夏至(げし)/骨盤のゆるみを正して、内臓も健康に

文/伊藤和憲(鍼灸師・明治国際医療大学教授)
イラスト/中根ゆたか
夏至(げし)

1年のうちで昼間の時間がもっとも長くなる夏至(6月21日〜)。あたたかさにともなって、閉じていた骨盤が開きだし、1年のなかでもいちばん骨盤がゆるむ時期といわれています。骨盤はからだの中心ですから、ゆるむことでその上にある脊椎(せきつい)に負担をかけてしまいます。その結果、腰痛や肩こりが生じやすくなり、そこから内臓の働きの低下にも。腰や肩・首のこりを和らげ、負担を少なくし、内臓が正常に働くよう、ツボを活用しましょう。

夏至にケアしたいツボ

腰腿点(ようたいてん)
位置:手の甲に2カ所あり、1つ目は人差し指と中指の骨が交わるところ。2つ目は中指と薬指の骨が交わるところ。
方法: イタ気持ちいい程度に5秒押して5秒離す刺激を1セットとし、5〜10回ほど、腰痛があるときに押しましょう。慢性的に腰痛がある場合は、突起物のついたシールや米粒などを貼っておくとさらに効果的です。
効果:腰痛だけでなく、ぎっくり腰などにも効果が期待できます。

腰腿点(ようたいてん)

委中(いちゅう)
位置:ひざの後ろにある横ジワの真ん中。指で触ると脈拍を感じるところ。
方法:イタ気持ちいい程度に5秒押して5秒離す刺激を1セットとし、5〜10回ほど繰り返しましょう。また、ひざ裏の中心に指を置き、円を描くようにマッサージするのも効果的です。
効果:「ひざの痛み」「こむら返り」に効果的なツボの代表ですが、「腰の痛み」や下肢のしびれなどを軽減することでも知られています。また、ツボの位置にはちょうど血管があるので、血行を促し、「足の冷え」「美脚」にも効果が期待できます。

委中(いちゅう)

太谿(たいけい)
位置:内側のくるぶしとアキレス腱の間にあるくぼんだ部分。
方法:気持ちいい程度に軽く約5秒マッサージ。これを5回ほど繰り返しましょう。冷えている場合はお灸を使ったり、足首にカイロを貼ったりすることも効果的です。
効果:腰痛はもちろん「足の冷え」や女性特有の症状「生理不順」「生理痛」にも有効です。足の血行がよくなることで、脚のむくみも軽減され、美脚効果も期待できます。

太谿(たいけい)
  • 伊藤和憲
  • 伊藤和憲(いとうかずのり) 鍼灸師・明治国際医療大学教授・鍼灸学部長・鍼灸臨床部長
    1972年生まれ。鍼灸学博士。全日本鍼灸学会理事。明治国際医療大学鍼灸学部教授。明治国際医療大学大学院鍼灸学研究科教授、同大学大学院研究科長。2012年~2014年、厚生労働省科学研究費助成事業 地域医療基盤開発推進事業「慢性疼痛患者に対する統合医療的セルフケアプログラムの構築」, 2014年~2015年同研究助成事業「鍼灸における慢性疼痛患者の治療方針ならびに医師との連携に関するガイドライン」の研究班班長を務める。また、2016年より過疎化対策の一環として京都府南丹市にて養生の体験教室「MIYAMA 森の湯治場」、さらには奈良県宇陀郡曽爾村の美人プロジェクトを監修。明治国際医療大学附属鍼灸センター長を務め、「はり・きゅう」の治療に当たるとともに、慢性痛患者のためにセルフケアを指導している。 https://www.yojyo1192.com/