トップ 教えて、ドクター! / BODY 【特集/眠りと美の深い関係】ムリな睡眠の短縮は負のスパイラルの入口?!

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教えて、ドクター!

2013年10月23日

先生/内海裕子(睡眠改善シニアインストラクター)
取材・文/大庭典子(ライター)

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【特集/眠りと美の深い関係】

ムリな睡眠の短縮は負のスパイラルの入口?!

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睡眠の質を高めるために...睡眠チェックを!
睡眠の質や量が美容にも大きな影響があるとわかった今、なんとか睡眠の質を底上げしたいですよね。そのためにはまず自分にとってのベストな睡眠時間を知ることが大事。引き続き、睡眠改善シニアインストラクターの内海裕子さんにお伺いしました。

「日中を気持ちよく、頭をすっきりと効率よく動かせる"適正な睡眠時間"は人によってさまざまです。睡眠タイプは大きく分類すると、1日6時間以下の睡眠でも十分なショートスリーパー、1日9時間以上は必要なロングスリーパー、そして、多くの人があてはまる6時間~9時間のバリュアブルスリーパーの3タイプ。

1日3時間睡眠で十分だったら、もっと生活を充実させられるのに...と思っている方、残念ながら、1日5時間以下の睡眠でも大丈夫なショートスリーパーは全体の1%もいません。6時間以下でも5~10%なのです。対するロングスリーパーも数は少なく、成人なら1%未満。

つまり、ほとんどの人が6時間以上~9時間未満の睡眠時間が適正なバリュアブルスリーパーなのです。これまで私が講演会も含めて出会った人の中でも、真のショートースリーパーだと思った人は3人くらい。本当にごくわずかなのです。

それでも、とショートスリーパーへの憧れが捨てきれない人は、ショートスリーパー生活を試してみてください。緊急性のない普通の生活の中では、1日5時間以下睡眠を3日も続けると心身ともに相当ダメージが出てきて、ギブアップしたくなるはず。だんだんイライラし始めたり、キレやすくなったり、風邪っぽくなったり、いいことナシです。

また、このときの実験のポイントとなるのは休日で、休日も同じように6時間以下、5時間以下で生活をしても心身に問題なく快適に過ごせることがショートスリーパー成立の条件なのです。

平日は5時間でも何とか過ごせているけれど、休日になると一気に8時間以上寝てしまう...これは睡眠負債を抱えている状態。ベストな睡眠時間を確保できているとは言えないのです。
自分の適正睡眠時間、知っていますか?
では、自分のベスト睡眠時間を知るにはどうしたらいいのでしょう。多くの人は起きる時間が決まっている場合がほとんどなので、起床時間を固定して、就寝時間を11時、11時30分、12時、...と30分刻みに試してください。そしてそれぞれの時間ごとに以下をチェックしてみましょう。

◆眠りの状態(1ぐっすり 2比較的ぐっすり 3目覚めて疲れている 4ほとんど寝た感じがしない)
◆眠りの満足度  点
◆夜間目覚めてしまった回数
◆日中の気分
◆日中眠くならなかったか(さえた状態 OR 強い眠気に襲われた)

これを1~2週間ほど試してみると、自分の適正な睡眠時間を知ることができます。適正な睡眠時間は、個人によって違いますし、同じ人でも年齢や季節によって変わるのです。まずは今の自分にどれくらいの睡眠が必要かを知ることが毎日を快適に過ごすための第一歩になるでしょう。

言い添えておくと、バリュアブルスリーパーの最大に短縮できる睡眠時間は6時間。これは多くの研究機関から発表されていて、これ以上削ると、仕事や勉強の効率も下がるし、長く続けていると心身ともに大きなダメージが現れてしまいます。

ダメージの一例を挙げると、7時間睡眠がベストだという人が1時間短縮をして6時間睡眠を10日間続けたとしましょう。10日後には1日徹夜したのと同じくらいの脳の状態になってしまいます。徹夜明けの頭ってかなりボーッとしていますよね。仮に仕事をするために睡眠時間を削ったとしても、作業が進むどころかどんどん効率が下がってしまうのです。

さらに、適性睡眠時間を2時間短縮してそれを10日間続けたとすると、10日後には0.5%の酩酊状態に。これはビールをジョッキで2杯飲んだ状態に相当します。

ビール2杯後の判断力や思考力が鈍っていることは、容易に想像がつきますよね。これで仕事がはかどるわけもなく、ましてやこんな状態の人に車の運転なんて絶対にしてほしくないものです。

睡眠時間が減るのは痛みも伴わないし、いちばん手っとり早く時間を確保できるので、簡単に削りがちですが、それがいかに無駄かわかりますよね。削った分で効率を下げていては何の意味もありません。

適正な睡眠時間は削らずに死守する! と決めて、残りの時間内でいかに効率よくフィニッシュさせるかに気持ちをシフトして、適正な睡眠時間と質のいい睡眠を取ったほうが、仕事も効率的に、また日々も気持ちよく過ごせるのではないでしょうか」

仕事もライフスタイルも充実させるには、睡眠環境の向上はマストですね。"ライフスタイルを充実させたい"とは言いながら、1日1回取っている自分の睡眠の適正時間も知らなかったなんて...。反省の意味も込めて、今夜から睡眠の適正時間のチェックをしてみます。

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内海裕子 睡眠改善シニアインストラクター、早起きコーディネーター、睡眠健康指導士、睡眠環境診断士の資格をもち、自由大学にて「睡眠学」の講師として教鞭を振るう。朝からはじまるライフスタイル提案サイト「朝時間.jp」元編集長。睡眠に関する正しい環境や生活習慣の提案やアドバイスをメディアや講演を通じて広めている。著書に『快眠のための朝の習慣・夜の習慣』(白川修一郎氏監修/大和書房)等多数。
公式HP
http://hirococoro.com/

イラスト/190

※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
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