トップ 教えて、ドクター! / BODY 【特集/女はおなかで勝負!】短い期間で内臓脂肪を減らした『胆汁酸』マジック!

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教えて、ドクター!

2013年8月28日

先生/渡辺光博(慶應義塾大学政策メディア研究科教授、
医学部兼担教授)
取材・文/大庭典子(ライター)

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【特集/女はおなかで勝負!】

短い期間で内臓脂肪を減らした『胆汁酸』マジック!

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内臓脂肪から皮下脂肪へ! 胆汁酸がからだを美しく
食物繊維をとることで古い胆汁酸を排出...これが基礎代謝アップにもつながるなんて、これまで知らなかったことを悔やまれるほどの胆汁酸の力。引き続き、渡辺光博先生にお伺いします。

「食事の量は減らさずに、料理に大麦、杜仲茶、マイタケなどを取り入れて生活する"胆汁酸ダイエット"をあるテレビ番組の実験で行ったところ、さまざまな生活習慣病の原因となっている内臓脂肪の数値が1か月でガクッと下がったんです。しかも体重はあまり減らさずに。これは画期的な結果だと思いましたね。

一気に体重が落ちてしまうと、当然エネルギーを燃やす筋肉も減り、代謝の悪いからだになってしまいます。燃えづらく太りやすいからだでは、必ずリバウンドが起きます。

きっと彼らが"胆汁酸ダイエット"を数か月続けていたら、今度は皮下脂肪も燃えてくるはず。内臓脂肪と皮下脂肪は普通預金と定期預金によくたとえられますが(笑)、まずは普通預金(内臓脂肪)から使って、足りなくなったら定期預金(皮下脂肪)というのが鉄則。長期間で徐々にバランスのいいからだがつくられていくのが"胆汁酸ダイエット"なのです」

食事制限も無理な運動もなしに脂肪を減らしてくれるなんて、おそるべし胆汁酸。そもそも、渡辺先生が"胆汁酸が肥満や血糖値に関与している"と気づいたのは今から20年以上前のこと。

「若いころ、動脈硬化の研究をしていたのですが、胆汁酸を投与したねずみとしていないねずみを比べたときに、胆汁酸を投与したねずみが全然太らなかったんです。そのことが気になって、ほかの研究者たちに聞いても、"胆汁酸なんて研究してもムダだよ"と...。当時、胆汁酸は、全く注目されていなかったんですね(笑)」。 それでも胆汁酸のことが気になり続けていた先生は、35歳のときに日本での仕事を辞めてフランスに渡り、胆汁酸の研究に専念。現在では、先生の研究結果に世界中から注目が集まっています。
今後の研究にも注目! 膵臓にも、腸内細菌にも関係が!?
「胆汁酸について、最近解明したことは基礎代謝アップだけではありません。今、日本人の糖尿病およびその疑いがある人は全国に2210万人もいるとされています(平成19年国民健康・栄養調査より)。見た目には肥満ではないのに糖尿病の人口がここまで多いのは、元来、日本人は膵臓(すいぞう)が弱いことも原因のひとつ。

膵臓をいい状態に保つためには、GLP-1というホルモンの分泌が必要なのですが、胆汁酸がGLP-1の分泌を促進することがわかりました。さらに最近、GLP-1は痩せるホルモンとしても注目されています。

このほかにも、胆汁酸と腸内細菌が相互関係にあることもわかってきていますので、いい腸内環境をつくるために胆汁酸や水溶性食物繊維がどのように関与しているのかなどの研究も今後進んでいくはず。日々の生活で食物繊維をたくさんとって、古い胆汁酸を出すことは、若々しい肌やからだをつくる重要な鍵となるでしょう」

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渡辺光博(慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科教授 ヘルスサイエンスラボ代表 兼環境情報学部、兼医学部) 国立東北大学遺伝子実験施設 博士前期課程、フランス国立ルイ パスツール大学分子生物学科 博士課程 卒業。2014年「胆汁酸の調整で肥満、糖尿病が改善」をイギリスの科学誌『ネイチャー』に発表。その後、研究の関連論文は英科学誌『サイエンティフィック・リポーツ』と米科学誌『プロス・ワン』『JBC』等の国際誌に掲載された。バックパッカーで世界中を巡った経験も。

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