トップ 教えて、ドクター! / BODY 【特集/首〜デコルテに美は宿る】悪姿勢が起こす筋膜のよじれとは?

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教えて、ドクター!

2017年8月23日

先生/竹井 仁(首都大学東京大学院 教授)

BODY

【特集/首〜デコルテに美は宿る】

悪姿勢が起こす筋膜のよじれとは?

----昨年あたりから、耳にするようになった人も多い"筋膜"というワード。1995年から、からだのコリには筋膜をリリース(解きほぐす)することが重要であると提唱している竹井仁先生に、首こりと筋膜の関係を伺いました。
姿勢の悪さと偏った筋肉の使い方が
首こり&しわのおもな原因
姿勢の悪さ、特定の筋肉を使いすぎることによる筋の緊張、バランスの偏った筋肉の使い方、間違ったエクササイズ、ストレス......。肩&首コリの原因はさまざまですが、多くの人に共通しているのが、姿勢の悪さとバランスの偏った筋肉の使い方です。猫背(頭がからだよりも前に出ているだけでなく、あごも前に突き出ている状態)は、首から肩にかけての筋肉を過剰に緊張させるだけでなく、あごが前に出ることで顔の皮膚が下方向に引っ張られるため、顔はたるみ、首にはしわができるのです。また、日常生活の姿勢や動作は、からだを左右均一に使う動きがほとんどありません。だから左右、あるいは前後のどちらかに体重がかかりやすい。この偏りが5年、10年と蓄積すれば、約5kgの頭を支える首の筋肉と、約8kgの両腕を支える肩甲骨周りの筋肉の疲労は相当なもの。こりや痛みを引き起こすことは、容易に想像できますよね。 皮膚〜筋肉の構造 筋肉と姿勢を整えるのに効果的なのが、筋膜リリースです。筋膜とはその名の通り、筋肉を包みこんでいる膜ですが、皮下組織にある浅筋膜、筋肉の上を覆っている深筋膜、筋肉表面の筋外膜、筋肉の中の筋の束を包む筋周膜、筋の束の中の筋線維1本1本を包む筋内膜を指し、コラーゲン線維と少量のエラスチン線維からできています。
よじれた筋膜を元に戻すのが
筋膜リリースの役目
椅子に座るとお尻がつぶれて広がり、立ち上がると元の形に戻るのは、ゴムのように伸び縮みができ、からだに加わっていた力がなくなれば元の形を取り戻すエラスチンと、からだの動きに合わせてハンモックのように形を変えられるコラーゲンの働きによるもの。コラーゲンとエラスチンは、からだに加わった緊張をコントロールしているのです。

悪い姿勢やバランスの偏った筋肉の使い方をしていると筋膜はよじれ、コラーゲンとエラスチンが一部に寄り集まってしまいます。すると、コラーゲンとエラスチンを包み込んでいる基質が、サラサラの水溶液からゼラチン状に変化します。ゼラチン状になると、筋膜の下にある筋肉は自由に動けなくなるため、深筋膜を介してよじれが全身に波及。筋膜は自力でよじれを解くことができないため、正しい姿勢や動作が制限されるのです。このよじれを元に戻し、筋肉が正しく動けるようにしてくれるのが筋膜リリースです。ストレッチングは、平行に走る筋線維を一定方向に引き伸ばすことを意味しますが、筋膜リリースはさまざまな方向に解きほぐす手法。筋膜を傷つけ、よじれを悪化させてしまうことにもなりかねないので、筋膜"はがし"は厳禁です。

----海外では医学療法士のもとに多くの患者が訪れ、自宅でできるケア法を必ず聞いていくそう。全員が医療保険に加入しているわけではないという背景があるとはいえ、「日本人には自分のからだは自分でケアするという意識が足りない」と竹井先生。確かに、マッサージをしてもらうのは気持ちいいけれど、対処療法でしかありません。揉むよりも、深いところまでほぐすことのできる筋膜リリースのやり方は、次回ご紹介します。
竹井 仁

竹井 仁 首都大学東京大学院 人間科学研究科理学療法科学域ならびに健康福祉学部理学療法学科教授。理学療法士、医学博士。専門分野は、徒手理学療法、運動学、神経筋骨関節疾患。整形外科のクリニックにて、理学療法業務も行っている。30万部を超えるベストセラー「自分でできる! 筋膜リリース パーフェクトガイド」(自由国民社)、「日めくり まいにち、筋膜リリース」(扶桑社)、「やせる! 筋膜リリース ダイエット編」(自由国民社)など著書多数。

取材・文/山崎潤子(ライター)
イラスト/はまだなぎさ

※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
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