トップ 教えて、ドクター! / BODY 【特集/いざ温活!】くすみ、老け顔も『冷え』が原因!?

からだの真実、世の中のホント。専門家がズバリ解明

教えて、ドクター!

2013年12月18日

先生/川嶋朗(東京有明医療大学教授)
取材・文/大庭典子(ライター)

BODY

【特集/いざ温活!】

くすみ、老け顔も『冷え』が原因!?

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"冷え"は心にも美しさにも大敵!
日本人のおよそ半分の人が抱えているという"冷え"。その影響は肌のツヤやむくみなどの美容や、うつ病など心の健康にもかかわってきます。引き続き東京女子医大附属青山自然医療研究所クリニック所長の川嶋朗先生にお伺いしました。

「からだが冷えているということは、言い換えると血液の温度が低いということです。平熱が36度を下回っているという人は要注意、からだは相当冷えていますよ。

血液の温度が低いと血液粘度は上がり、血液の温度が高いと下がります。わかりやすく言うと、体温が低いと血液がドロドロ、高ければ血液がサラサラというわけです。体温が低く血液がドロドロになると、流速も落ちるので、酸素や栄養素が隅々まできちんと運べなくなります。そして局所にあるゴミや毒などを運び出す力も弱まり、結果、からだに毒素がたまり、肌のくすみや吹き出物にもつながってしまうのです。さらに血液は、栄養や酸素だけでなく温度も運びます。血行不良は低体温の要因でもあるのです。

もうひとつ、低体温は酵素の働きにもとても悪い影響を与えます。そもそも酵素とは、消化や修復、新陳代謝など命を維持するために欠かせない物質。食べものを消化するさまざまな消化酵素、壊れた細胞を修復する酵素など、エネルギーや大切な女性ホルモンも酵素の働きなくしてはつくれません。

からだの中には三千以上もの酵素がありますが、酵素の反応速度は温度が高いほど増します。しかし酵素はタンパク質でもあるので高温すぎると変性してしまいます。つまり、酵素が最も活性化し、作用を発揮する適温があるのです。

それは、38~40度。体内の温度は体温計などで測る表面の温度よりも通常1~2度高くなることを前提にしても、酵素がよく働く体温を目指すなら、平熱でやはり37度近い体温が望ましいですね。体温が1度下がると、活性自体が50%も下がってしまう酵素もあるのです。

酵素の働きが悪くなれば、さまざまなことがからだに起きてしまいます。脂質の分解酵素が働かなければ肥満になりますし、タンパク質の合成酵素が働かなければ組織もつくられません。当然、糖質を代謝する酵素が働かず、エネルギーも産出されません。実は、代謝は体温が1度下がるごとに12~20%も落ちると言われているんですよ。老化の主因となる活性酸素を中和する酵素が働かなければどうなるでしょう...当然、エイジングが進んでしまいます。
ストレスが"冷えた"からだをつくっている!
上記以外にもさまざまな不調が引き起こされる低体温ですが、冷えは心の状態にも大きく関わっています。現代は、ストレス社会と言われるくらい誰もがストレスを抱えているのですが、過剰なストレスは冷えの原因に。

これは自律神経に関係するのですが、自律神経には"活動モード"にする交感神経と"休息モード"にする副交感神経があります。活動モードの交感神経が優位のときは血管を収縮させ、休息モードの副交感神経が優位のときは血管をゆるませます。双方がきちんと働いているポンプのような緩急のバランスがとても大事なのですが、過度なストレスを受けると交感神経が強く働いてしまうのです。

そうすると血管が収縮した状態が続き、からだは冷えてしまいます。逆もしかり。血管がゆるんだ状態が続くと、ポンプ作用が働かず、血めぐりも悪くなります。

そうはいっても、ストレスを感じないような生活に今すぐ改善することは難しいですよね。せめて上手に発散できる自分のリラックス方法を見つけられるといいのですが、すぐできる対策として"深い呼吸"をおすすめします。

吸気は、交感神経を使い
呼気は、副交感神経を使っています。

このことからリラックスするときは、特に"吐く息"を伸ばすことを意識してみてください。目安としては吸気の倍と考えるといいでしょう。呼吸とは不思議なもので、自分の呼吸を意識しただけで深くなるので、まずは意識することから始めてもいいですね。

冷えは、心、美、体、すべての万病のもと。からだを冷やさず、体温をあげることに今から真剣に取り組んで欲しいのです。次回は冷えを撃退し、血めぐりをよくする対策についてお話しましょう」

自分の息を意識した瞬間に呼吸が深くなる...。なるほど、これは今すぐにでもできますね。メカニズムがわかると、冷えの怖さがリアリティをもって迫ってきます。"冷え知らずのいい女"になるべく、次回からはいよいよ実践編です!
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川嶋朗 医学博士、東京有明医療大学教授。血めぐり研究会代表、日本内科学会認定医・専門医・指導医、日本統合医療学会(IMJ)理事。北海道大学医学部卒業後、東京女子医科大学入局、研修医、大学院、助手を経てハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院留学。2003年から現職に。"冷え"がもたらす心身への影響を訴え"温活"火付け役の第一人者。多くの患者から支持を集め、予約は3年待ちというほど。著書に『医者には癌は治せない 自分の力で病気を治す30の方法』(宝島社)、『冷え克服法』(エクスナレッジ)、『川嶋朗式 体を温めて健康になる100の方法 冷えを取れば万病が治る!』(リイド社)など多数。

イラスト/190

※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
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