背中の段差に救世主「きれいのブラ 後ろ姿キレイType」開発秘話

語り/北村典子(CS事業本部
ウイングブランドIW企画商品部)

2012年に誕生した、ウイング「きれいのブラ 後ろ姿キレイType」。愛用しているお客さまからは「気になっていた背中の段差がすっきり!」「つけごこちがいい」「デザインがかわいい」と多くの支持を集め、今年で5年目を迎えます。今季も、フェミニンなおしゃれを楽しめる5色の新作が登場。誕生秘話とともに新作の魅力も紹介します。 きれいのブラ 後ろ姿キレイType

誕生以来、根強いファンの多い
「きれいのブラ 後ろ姿キレイType」のキレイの秘密とは?!

――「きれいのブラ 後ろ姿キレイType」という名前からも、このブラの特徴がわかりますが、なぜ、後ろ姿が美しく見えるブラをつくろうと思ったのでしょうか?

北村 お客さまへのアンケートなどから多くあがってくる「背中の段差が気になる」という悩みに応えたい気持ちが出発点ではありますが、実はもうひとつ大きなテーマがありまして。

――それは何ですか?

北村 後ろ姿をキレイに見せるという機能はもちろんですが、ブラジャー自体の美しさも追求しようと考えました。というのも、実はこの商品が誕生する前にもウイングでは、背中の段差を軽減するというブラをつくっていたのですが、それはいかにも機能に特化しました、という見た目で...。 北村典子(CS事業本部 ウイングブランドIW企画商品部) ――ブラのデザイン性も重視したということですか?

北村
 はい。ワコールの人間科学研究所のデータでは、女性は28歳ころにエイジングによる体型の変わり目があり、それは残念ながら背中にも現れます。ただ、だからといって、機能だけに特化したブラジャーをつけるのは何だか味気ないですよね。20代、30代、40代とまだまだおしゃれなブラをつけたい、けれども背中のお肉もケアしたい...と両方を求める方が思わず手に取りたくなるブラジャーをつくろうと考えました。

背中のスムージングで
"後ろ姿年齢"がこんなにも変わる!

――そんな想いで開発された「後ろ姿キレイブラ」は、年々ファンが増加するヒット商品となりました。まずは機能的な特徴を教えてください。

北村 背中の段差をすっきりスムージングするための「パワー切り替えレース」の搭載が大きな特徴です。パワーの違う3層のレースを使い、いちばん強いパワーは真ん中部分に設定。真ん中のパワーの強い層は、肌への密着度を高め、しっかりと引きのあるつけごこちにする役割です。

そして、上部はいちばん弱いパワーにしているのも重要な点です。ここを弱い力にすることで、背中の肉を逃がし、きれいなスムージングを狙えます。もしも上部をぎゅっと強い力で押してしまうと、背中のお肉もはみ出てしまい、段差の原因になりますから。 パワー切り替えレース ――なるほど、想像するとそのとおりですね。

北村 この三層からできたバック部分は、背中のスムージング効果があるだけでなく、全体にパワーがあり伸びやすいので、つけごこちもいいんですよ。通常のブラジャーの背中部分は、上部と下部にゴムが通っていて、お客さまのなかには、細いゴムのあたりが痛いや苦しいという方もいらっしゃいますが、「後ろ姿キレイブラ」は、上辺・下辺ともにテープレス仕様。全体の面で背中に沿っているので、つけごこちのよさも感じられます。

背中部分のフィッティング感が好評なので、2012年に誕生した初代からずっと、同じパワー感、つけごこちを再現しています。また、編みレースでも肌触りがよくなるよう、背中にあたる部分は、裏パイル素材を使用。ザラつかないやわらかい肌触りになるよう、工夫しています。 背中にあたる部分は、裏パイル素材を使用 ――後ろ姿の段差は、自分で見えませんが、意外と他人は見ていますし、不安です。後ろ姿に自信がもてたらうれしいです。

北村 この写真は、同じ人間が同じシャツを着た後ろ姿。片方が「後ろ姿キレイブラ」をつけ、片方が違うブラで撮ったものです。 一般的な構造のブラ、きれいのブラ後ろ姿キレイType ※機能の表れ方には個人差があります。
※この写真は同人物・同時刻・同サイズ・同アウターで撮影されています。
――これは...全然違いますね!  段差があると後ろ姿が老けて見えますし、段差のないすっきりした後ろ姿は服までおしゃれに見えるような...(笑)

北村 そうですよね。「きれいのブラ 後ろ姿キレイType」は、後ろ姿だけでなくバストの造形を整える工夫もしています。脇の下の側部に斜めに入れたワイヤー「脇ボーン」によって、バストの脇流れを防ぎ、美しくバストメイクします。また、パッドにも縦にラインを入れることで、バストのカーブに自然に沿い、胸の丸みがより自然に美しく見える工夫をしています。 パッドに縦にラインを入れることで、バストのカーブに自然に沿い、胸の丸みがより自然に美しく見える工夫をしています。 脇の下の側部に斜めに入れたワイヤー「脇ボーン」によって、バストの脇流れを防ぎ、美しくバストメイクします。

チュールにも、レースにもこだわり抜いた
優雅で女性らしいデザインが完成

――2017年7月に新たなラインアップも登場しましたね。デザインの特徴について教えてください。

北村 デザインのテーマは鮮やかで華やかな「Flower ‐ガーデンパーティ‐」。「きれいのブラ 後ろ姿キレイType」は、毎年購入してくださる方も多いので、リピーターの方にも「今季のデザインも素敵、欲しいな」と思っていただけるような新鮮さを感じてもらえるデザインを心がけています。

――見た瞬間に、わぁ!と感じるような華やかさがあります。

北村 刺繍やプリント、チュールの素材や入れ方にこだわり、華やかさや立体感やゴージャス感を演出しています。こちらの3色は刺繍をした上からプリントを重ねています。 刺繍をした上からプリントを重ねています。 オンプリント 刺繍をした上からプリントを重ねたデザイン(IV・KO・SP) 一方、こちらの2色はチュール地に直接プリントをしているんですよ。そのうえからさらに刺繍を重ねています。刺繍とプリントの合わせ方を変えることで、これだけ印象も違う。お客さまが好みのものを選べるよう演出や見え方にもこだわりました。 チュール地に直接プリントをし、そのうえからさらに刺繍を重ねています。 ベースプリント チュール地に直接プリントをし、刺繍を重ねたデザイン(SX・YE) 素材についても、普通のチュールは、プリントがのりにくいので、タトゥーチュールのような透明度が高く、更にプリントがのりやすい素材を使用しています。

刺繍柄も、ハイブランドのインポートものでよく使われているレース仕様を参考に、高級感のあるケミカルレースのような立体的な刺繍にこだわりエンブレースをつくりました。

――チュールひとつ、レースひとつに、美しさへのこだわりを感じますね。

北村 色についても、愛されカラーのピンク、軽やかで爽やかなサックスブルーと白の組み合わせ、大人シックなネイビー、夏を感じる色で元気になれるようなビタミンカラー、王道の白地に花柄と、そろえました。さまざまな好みのお客さまが「私はこれ!」と、とっておきの1枚を選べるような雰囲気の違う5色を展開しています。

また、夏はTシャツや薄手の服に響きにくいものが求められますので、カップ部分にレースのないタイプも用意しました。レースは下部にふんだんに使って、シンプルだけど女らしい2色です。 カップ部分にレースのないタイプ。レースは下部にふんだんに使って、シンプルだけど女らしい2色です。 ――つけごこちもよく、女性らしいデザイン、さらには後ろ姿にも自信がもてる「きれいのブラ 後ろ姿キレイType」は、おしゃれにも心強い味方ですね。

北村 ぜひ手に取って見てほしいですね。

北村典子

北村典子(きたむら・のりこ) CS事業本部 ウイングブランドIW企画商品部。ワコール入社後、ワコールブランドのサテライトブランドでチーフデザイナーの経験を経て、現在はウイングキャンペーンKIREIのチーフデザイナーに。

取材・文/大庭典子
撮影/合田慎二