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インサイドストーリー

商品づくりの現場から

2017年10月11日

語り/竹波祥代(ウエルネス事業部 商品部 商品企画課)

BODY

下着メーカーのノウハウが生きた大ヒットスポーツウェア「CW-X」開発物語

発売以来、多くのスポーツ選手やスポーツ愛好家から熱い支持を受けている「CW-X」の開発秘話をお届けします。どのように開発が始まり、どんな構造で、どれだけの種類があるのか。さらには、「CW-X」愛用者のイチロー選手との秘話も! CW-X
テーピングを衣服に組み込めないか...
ある社員の発想から開発がスタート!
――まず、「CW-X」が誕生したきっかけについて教えてください。

竹波 そもそものきっかけは、1991年ころ、ワコール社員の妹さんがスキー中にケガをして動けなかったとき、テーピングをしたところ、カラダが動いてスキーを続けられた、という出来事でした。そこから発想を得て、「このテーピングの構造を衣服に組み込むことはできないだろうか」と、「CW-X」のスポーツタイツが開発されました。 竹波祥代 ワコールには人間科学研究所があり、女性のカラダについての研究をメインに行っています。「CW-X」を開発する以前はどちらかというと造形に力を入れていたのでが、開発が始まってからは、「動き」についても深く研究していくこととなりました。

――ケガをした本人は大変だったでしょうが、そのことが「CW-X」の誕生を促したのですから...すごいですね。

竹波 そうですよね。また、人間科学研究所で開発をするうちに、私たちがつくりたいスポーツウェアは、下着メーカーで培った技術が大いに役に立つこともわかりました。

というのも、スポーツウェアで、本体素材とサポート部分で伸縮性の違う生地を組み合わせることは、とても難しいとされていますが、ワコールには伸縮性の違う生地同士を合わせたガードルなどをつくってきた実績があり、そのノウハウはもっていた。だからこそ、「CW-X」ができたんです。
股関節から足首までつながった1本のラインが
「CW-X」のアイデンティティ
――こちらの「エキスパート モデル」がいちばん最初にできたモデルですね。

竹波 はい。テーピング原理で、「股関節を基点に、ひざを通って、ふくらはぎの筋肉に沿って、足首まで、1本のつながったライン」を入れました。この股関節から足首まで1本でつながったラインは、まさに私たちのアイデンティティであり、他社にはないものだと思っています。 CW-X エキスパート モデル CW-X エキスパート モデル ――一このラインによって、筋肉や関節がおさえられているんですね。

竹波 ただ固定しているのではなく、伸び縮みする生地の特性を生かして、カラダの動かしたい方向に筋肉をサポートしています。動きによって一度伸びた生地は、伸縮性によって縮もうとするので、そのときは、関節に負担がかからないよう、制動する力が働きます。ガチガチのテーピングとは違って、動きをサポートしたり、逆におさえられるのが、伸縮性のある衣服だからこそできることなのだと思います。

――開発は苦労したのでしょうね。

竹波 専門家の先生方にアドバイスをいただいたり、カラダの動きを実験で確認したり、またできあがったものを検証したりと丸2年かかりました。 着用実験風景。 着用実験風景。 「CW-X」のスポーツタイツは、いろいろな種類がありますが、サポート部位と運動の目的に合わせて選んでいただくことをおすすめしています。スポーツタイツが初めての方や、軽いジョギングやトレッキングに使用したい方は、「エキスパート モデル」から始めるのがいいと思います。そして、「エキスパート モデル」の構造をすべてもっていて、さらに腰のサポートが追加されたものが、「スタビライクス® モデル」です。

さらに、スタビライクスの構造をすべてもち、おしりのサポートとふとももの裏にサポートが入ったものが「ジェネレーター® モデル」です。テニスやサッカーのように、瞬時に方向を変えるスポーツなど切り返しの動作や瞬発力を必要とする動きに向いています。 「CW-X」スポーツタイツ ――それぞれのモデルがまったく異なるのではなくて、「エキスパート モデル」という基本の形に少しずつプラスされていくのですね。

竹波 はい。最も多くの機能がついた「ジェネレーター® モデル」には、同じモデルで着用感の違う「ジェネレーター® モデル レボリューション® タイプ」もあります。これは、1枚布を表面だけ溶かして、サポートのパワー差をつけています。表面がフラットなので、デザインで遊んだり、ファッションの要素を取り入れられるのも魅力です。お客さまの好みもさまざまで、「厚みがないと嫌だ」と「ジェネレーター® モデル」を好む方もいれば、「ジェネレーター® モデル レボリューション® タイプ」のなめらかなはきごこちがいいと気に入ってくださる方もいます。 ジェネレーター® モデル ジェネレーター® モデル スタビライクス® モデル スタビライクス® モデル 「CW-X」スポーツタイツ
イチロー選手はメジャー挑戦のころから
今もなおCW-X愛用者!
――目的と好みに合わせて、自分に合った「CW-X」を選べばいいのですね。

竹波 これらのほかに、テーピングサポートがないタイプの「CW-X スタイルフリー® ボトム」があります。これには、段階着圧と皮膚伸展設計という機能がついています。通常、段階着圧といえば、足首から強い圧をかけてふとももに向かってゆるめる、足首から絞り上げるタイプが多いのですが、「CW-X スタイルフリー® ボトム」は、ふとももとふくらはぎの最も太い箇所に着圧をかけています。強く締めると動きにくくなる関節まわりは弱い着圧で、ふとももから足首に向かって強・弱・強・弱と、動きを阻害しないように着圧設定をしています。 CW-X スタイルフリー® ボトム CW-X スタイルフリー® ボトム さらに、「エキスパート® モデル 」と同じラインが入っていて、エキスパートよりもやわらかな着ごこちではきやすく、スタイリッシュなデザインで女性からの支持の高い「UNDER WEAR BY CW-X」の股関節・ひざサポートタイツ エキスパート タイプもあります。秋冬の新作では、プリント柄や華やかな色のものも多く展開しているので、黒のベーシックのほかにもう1本欲しいという方に、ぜひチェックしてもらいたいです。 UNDER WEAR BY CW-X UNDER WEAR BY CW-X ――はき方のポイントやサイズについて注意することはありますか?

竹波 タイツのひざの部分を、きちんと(ひざの)皿中央に合わせることが重要なので、一度はいたあとに微調整するなど、正しい位置を確認しながらはいてください。「CW-X」は、「日本人の体型にジャストフィットさせる」ことに徹底的にこだわり、人間科学研究所の膨大なデータを分析して、タイツのラインを配置しているので、筋肉や関節をしっかりサポートするためにも正しいポジションではいていただくことが大切です。

サイズについては、基本的にはS/M/Lという展開ですが、種類によっては、そこから体型別に細かく分かれているものもあるので、ぜひ試着をして自分に合った1本を手に取ってください。

――タイプを選んで、サイズを決めて、自分に合った1本を長く使えたらいいですね。「CW-X」が一躍有名になったのは、まずは野球界で広まったことが大きいのでしょうか?

竹波 その通りです。試作の段階でも多くの野球選手に試していただき感想をもらっていましたし、実際に発売されてからはメジャーリーガーのイチロー選手や田中選手が愛用してくださっていたり。

――イチロー選手も実際に愛用していたのですね。

竹波 ある日、「アメリカに行ってからもはきたいのですが、CW-Xは向こうでも買えますか」と、お問い合わせをいただきました。

股関節の動きをとても大切にしているイチロー選手が、股関節を基点とした下半身の安定を重要視した「CW-X」を気に入って使用してくださっていたのです。メジャーに挑戦されるときから今日まで、「CW-X」を愛用してくださっていることは、本当にうれしいです。

野球のほかにも先日はプロのビリヤード選手から「はいていると調子がいい」とおっしゃっていただいたり、ジョンギングやゴルフ、ヨガや自転車、テニス等、ユーザーにはさまざまな種類のスポーツ選手やスポーツ愛好家がいます。「スポーツを楽しむ方すべてに使ってもらいたい」という開発当初のコンセプトが、少しずつ形になってきているので、これからも可能性を探っていきたいです。

――激しい動きのスポーツだけでなく、ヨガやビリヤードなど動きを安定させる運動や競技にも「CW-X」の愛用者がいるのですね。今日はありがとうございました。
竹波祥代

竹波祥代(たけなみ・さちよ) ウエルネス事業部 商品部 商品企画課。入社後、人間科学研究所にて主に動作に関わる研究を担当。2016年より「CW-X」の機能開発を担当。

取材・文/大庭典子
撮影/合田慎二

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