白露(はくろ)/夏かぜに気をつけて散歩とツボケアを

文/伊藤和憲(鍼灸師・明治国際医療大学教授)
イラスト/中根ゆたか
白露(はくろ)

白露のころ(9月7日〜)になると、朝晩の温度差が大きくなり、夏かぜをひきやすくなります。季節の変わり目は自己免疫機能も落ちやすくなるため、花粉症やアレルギー性鼻炎など、さまざまなアレルギーにつながる時期です。気候がよくなった今こそ、免疫機能を高めるために運動を日常に取り入れましょう。朝の散歩を習慣にしたり、体幹部を意識してトレーニングすることをおすすめします。

白露にケアしたいツボ

風門(ふうもん)
位置:首を前に倒したとき、首の後ろでいちばん高い骨の出っ張りに指をあて、そこから下にふたつ目の出っ張りの骨を見つけてください。そこからさらに指2本分外側にあるツボ。
方法:イタ気持ちいい程度に5秒押して5秒離す刺激を1セットとし、5〜10回行いましょう。また、この部位にお灸をしたり、カイロを貼ったりするのもおすすめです。
効果:風門は風の入り口ともいわれており、かぜの予防や治療に効果的です。特に、頭痛・発熱・咳・肩こりなど、かぜの初期症状には有効です。ツボ押しをするなら、かぜ対策や呼吸器官に効くポイントをマスターしましょう。

風門(ふうもん)


孔最(こうさい)
位置:「手首の横ジワ」と「ひじの横ジワ」の中間点から親指1本分上(ひじ側)にあるツボ。少し外側の、押して痛いところを探してください。
方法:イタ気持いい程度に、5秒押して5秒離す刺激を1セットとし、5〜10回刺激を行いましょう。なお、ゴルフボールで押したり、お灸などを行うこともおすすめです。
効果:かぜの症状のひとつ、「せきが出るとき」に有効です。せき込み、息苦しさを和らげてくれます。

孔最(こうさい)


中府(ちゅうふ)
位置:鎖骨と肩の骨の間にあるクボミから指幅1本分下の(下のイラストの)赤丸部分。
方法:イタ気持ちいい程度に5秒押して5秒離す刺激を1セットとし、5〜10回刺激を行いましょう。ゴルフボールで押したり、このツボを中心に円を描くようにマッサージをしたり、冷えていると感じたら、お灸やカイロを貼るのもおすすめです。
効果:「せき・たん」「のどの痛み」「息切れ」「鼻水・鼻づまり」など、呼吸器系の不調に効果的です。また、「肩こり」「四十肩・五十肩」などの肩から腕にかけての痛みにも有効です。

中府(ちゅうふ)
  • 伊藤和憲
  • 伊藤和憲(いとうかずのり) 鍼灸師・明治国際医療大学教授・鍼灸学部長・鍼灸臨床部長
    1972年生まれ。鍼灸学博士。全日本鍼灸学会理事。明治国際医療大学鍼灸学部教授。明治国際医療大学大学院鍼灸学研究科教授、同大学大学院研究科長。2012年~2014年、厚生労働省科学研究費助成事業 地域医療基盤開発推進事業「慢性疼痛患者に対する統合医療的セルフケアプログラムの構築」, 2014年~2015年同研究助成事業「鍼灸における慢性疼痛患者の治療方針ならびに医師との連携に関するガイドライン」の研究班班長を務める。また、2016年より過疎化対策の一環として京都府南丹市にて養生の体験教室「MIYAMA 森の湯治場」、さらには奈良県宇陀郡曽爾村の美人プロジェクトを監修。明治国際医療大学附属鍼灸センター長を務め、「はり・きゅう」の治療に当たるとともに、慢性痛患者のためにセルフケアを指導している。 https://www.yojyo1192.com/