インサイドストーリー

商品づくりの現場から

2017年4月19日

語り/高瀬千春(ワコール 商品企画部)
石浦亜矢(ワコール インナーウェア商品企画部)

BODY

大ヒット「リボンブラ」新作は、ハミ肉をホールドする脇高デザインに注目!

ワコールを代表するブラジャーのひとつ、「リボンブラ」は、2010年の発売以来ヒットを続けています。その始まりには、どのようなストーリーや苦労があったのでしょうか。また、2017年の春夏に発表された新たな「脇高デザイン」の「リボンブラ」、その開発秘話にも迫ります! リボンブラ
一度はボツになった「リボンブラ」構想。
リボンが果たす性能が次々とわかり、商品化へ。
――2010年の誕生当時から話題となり、キャリア女性を中心に絶大な支持を得る「リボンブラ」ですが、どのように誕生したのでしょうか。

高瀬
 「リボンブラ」の要である、"バストを左右から寄せてキレイな谷間をつくる""寄せた谷間を逃がさない"というキープリボンの構想は、最初、ワコール人間科学研究所からの機能提案でした。ただ、その機能部分だけ聞くと、最初はあまり新鮮味がないように感じたんですね。何よりモチーフの"リボン"のイメージがかわいらしすぎるのではないか、ワコールのお客さまには受け入れられないのではと、一度はボツになったんです。 リボンブラ ――あの「リボンブラ」が却下されていたとは、意外ですね。それがなぜ商品化されることに?

高瀬
 その後、フィッティングを試していくなかで、リボン構造には、谷間をキープするだけじゃない機能があるとわかってきたのです。バストの動きにブラが追随してカップが浮きにくくなったり、ズレなどが軽減されたり、リボンパーツで寄せることで脇側のお肉もスッキリと見えたり。構造上、真ん中のリボンによって期待できる効果は多岐にわたっていました。

それらの結果から、この発想は今までになく新しい! と、急速に開発が進むことになりました。リボンひとつで二役・三役もこなす、デザインも機能も充実したブラができると確信しました。 リボンブラ
からだの中で気になる部位ナンバーワンは、脇のハミ肉...。
新作「リボンブラ」で、"すっきりサイド"を実現!
――「リボンブラ」には、長年のファンやリピーターが多いのも特徴ですね。

石浦
 多くのお客さまに愛用していただき、「リボンブラ」はここ数年、春夏、秋冬とシーズンのトップバッターとして新作を発表する商品にまで成長しました。「リボンブラ」の強みは、なんといっても裏付けのあるしっかりとした機能とブラのデザイン性ですが、ありがたいことに、お客さまのなかには、シーズンごとのデザインを楽しみに、毎回購入してくださる方もいます。

昨年は赤ずきんちゃんやマーメイドをデザインのテーマにするなど、これまで、かわいい世界観やキャッチーさを大切にさまざまなテーマでデザイン展開してきた「リボンブラ」ですが、今回、初めてニューラインとして商品が加わることに。それが「脇すっきり、胸ふっくら、リボンブラ。」です。 ワコール 商品企画部 高瀬千春 ――新たな商品が生まれた背景はなんでしょうか?

石浦
 下着市場全体のここ最近の傾向として、"快適でラクな商品"の方向にいっせいに進んできたという事実があります。その一方で、"からだの気になるところをカバーしてくれる"下着の機能への期待も、根強い市場としてあり、私たちのところには、「もっとしっかりとした機能のある下着が欲しい」という声も届いてきました。新作では、そちらのニーズにしっかりと応えたいと、開発が始まりました。

また、「全身のなかでもっとも気になる部位は?」とのアンケート結果にも、開発をあと押しされました。今、おなかやヒップのたるみなどを抜いて、からだのコンプレックス1位にあがるのが、「前側の脇肉」なんです。ブラの横からプニッと出るあの脇肉ですが、「太って見える」「老けて見える」と悩んでいる方が多いのです。ここは皮膚伸展が激しく、たるみやすい部位でもありますからね。

――その悩み、共感します...。そんな多くの人が抱える脇肉の悩みに応えるべく誕生したのが、新しい「リボンブラ」なのですね。

高瀬
 はい。脇高のデザインでサイドをスッキリ見せられるのが特徴ですが、脇の幅を広くすると、体型によっては「痛い」と感じることもあります。ですから、この部分はワイヤーではなく、布で高さを出して痛みが軽減するよう、配慮しました。また、カップのワイヤーを広めにつくっているのも、機能面を充実させるために工夫した点です。バスト全体をしっかりとサポートすることで、安心感もありますし、バストまわりのハミ肉も逃げにくくなります。 脇高のデザインでサイドをスッキリ見せられるのが特徴 高瀬 安心感やサポート感がありながらスリムに見える構造は、バストのサイズの大きい方には特に実感していただけると思います。このように脇をすっきりと、バストまわりをしっかりとサポートすると、デコルテもふっくらと美しく見えます。サポート面積は広いほど、キープ力も高まるので、美しいバストラインを長く保つことができるのも魅力のひとつ。 ワコール インナーウェア商品企画部 石浦亜矢 ――苦労した点はどこでしょう?

石浦
 「リボンブラ」の魅力である軽やかさや華奢さをデザインで表現するのは、大変でした。脇高設計で布を多く使用していること、ワイヤーを大きめにつくっていることから、通常の「リボンブラ」と比べて、同じサイズでもこちらのほうが大きくて重たく見えてしまうんですよね。そこをどう軽くするか、デザイナー陣はうなるほど考えました。

洗練された大人のイメージで"ドレステリア"というテーマを掲げ、凝った技法は使いながらも、どこまで軽やかに仕上げられるか、透明度の高いレースを重ねたり、繊細な刺繍は全体にではなくポイントとして使用したり、細部までこだわりました。 洗練された大人のイメージ ――完成品は、とてもエレガントですよね。

石浦
 大人の女性や体型に悩んでいる方に、これだったら着けてみたい...と手に取ってもらえるよう、エレガントさにはこだわりました。ぜひともこのつけごこちを試していただき、バシっとした脇のホールド感やふっくらときれいなデコルテをぜひ体験していただきたいです。

石浦亜矢

石浦亜矢 ワコールブランド事業本部 商品統括部 商品企画部 デザイン三課 課長。1999年ワコール入社。「SUHADA」「GOCOCi」企画開発リーダー。「女神のヒミツ」「約束のブラ」「NATSU-BRA」などキャンペーンブラジャーのチーフとしてヒット作を生み出し、2017年4月より現職。

高瀬千春

高瀬千春 ワコールブランド事業本部 商品統括部 商品企画部 デザイン一課 商品開発リーダー。入社以来、「LALAN」「リボンブラ」「SUHADA」など、ブラジャー一筋で開発を担当。パタンナー、デザインチーフを経て、現在は商品企画の中長期開発を含めたリーダーに。

取材・文/大庭典子
人物撮影/合田慎二

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