処暑(しょしょ)/残暑厳しい日々では自律神経や感情のコントロールを

文/伊藤和憲(鍼灸師・明治国際医療大学教授)
イラスト/中根ゆたか
処暑(しょしょ)

秋の気配を感じつつ、台風が近づくとき

処暑(8月23日〜)になると暑さが和らぎ、朝晩の気温差や夜の虫の声などで、秋の気配を感じます。ただし、日中はまだ暑さが続くため、納涼床や屋形船などで涼むのがこの季節の風物詩です。

季節の始まりの初候は、果物のすだちや魚ではカサゴなどが旬を迎えます。また、綿の木の花が咲き乱れたあと、蒴果(さくか)という実につく白い繊維が綿花になり、綿花の収穫の時期が始まります。季節が進む次候では、ぶどうが旬を迎え、立春から数えて210日目にあたる「二百十日(にひゃくとうか)」には、昔から台風がやってくると言われ、「野分」(のわき)と呼ばれる激しい風が吹き荒れます。そして処暑の終わりである末候は、いわしやいちじくが旬を迎えるとともに、チロチロと鳴くまつむしの声があちこちで聞こえ始め、秋も中盤へと移り変わります。

食べ物がうまく消化吸収されずに、かぜを引くことも

自律神経の異常が起こりやすく、アレルギーなどの症状をもつ方はひどくなりやすいのもこの時期です。最近では、アレルギーの出現には腸内細菌が重要な役割を示すことが知られるようになりました。特に小児期に抗生物質などを多用すると、大切な腸内細菌が死滅してしまい、アレルギーになりやすいとの研究が報告されています。さらに腸内細菌は食べ物の消化吸収にも関係していることから、食物が上手く消化吸収されないことで体力が落ち、免疫力も低下してかぜを引きやすくなります。

気温が下がって過ごしやすくなると、仕事や読書、運動などに積極的になる人も多いことでしょう。その一方で、自律神経の調整がうまく行えずに免疫力が低下していると、やる気も起こらず、気持ちだけが焦りやすくなります。感情が不安定になることで、喘息が起こったり、感情がコントロールできずに涙がこぼれたりすることもあります。

大根を料理に取り入れて気の巡りを促進

食事のときは、大根など辛味成分をとることを意識してみましょう。大根には甘みと辛味があり、それによって気の巡りをよくしてくれます。また、大根に含まれる消化酵素のジアスターゼやビタミンCは、胃腸や呼吸を強化してくれるので、口内炎や便秘、二日酔いにも効果的です。

初夏に出回るびわですが、胃腸を丈夫にして消化吸収を高めてくれることから、腸内環境を整えるには効果的な食材です。びわに含まれる成分は痛みや炎症を抑えるといわれているので、この時期にはおすすめの食材です。

  • 伊藤和憲
  • 伊藤和憲(いとうかずのり) 鍼灸師・明治国際医療大学教授・鍼灸学部長・鍼灸臨床部長
    1972年生まれ。鍼灸学博士。全日本鍼灸学会理事。明治国際医療大学鍼灸学部教授。明治国際医療大学大学院鍼灸学研究科教授、同大学大学院研究科長。2012年~2014年、厚生労働省科学研究費助成事業 地域医療基盤開発推進事業「慢性疼痛患者に対する統合医療的セルフケアプログラムの構築」, 2014年~2015年同研究助成事業「鍼灸における慢性疼痛患者の治療方針ならびに医師との連携に関するガイドライン」の研究班班長を務める。また、2016年より過疎化対策の一環として京都府南丹市にて養生の体験教室「MIYAMA 森の湯治場」、さらには奈良県宇陀郡曽爾村の美人プロジェクトを監修。明治国際医療大学附属鍼灸センター長を務め、「はり・きゅう」の治療に当たるとともに、慢性痛患者のためにセルフケアを指導している。 https://www.yojyo1192.com/
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からだ用語辞典: 腸内細菌 / 腸内環境

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