簡単!誰でもできる食品のカロリー計算術!

文/おくだじゅんこ(管理栄養士)
イラスト/いしわたりきわこ

簡単!カロリー計算術! 「栄養士さんは、カロリーがわかって自分で計算できるからいいわね」ってよく言われます。しかし! 私たちの頭もコンピュータではないので、すべてのカロリーが頭に入っているわけではないのです。今日は、簡単カロリー計算方法を少しだけ伝授します!

卵1個のカロリーをご存じですか? バナナ1本のカロリーは? ジャガイモ1個は?
正解はどれも全部80kcalです(あくまで目安なので、誤差はあります)。このように食品というのは、80kcalにあてはめられる食品が多いのです。
これを糖尿病の食事療法の世界では、80kcal=1単位と呼びます。
各食品の1単位(80kcal)の分量さえ覚えていれば、カロリー計算はすでにできたようなもの。
たとえばチャーハン。
「ごはん150gに卵1個、ベーコン1枚に玉ねぎなど野菜100g、油を大さじ1/2杯使って作ったとしましょう。
【ごはん=50g】が1単位・・・なので、150gのごはんは3単位。
【卵=1個】が1単位。
【ベーコン=1枚】が1単位
【野菜=300g(手のひらいっぱい)】で1単位・・・なので野菜100gは0.3単位。
【油=大さじ1杯】で1単位・・・なので大さじ1/2杯の油は0.5単位です。
というわけで 合計は5.8単位。

1単位は80kcalなので、5.8単位(約6単位)×80kcal・・・約480kcal!
ほら!簡単におよそのカロリー計算ができるのです!!

1単位の分量を「覚える」のが大変...と最初は思ってしまうかもしれませんが、コツは覚えやすいものから覚えていくこと。
納豆も約1パックが1単位。チーズも1枚が1単位など、ひとつが1単位とされるものが、たくさんあるのです。
また、自分が使う食材はたくさんあるようで意外と限られているものです。
主によく食べる肉や魚、それから主食の1単位の分量を知っておけば、楽にカロリー計算ができますよ!

◆大まかな80kcal=1単位の分量はこちら。下に書いてある食材の量はぜーんぶ80kcalです。
控えめに1食500kcalの食事を目指すなら、この中から6単位分食材を選んで食べればOK!!

【主食・いもなど】
 ・ごはん 茶碗1/3(50g)
 ・食パン 1/2枚
 ・うどん 1/3玉
 ・スパゲティ 20g(1食分の1/5)
 ・じゃがいも 中 1個(110g)

【肉・魚・大豆・卵・チーズなど】
 ・牛肩ロース 30g(すき焼き用薄切り1枚)
 ・鶏手羽 1本
 ・豚ロース 40g(薄切り2枚)
 ・豚ひき肉(牛/豚/鶏) 40g
 ・ウインナー 2本
 ・かれい 中1切れ(80g)
 ・ぶり 1/3切れ(30g)
 ・納豆 1パック(40g)
 ・木綿豆腐 1/4丁(100g)
 ・卵 1個(50g)
 ・スライスチーズ1枚

【野菜】
 ・いも類(じゃがいも・かぼちゃ・さつまいも・里芋など)以外の野菜をいろいろ取り混ぜ 300g

【油類】
 ・サラダ油・ごま油・オリーブオイルなど 大さじ1杯
 ・マヨネーズ 大さじ1杯
 ・豚ばら肉 1枚(20g)
 ・ベーコン 1枚(20g)

この方法は、糖尿病患者さんの食事療法のために作られた「糖尿病食事療法のための食品交換表」というものがベースになっていますが、他にも80kcalの分量がたくさん写真入りで掲載されている本などもあります。興味をもった方は、ご自分で調べてみてください。自分の使いやすい、見やすい1冊を探してみては?
80kcalの分量を知ると、「豆腐ってカロリーが低いと思っていたけど、豚ロース2枚食べたのと一緒なんだ!」とか、「豚ばら肉1枚と油大さじ1杯が同じだったんだ!」など、自分の勝手なイメージとのズレが発見できておもしろいですよ!

文/おくだじゅんこ(管理栄養士) 広島生まれ。国立病院勤務の後、8年間にわたり株式会社ワコールに勤務。陸上選手から社員まで幅広く健康管理に携わる。2012年に再び地元広島へ戻り診療所の栄養士に。
自身が根っから食いしん坊☆自分自身の栄養管理に日々奮闘中!

イラスト/いしわたりきわこ 東京生まれ。テキスタイルデザイナーを経て、コピーライター、ライター、イラストレーターに。渾身の著書「駅弁の旅」、「ぜいたくはひとりごはん」共著に「東京ナチュラルスイーツ」、「おいしいごはんの店~自然派レストラン全国ガイド」などがある。