり第二次大戦後の動向は、日本の下着の歴史とも共通点が多くなり、非常に親近感を感じました。フランスも日本も多くの下着メーカーが戦後に登場。ニュールックの影響をはじめ、ナイロンの出現やカラー化、カジュアル化、次いでノーブラムーブメントの影響やフロントホックブラの登場など、不思議なほど流れが共通しています。
会場内には、古いものと新しいものが比較されるように並んでいるコーナーも見かけられ、フランスのランジェリーがいかにアーカイブからインスパイアされて新しいデザインが生まれているかが表現されていました。
共通したエスプリを持つフレンチ・ランジェリーの世界
私たちがふだん「インポートランジェリー」あるいは「ヨーロッパ感覚のランジェリー」と言うとき、まさにフランスのランジェリーをイメージしています。実際に、日本で入手できるインポートランジェリーの中で、最も人気と実績があるのがフランスのランジェリーなのです。
では、いったいフランスのランジェリーとは何か、キャサリンさんに尋ねると、こういう答えが返ってきました。
「現在のようにグローバル化が進んでも、フランスならではの伝統、技、創造性を重視するという同じエスプリをもっているのがフランスのランジェリーです」。加えて、「ゆきすぎたもの、下品なものがない。隠すような恥ずべきものが何もない」とも。
確かに、フランスのランジェリーには基本を逸脱しない品のよさがあります。
それは同展でも明らかにされているように、コルセットの製造に端を発していることと深く関係しています。フランスは19世紀のコルセット時代にすでに、ファッションセンスと専門技術の高さで、世界1位のコルセット輸出量を誇っていました。
さらに見逃してはいけないのは、体型補整などの機能性だけではない何か。それがキャサリンさんの言う「エスプリ」であり、あくまで美しいものを愛する独特の「美意識」であることは間違いありません。 Image ランジェリー製作にかかわったデザイナーや職人たちの息使い、そして時代ごとにこれらのランジェリーと同じものを身に着けたであろう数多くの女性たちの思いが伝わってくるような展覧会でした。

【参加ブランド】
AUBADE/BARBARA/CHANTELLE/EMPLEINTE/IMPLICITE/
LISE CHARMEL/LOU/MAISON LEJABY/PASSIONATA/
PRINCESSE TAMTAM/SIMONE PERELE
武田尚子(ジャーナリスト)

武田尚子(ジャーナリスト) インナーウェア専門雑誌の記者を経て、1988年にフリーランスに。以来、ファッション・ライフスタイルトータルの視点から、国内外のランジェリーの動きを見続けている。著書に『鴨居羊子とその時代・下着を変えた女』(平凡社)など。
「パリ国際ランジェリー展」など年2回の海外展示会取材は、既に連続30年以上となる。現在、ライフワークとなる新たな計画を進行中。
http://blog.apparel-web.com/theme/trend/author/inner

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