立冬(りっとう)/手足のツボで泌尿器系トラブルを回避

文/伊藤和憲(鍼灸師・明治国際医療大学教授)
イラスト/中根ゆたか
立冬(りっとう)

本格的な冬の到来ともいえる二十四節気の「立冬」(11月7日から)。木々の実が落ち、葉は色づき、寒さを実感すると同時に、「老化の始まりの時期」ともいわれます。症状として出やすいのは、泌尿器系のトラブルです。頻尿に始まり、残尿感や膀胱炎などのトラブルを感じる人が多くなるでしょう。また、ホルモンバランスのくずれから、肌荒れや下腹部・腰の痛み、さらには生理不順なども感じやすくなるでしょう。

この時期の過ごし方しだいで、老化は早く進んでしまいます。からだを温め、念入りにツボでのケアを行って対処してください。

立冬にケアしたいツボ

養老(ようろう)
位置:手の甲側の手首にある出っ張った骨の下、やや薬指寄りにあるくぼみ。
方法:ツボに親指を当てて、残りの4本の指で手首を支えます。親指に力を入れて、イタ気持ちいい程度に5秒押して5秒離す刺激を1セットとし、5〜10回刺激を行いましょう。
効果:疲れ目や目の充血に効果的です。また、肩からひじにかけての痛みやしびれを軽減したいときにも有効です。

養老(ようろう)


行間(こうかん)
位置:足の甲の親指と人差し指の間。指の付け根。
方法:イタ気持ちいい程度に5秒押して5秒離す刺激を1セットとし、5〜10回刺激を行いましょう。つまようじの頭などでピンポイントに刺激をしても効果的です。
効果:頭痛や肩こり、めまい、耳鳴りに効果があります。また、ホルモンバランスのくずれから起こる生理痛、ニキビの対処法としても使われます。このツボは、高ぶった神経や興奮状態などを落ち着かせる効果もあるため、イライラや緊張を抑えたり、不眠症などを改善するといわれています。

行間(こうかん)


頭維(ずい)
位置:額の両角、髪の生え際から、親指幅半分ほど上。
方法:イタ気持ちいい程度に、5秒押して5秒離す刺激を1セットとし、5〜10回刺激を行いましょう。あまり力を入れずに、ゆっくりと指の腹でマッサージするだけでも効果があります。
効果:集中力の低下やネガティブな思考を改善したいときに効果的です。また、疲れ目やそこから生じる頭痛・視力の低下などにも効果的です。

頭維(ずい)
  • 伊藤和憲
  • 伊藤和憲(いとうかずのり) 鍼灸師・明治国際医療大学教授・鍼灸学部長・鍼灸臨床部長
    1972年生まれ。鍼灸学博士。全日本鍼灸学会理事。明治国際医療大学鍼灸学部教授。明治国際医療大学大学院鍼灸学研究科教授、同大学大学院研究科長。2012年~2014年、厚生労働省科学研究費助成事業 地域医療基盤開発推進事業「慢性疼痛患者に対する統合医療的セルフケアプログラムの構築」, 2014年~2015年同研究助成事業「鍼灸における慢性疼痛患者の治療方針ならびに医師との連携に関するガイドライン」の研究班班長を務める。また、2016年より過疎化対策の一環として京都府南丹市にて養生の体験教室「MIYAMA 森の湯治場」、さらには奈良県宇陀郡曽爾村の美人プロジェクトを監修。明治国際医療大学附属鍼灸センター長を務め、「はり・きゅう」の治療に当たるとともに、慢性痛患者のためにセルフケアを指導している。 https://www.yojyo1192.com/