腸が老化している?! 現代人のおなかがアブない!

特集/女はおなかで勝負!

先生/齊藤早苗(コロンハイドロセラピスト)
取材・文/大庭典子(ライター)

Image 下腹のポッコリおなか、お腹が張って腰が重い感じ...おなかまわりの不快な症状に"あれ?太ったかも"と悩んでいる人も多いかもしれません。一見、太ったと思いがちなおなかの張りやふくらみは "脂肪"が原因じゃないこともあるのだとか。これまでに5000人以上のおなかに触れ、その不調と向き合った腸内洗浄のセラピストでインナー美人アドバイザー、齊藤早苗先生におなかと腸の深い関係について、お伺いしました。

「便秘の人、本来出るべき便が出ていない隠れ便秘の人など腸内環境が悪化している人の多くは、腸にガスが充満している"ガス腹"になっています。腸にガスが溜まるとおなかが張り、腰まわりにも重さを感じるので、その状態を"太った"と勘違いしてしまう人も多いようです。そこで無理なダイエットなどを始めてしまうと事態はさらに悪化。食べないことによって、便の材料不足で便秘となり、ますますおなかがぽっこりという悪循環にハマってしまいます。

そんな"不腸"を抱えた人たちの腸内洗浄セラピーを行い、腸の環境を整えたら、おなかもペタンコになった、という例をこれまでにたくさん見てきました。そう、ポッコリおなかは脂肪だけではなく、溜まったガスが原因の場合もあるのです。

そもそも、腸は生命体が最初に手に入れた器官と言われています。セラピーをしていると、原始的な消化器官である腸が、社会環境や生活習慣の急激な変化についていけず、戸惑い、悲鳴をあげているように感じます。思えば、ポッコリおなかなんて、昔は60代以降シニア世代の悩みだったんですよ。それが今やスレンダーな高校生の下腹もぽっこりと出っ張っているなど、女性たちの"腸の老化"には頭を抱えてしまいます。

腸は、胃で溶かされた食べ物の栄養や水分を消化吸収し、食べ物カスや不要なものを便として排出する器官。腸内環境のいい腸は、きちんと動くので、食べた物を移動させる動きもスムーズ。当然、お通じも順調です。対して、老化し弱っている腸は、動きが悪く、伸びきっていて、下がっているのが特徴。自分の力で動けないほど弱った腸では、大切な役割である"消化""吸収""排泄"も機能しません。

しかも、"不腸"が引き起こす症状は、ポッコリおなかだけではありませんよ。からだの有害物質の約75%が便として出ていくと言われているので、"不腸"が続き便秘になると、有害物質や老廃物が体内にたまり、ビタミンやミネラル類の吸収力も弱るため肌あれや吹き出物の原因にも。

では、どうやってこの不腸から脱するか、幸い、腸は反応のいい器官でもあるんです(よっぽど手ごわい腸もときにお見かけしますが...)。ですから、腸をいたわり、大切にするような生活を心がけて、美腸ケアをすれば、必ず腸は応えてくれます。からだは驚くほど快適になりますし、若々しい肌、美しいおなかも叶うはず。美腸のためにどのようなケアが必要か、具体的な対策についても、これからお話ししていきたいと思います。

"腸を制すものは美を制す"。これは不腸女子のひとりだった自分自身の体験と、5000人以上のおなかと向き合ってきた私が強く実感していること。若さや美しさ、自身の幸せのためにも、美腸を手に入れましょう。それではまた次回」

思い当たる症状が次々と出てきたという方...これから腸を整えて、快適な"美腸"ライフを送りたいですよね。まずは、腸に無頓着にならず、自分がどのような生活を送り、腸が健康なのか否か、その状態を知ることが重要。そこから美腸道が始まるのです。

Image

齊藤早苗(コロンハイドロセラピスト) I-ACT(国際コロンハイドロセラピー協会)会員、日本抗加齢医学会会員。日本医科大学看護専門学校卒業後、看護師として大学病院などに勤務。2000年に米国で腸内洗浄のライセンスを取得し、現在も「対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座」にて"不腸"に悩む女性にコロンハイドセラピー、腸のヘルスケア指導を行う。また、セミナーや講演会、雑誌での連載など幅広い活動で、ひとりでも多くの腸を健康にするために日々活動中。著書に『美腸やせ』(主婦と生活者)、『美女になる腸トレ』(小学館)。
齊藤早苗の日本美腸化プロジェクト
齊藤早苗公式HP
対馬ルリ子女性ライフクリニック・コロンハイドロセンター

イラスト/190