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インサイドストーリー

商品づくりの現場から

2017年8月30日

語り/白綾真弓・藤本祐之介
(パーソナルウェア商品営業部 商品企画課)

BODY

ふわふわの生地に包まれて眠る幸せ! 「ふわごころ」開発秘話

しっとりなめらかなのに、極上の"ふわふわ感"を感じる生地が完成するまでにかけた時間は、2年半!  睡眠科学の「ふわごころ」が完成するまでのその道にはさまざまな壁や苦労があったようです。どんなアイディアでその壁を突破したのか、また、商品の魅力、その想いなど、担当者に開発秘話を聞きました。 ふわごころ
ホイップ感、しっとり感、なめらかさ。
理想のふわふわを求めて2年半!
――2017年2月に睡眠科学から発売された「ふわごころ」ですが、開発のきっかけについて教えてください。

白綾 これまでにない新しいパジャマをつくりたいと考えたとき、とことん"触感"にこだわったものをつくりたいと思ったことが始まりです。触ったときの気持ちよさやここちよさは、数値で測ることのできない感覚的なものですが、その部分を徹底的に追求してみよう、と。素材の気持ちよさを最優先に、素材開発から始まったのが、「ふわごころ」です。 白綾真弓・藤本祐之介 ――こんな素材を、と目指していたものはあったのでしょうか?

白綾 はい。誰もが気持ちよく感じられるような"ふわふわ"の素材をつくりたいということは始めから決めていました。ただ、ふわふわと言っても、単にやわらかければいいわけではなく、しっとり感やホイップ感、なめらかさやしなやかさなど、キーワードをチームでイメージし共有しました。ここちよさという数値化できないものを抽象的なイメージから捉える作業のなかで、「理想のふわふわとした生地を綿100%で実現したい」など、向かう方向が少しずつ具体的になっていきました。

藤本 チームのなかでイメージが固まったところで生地の仕入れ先に相談し、先方からはさまざまな提案をいただきました。ただ...、ここからが長かったですね。ご提案いただいても、もうちょっとこうなりますか、もうちょっとこうして欲しいと、先ほどの"しっとり""なめらか""ホイップ"などのキーワードを課題に何度もやり直してもらいました。

時期的なことで言うと、最初の打ち合わせから約3か月後に最初のご提案をいただき、それから試行錯誤して半年後には決まるのが通常ですが...。

――半年以上かかったのですか?

白綾 2年半かかりました。 白綾真弓 ――えーー!?

白綾 異例だと思います。やっとの思いで「これはいける!」という肌ざわりの生地が完成しても、ワコールの厳しい品質基準を満たすのが本当に大変でして。ふわふわとした生地において、最大の敵は洗濯後の"縮み"。縮みに対するワコールの品質基準という大きな壁の前で、何度も挫折しました。「できた!」と思っても洗濯後に「ダメ...」の繰り返し。完成した今は笑って言えますが、当時は心が折れそうでしたよ(笑)。
独特のしっとり感をインド綿で実現!
空気を含んだ編み方で、極上のふわふわ感に。
――生地の特徴について教えてください。

藤本 大きな特徴はふたつあるのですが、まずひとつ目は、独特のしなやかさを実現するために"インド綿"を使っていることです。触っていただくとわかると思うんですが、インド綿は、ほかの綿よりも天然油脂分を多く含んでいて、しっとりとなめらかですし、見た目のツヤ感も魅力です。 独特のしっとり感をインド綿で実現 ――わぁ。しっとりしていて気持ちいいですね。

白綾 もうひとつの特徴は、編み方にあります。こちらのふたつの綿の束を比べてみてください(下の写真)。これは、同じインド綿で100枚ずつ重ねたものですが、右と左では厚みがこれだけ違います。 「ふわごころ」の編み方は、空気層をたっぷりと含むように編んでいる ――一上の写真で左が「ふわごころ」の生地ですね。編み方の違いで、これだけ厚みに差が出るのですか?

藤本 その通りです。「ふわごころ」の編み方は、空気層をたっぷりと含むように編んでいます。そして、この編み方こそが、生地開発においてもっとも苦労した点です。空気を含んでいる分、どうしても洗ったときに"キュッ"と締まってしまうんですね。風合いは変えずに、どうにか改良できないか、糸と糸のすき間を風合いが変わらない絶妙な加減で詰めたり、生地が一番縮みにくい縦横の生地巾のバランスを調整したりと、何度も繰り返しました。 藤本祐之介
2枚のふわふわ生地を使った
贅沢な縫製が魅力!
――設計やデザインについても教えてください。

白綾 生地のここちよさをより肌で実感できる縫製で仕上げています。縫製の仕方は2種類あるのですが、こちらは生地を2枚合わせて縫製したもの。1枚でもふわふわですが、もう1枚重ね、さらに生地と生地の間に空気も含ませた贅沢な仕上がり。触るとふわふわしているのに、押し戻されるような弾力もあって、着ていただくとふわっとくるまれているかのような何とも言えないここちよさを感じていただけると思います。 生地のここちよさをより肌で実感できる縫製で仕上げている 白綾 もうひとつ(接結素材)は、生地をつくる時点で、薄い生地を2枚張り合わせています。2枚にわかれているのがわかりますか? 2枚の生地を編み立てて1枚の生地に仕上げています。厚みの違う2種は、両方とも年間を通して販売していますが、季節によって使い分けていただければと思います。 生地をつくる時点で、薄い生地を2枚張り合わせている ――洗濯するうえでの注意点はありますか?

藤本 洗濯洗剤や柔軟剤などは通常の使い方で大丈夫ですが、乾燥機は避けてください。基本的には取り扱い絵表示をご確認ください。

――わかりました。最後に試着したモニターさんからはどのような声がありましたか?

白綾 試していただいたほぼ全員のお客さまから「ふわふわしてここちいい」「よく眠れそう」「気持ちのいい触りごこち」という生地を評価していただくうれしい声が届き、自信になりましたね。自分が眠るときにこんなパジャマが欲しい、こんな生地があったらな...という発想から始まり、苦労の甲斐あって生地ができたときもうれしかったですが、さらにパジャマという商品になり、ここちよく全身が包まれたような感触を味わうことができ、「ふわごころ」を開発してよかったと改めて思いました。

藤本 ぜひ、手に取ってこのふわふわ感を堪能してほしいですね。今、パジャマを着て寝ることを習慣化している方は多くはないかもしれませんが、寝返りのしやすさや、からだへの締めつけがないなど、パジャマは睡眠の質を考えてもぜひ取り入れてほしい習慣。「ふわごころ」をきっかけに、パジャマ自体のニーズももっと広がっていくといいですね。
白綾真弓

白綾真弓(しらあや・まゆみ) 1989年入社。現在パーソナルウェア商品企画課にて、睡眠科学・グランダー・ネムリナの企画デザインを担当。

藤本祐之介

藤本祐之介(ふじもと・ゆうのすけ) 2014年入社。現在パーソナルウェア商品企画課にて、材料の開発及び品質管理を担当。

取材・文/大庭典子
撮影/合田慎二

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