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インサイドストーリー

商品づくりの現場から

2017年5月10日

語り/青木美稚子(ワコール ウエルネス事業部 商品部
商品企画課)
谷 哲也(ワコール ウエルネス事業部 事業企画課)

BODY

CW-Xのテーピング原理を応用。 進化し続けるスポーツブラ

ランニングやヨガがブームになる前から、スポーツがバストにおよぼす影響について研究していたワコール。ユレ、ズレ、ムレといったストレスを軽減しながら、見た目もおしゃれに。スポーツブラの機能とデザインが、どう進化してきたのか聞きました。 スポーツブラ
「ユレ、ズレ、ムレ」の三大ストレスを
解消するのがスポーツブラの使命
――まず、通常のブラジャーとスポーツブラでは、どのような点が異なるのでしょうか? ワコール ウエルネス事業部 商品部 商品企画課 青木 美稚子 青木 スポーツブラに必要な機能の要素は、「ユレない・ズレない・ムレない」ことだと考えています。通常のブラジャーは、美しいバストラインや谷間を表現するためバストを下から支えているので、通常のブラジャーでスポーツをすると、ユレが気になるわけです。それに対し、スポーツブラはバストを面で支えて、ユレやズレを軽減させます。

――ストラップやカップもすぐにズレるので、集中できないことも...。 ワコール ウエルネス事業部 事業企画課 谷 哲也  ユレ、ズレ、ムレを解消しつつ、美しいシルエットでスポーツを楽しみたい。そんな声に応えるため、1995年にCW-Xから「ワイヤータイプ」と「ノンワイヤータイプ」2種類のスポーツブラが誕生しました。

「ワイヤータイプ」は、T字サポート機能でバストのユレを、ズレ落ちにくいストラップ設計と吸汗速乾素材の使用で、ズレとムレを軽減しています。「ノンワイヤータイプ」は、「ワイヤータイプ」よりも運動強度の高いスポーツ向けの商品ということで、吸汗速乾素材はもちろん、ズレにくく美しいシルエットをつくる成形カップを使用。肩甲骨の動きをさまたげにくいYバックスタイルも、運動強度の高い人向けならでは。初代スポーツブラのこれらの機能や設計は、現在のシリーズにも受け継がれています。

――CW-X「走る人のブラ」が誕生した背景には、「より運動強度の高いスポーツ用も欲しい」というお客さまからの要望があったのですか?

青木
 それもあります。初代のスポーツブラもユレを抑える機能はあったのですが、ワコール人間科学研究所の実験で、ランニング中はからだの上下運動に追随してバストは振り上げられ、横に流れ、下方向に叩きつけられることがわかったのです(写真下)。 直立時のバスト(ヌード)と倒立時のバスト(ヌード)模型。ランニング中のバストは最大倒立時と同じ位置まで上に振り上がり、円弧を描きながら下方向に叩きつけられます。 直立時のバスト(ヌード)と倒立時のバスト(ヌード)模型。ランニング中のバストは最大倒立時と同じ位置まで上に振り上がり、円弧を描きながら下方向に叩きつけられます。  ランニングやテニスなど、運動強度の高いスポーツ時や、バストの大きな方へのユレ対策を強化するために誕生したのが、「走る人のブラ」です。5方向のサポート機能で、上下左右に弧を描くように動くバストのユレを分散させ、運動時のバストのユレを効果的に軽減します。
走る、動く、歩く。シーンに合わせた
機能とサイズ展開の多さが自慢
――「走る人のブラ」に続き、「動く人のブラ」、「歩く人のブラ」とラインアップが増えていくわけですが、シーン別というのは、ありそうでなかったですよね。 CW-X「動く人のブラ HTY087」。肩甲骨の動きをさまたげにくいYバックスタイル。 CW-X「動く人のブラ HTY087」。肩甲骨の動きをさまたげにくいYバックスタイル。  スポーツによって求められる機能が違うことから、3タイプをつくりました。「動く人のブラ」は、初代のノンワイヤータイプをよりバストにフィットするカップ構造へと進化させたもの。ゴルフ、ダンス、ジムのトレーニングなど、ひねったり踊ったりする動きに適しています。動きやすさも重要ということで、肩甲骨の動きをさまたげないバックスタイル(上の写真)にしています。

「歩く人のブラ」も、初代のワイヤータイプに搭載していたT字のボーンを進化させ、上下のユレを抑制。吸汗速乾・抗菌防臭の素材を使用しているので、着用時間が長めのウォーキングやハイキング、トレッキングなどにおすすめです。

青木 運動強度を考えずに、なんとなく選んでいる方が多いと思うので、スポーツシーンに合わせて選べるところをもっとアピールしていきたいですね。また、ジャストフィットさせることがズレの軽減につながるため、S/M/Lのサイズを細分化し、アンダーバストとカップサイズから選べるように、サイズバリエーションを豊富に展開しているところもCW-Xの強みです。
あえて見せたくなるような
デザインへと進化中
――下着メーカーのプライドを感じますね! デザインはどんな工夫をしているのですか? 機能だけでなく、デザイン性も重視したCW-X「走る人のブラ HTY108、118」。 機能だけでなく、デザイン性も重視したCW-X「走る人のブラ HTY108、118」。 青木 少し前まで、スポーツブラって見えると恥ずかしいというか、カッコいいものではなかったんですよね。たとえば、運動強度の高いスポーツ時用の「走る人のブラ」も、機能だけでなくデザインを重視し、色と柄のバリエーションを増やしました。また、スポーツ時のバストシルエットがきれいに見えるように成形カップを使用し、着脱しやすいホックタイプのYバックスタイルにするなど、ディテールも見直しました。

昨年あたりからスポーツウェアを普段着としておしゃれに着こなす"アスレジャー" が日本でもトレンドになり、スポーツブラの色柄バリエーションが増えてきました。ワコールの商品もこれまでは無地の落ち着いた色が多かったのですが、ファッション性を重視したデザインの見直しをしました。

――今シーズンの「動く人のブラ」は、あえてチラっと見せたくなるようなストラップが印象的です。 CW-X「動く人のブラ HTY200、201」。ストラップの調節部分が前についているので、着用後に調節がしやすく、フィットネスなどで仰向けになっても邪魔にならない。 CW-X「動く人のブラ HTY200、201」。ストラップの調節部分が前についているので、着用後に調節がしやすく、フィットネスなどで仰向けになっても邪魔にならない。 青木 幅太で伸縮性あるテープを使い、機能性をもたせつつスポーツブラっぽくないデザインにしました。私自身はランニングとピラティスを続けているのですが、襟ぐりが大きく開いたTシャツを着てピラティスをしている人が結構いて。スポーツブラは「見せてもいいもの」になってきていることを実感できると、うれしくなります。

 2016年1月に1000人規模のアンケートを実施した結果、週1回定期的にスポーツをしている人のスポーツブラ着用率は40%でした。でも、つけていない人のほとんどが、スポーツブラに興味をもっていたのです。ウエルネス事業部は、仕事への使命感からなのかほとんどの社員がスポーツをしているので、これからも自身の体験を反映しながら着用率を上げる商品をつくっていきたいですね。

青木美稚子

青木美稚子(あおき・みちこ) ワコール ウエルネス事業部 商品部 商品企画課プランナー。入社後、ウイングブランドのインナーウェアの企画・デザイン・設計を経験。2016年から、コンディショニングウェアブランド「CW-X」商品企画プランナーに。

谷 哲也

谷 哲也(たに・てつや) ワコール ウエルネス事業部 事業企画課。「CW-X」の営業を経て同ブランドのマーケティング・ブランディングを担当。

取材・文/山崎潤子
撮影/平賀 元

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