小満(しょうまん)/活動の季節。でも気持ちは落ち着けてストレスコントロール

文/伊藤和憲(鍼灸師・明治国際医療大学教授)
イラスト/中根ゆたか
小満(しょうまん)

日差しが強くなり、橙色(だいだいいろ)のびわ、鮮やかな緑の青梅が店頭に並び始める初夏の「小満」(5月21日〜)。人も動きが活発になり、体内に栄養や酸素が必要になります。そのため心臓に負担がかかりやすいのも、この時期。活動時以外、たとえからだを休めているときでも、不安やストレスがあると心臓には負担がかかってしまいます。心臓や血圧のコントロールにつながるツボのケアで、夏準備を始めましょう!

小満にケアしたいツボ

内関(ないかん)
位置:手のひら側の手首のしわの中央からひじに向かって指幅3本分のところで、親指側の腱と次の腱との間にあります。
方法:イタ気持ちいい程度に5秒押して5秒離す刺激を1セットとし、5〜10回ほど、緊張したときなどに押すとよいでしょう。特に緊張しやすい方は、突起物のついたシールや米粒などを貼っておくとさらに効果的です。
効果:血圧の上昇を抑え、吐き気や乗り物酔い、ストレス・緊張の軽減に効果的です。

内関(ないかん)

八風穴(はっぷうけつ)
部位:足の甲側、各指の股にある4つのツボで、両足で8つあります。
方法:イタ気持ちいい程度に5秒押して5秒離す刺激を1セットとし、5〜10回ほど、朝晩に押すようにしましょう。血圧が継続的に高い方・または低い方は、突起物のついたシールや米粒などを貼っておくとさらに効果的です。
効果:血圧を整えてくれるだけでなく、末梢の循環を良くし、冷えの改善や自律神経の調整にも効果的です。年齢からくる血圧の変化や自律神経の乱れなどがある方にお勧めです。

八風穴(はっぷうけつ)

人迎(じんげい)
位置:のどぼとけの指2本分外側で、動脈の動きを感じられる場所。
方法:気持ちいい程度に軽く5秒程度のマッサージを1セットとし、5回繰り返しましょう。即効性があるので、あまり刺激しすぎると血圧が急激に変化してしまいます。
効果:血圧を整え、ぜんそくやのどの調子を整えるのにも有効。生活習慣が乱れ、継続的に血圧が高い方にも効果的です。

人迎(じんげい)
  • 伊藤和憲
  • 伊藤和憲(いとうかずのり) 鍼灸師・明治国際医療大学教授・鍼灸学部長・鍼灸臨床部長
    1972年生まれ。鍼灸学博士。全日本鍼灸学会理事。明治国際医療大学鍼灸学部教授。明治国際医療大学大学院鍼灸学研究科教授、同大学大学院研究科長。2012年~2014年、厚生労働省科学研究費助成事業 地域医療基盤開発推進事業「慢性疼痛患者に対する統合医療的セルフケアプログラムの構築」, 2014年~2015年同研究助成事業「鍼灸における慢性疼痛患者の治療方針ならびに医師との連携に関するガイドライン」の研究班班長を務める。また、2016年より過疎化対策の一環として京都府南丹市にて養生の体験教室「MIYAMA 森の湯治場」、さらには奈良県宇陀郡曽爾村の美人プロジェクトを監修。明治国際医療大学附属鍼灸センター長を務め、「はり・きゅう」の治療に当たるとともに、慢性痛患者のためにセルフケアを指導している。 https://www.yojyo1192.com/