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インナーファッションの流行ウォッチング

ランジェリー★EXPRESS

2017年2月 8日

文/武田尚子(ジャーナリスト)

BEAUTY

ランジェリー・モナムール

毎年1月には、世界最大のランジェリーイベントがパリで開催されます。その国際展示会の時期にあわせ、パリ中心にある会場で、フランスのランジェリーブランドだけを集めたショーが華やかに開かれました。

題して、"ランジェリー・モナムール(LINGERIE,MON AMOUR:ランジェリー、わが愛)"。すべてがフランスらしさ、パリの香りでいっぱいのイベントでした。 マリー・アントワネットの時代を思わせるクリノリンを小道具に、コケティッシュにニューコレクションを披露。 マリー・アントワネットの時代を思わせるクリノリンを小道具に、コケティッシュにニューコレクションを披露。
フランスの様式美の中で
生演奏が響き渡るドラマチックなステージに最初にあらわれたのは、19世紀のクリノリンスタイルです。コケティッシュで甘い雰囲気で見せた、白いブラジャーのバリエーション。続くバレリーナスタイルは、透明感のある優しいパウダーピンクが肌によく映えます。

次はがらりと変わって、黒の帽子とコートを身に着けたモデルたちが颯爽と登場。思わせぶりにコートの前を開きながら、中に着けたランジェリーを効果的に見せていきます。黒はやはり大人の女性の色ですね。

最後は、マスキュランな黒のタキシードスタイルでフィナーレを迎えました。 モデルひとりひとりの個性はおさえて、全体が統一された動きを見せるのは、例えばパリの有名なキャバレーである"クレイジーホース"の舞台などとも共通しています。

こういうロマンチシズムに満ちた様式美は、舞台でのキャットウォークに限らず、ショーの前後も含めたトータルなものです。ちょっと気取った人々の仕草や会話、シャンパンの泡、ピンク系の照明の効果など、すべてがフランスらしいのです。 全体は白とピンク、黒が中心だが、色柄もほんの少し。 全体は白とピンク、黒が中心だが、色柄もほんの少し。 オーガンジーのコートと帽子は、ディオールのニュールック革命を想起させる。 オーガンジーのコートと帽子は、ディオールのニュールック革命を想起させる。
ノウハウと芸術性をアピール
同イベントを主催したのは、フランスのランジェリー業界の発展を目的にした協会です。シモーヌ・ペレール、オーバドゥ、シャンテールといった、日本でもおなじみのフランスを代表するメジャーな15ブランドに加え、エリス・アンドレッグ、パロマ・カシールといった若手デザイナー5ブランドも参加していたのが印象的です。伝統と歴史に裏付けられたファンデーションのノウハウを基盤にしながら、美とクリエーションを重視する姿勢が伝わってきました。

フランスのブランドは常に「フランスらしさ」を強く意識しています。800億ユーロといわれるフランスランジェリーの業界規模ですが、なんとその6割以上が海外への輸出で占められているのです。グローバルな競争がますます激しくなっている昨今、世界で誇れるものが何かを客観的にとらえ、それを明確に打ち出しているのには感動を覚えます。

どんなに時代が変化しようと、ランジェリーモードの世界で、フランスは特別で崇高な存在であり、人々にとっての憧れの存在であり続けることは間違いありません。 手工芸の伝統に裏付けられたレースもフランスの強み。 手工芸の伝統に裏付けられたレースもフランスの強み。 タキシードジャケットが逆に女性らしさを強調させる。 タキシードジャケットが逆に女性らしさを強調させる。
武田尚子(ジャーナリスト)

武田尚子(ジャーナリスト) インナーウェア専門雑誌の記者を経て、1988年にフリーランスに。以来、ファッション・ライフスタイルトータルの視点から、国内外のランジェリーの動きを見続けている。著書に『鴨居羊子とその時代・下着を変えた女』(平凡社)など。
「パリ国際ランジェリー展」の取材は、既に連続30年になる。今後に向けて、幸せなライフスタイルをテーマにした新しい方向性を模索中。
http://www.apalog.com/inner

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