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潜入ルポ・ビューティ見聞録

2017年1月25日

撮影・文/ワコールボディブック編集部

BEAUTY

4人の女性写真家による「美しさのかたち」

2016年12月にスパイラルガーデン(東京都港区南青山5-6-23 スパイラル1F)で開催された、「美しさとは何か?」をテーマにした展覧会「Images of Beauty --さまざまな美しさのかたち--」。その中で、今注目の女性写真家4人による作品展示が行われました。美しさのかたちはそれぞれで、多様化する「美の価値観」を感じさせるエキシビションとなりました。ワコールボディブックでは、本展覧会に参加した4人の写真家それぞれに「美」についてインタビュー。展示された作品と共にご紹介します。
「美の基準はそれぞれ。
内外どちらが大事かは答えが出ない」
澤田知子さん
澤田知子さん 「人は外見だけじゃない」とは言うけれど、外見で人を判断することも事実。内面と外見、どちらが大事かというのは、答えは出ないのだろうと思います。結局のところ、基準はみんなバラバラなのですから。それを逆説的に、美を競い合うミスコンというテーマで、15人のセルフポートレイトで表現したのが、今回展示した『TIARA』という作品です。自分でヘアメークを変えて撮影して...を繰り返して、撮影期間は約3日。今回は等身大に近いサイズで展示しました。作品を見ていたお客さまが、その前にいる私にまったく気づかなかったり、また気づいてビックリしたり、その様子を観察するのも、私にとってはすごく面白いことでした。 澤田知子さんの作品「TIARA」 澤田知子(写真家)
さわだともこ/1977年神戸市生まれ。成安造形大学写真クラス研究生を修了、現在は同大学客員教授であり関西学院大学の非常勤講師も勤める。学生の頃よりセルフポートレイトの手法を使い作品を通して内面と外見の関係性をテーマに作品を展開している。デビュー作「ID400」が2000年度キヤノン写真新世紀特別賞、2004年に木村伊兵衛写真賞、NY国際写真センターThe Twentieth Annual ICP Infinity Award for Young Photographerなど受賞多数。世界中で展覧会を開催。出版物は、写真集の他に絵本などもある。
「圧巻的な自然も、人間がつくり出したものも、
どちらも美しい」
下薗詠子さん
下薗詠子さん 神様がつくった自然の美しさにはかなわなくて、どんなに人が頑張ってもつくり出すことはできません。圧倒的な風景や自然を目の前にしたとき、美しいと思う理由は、そこにあるのかもしれません。一方で、人間にしかつくり出せない美もあります。また、明るく美しいものを見るには、反対側にある闇もしっかり見えていないと美を感じにくい。こうした相反する二方向の美を、今回は両方とも展示しました。作品を制作したときは、自我を完全に消して、降りて来るインスピレーションを表現。創造しているというより、「つくらせてもらった」という不思議な感覚でした。 下薗詠子さんの作品 下薗詠子(写真家)
しもぞのえいこ/1979年鹿児島県生まれ。1999年、九州ビジュアルアーツ専門学校写真学科卒業。卒業後、研究生として同校に1年間在籍。19歳から東京で雑誌の仕事を始める。雑誌、CDジャケット等でアーティストやオリンピック選手を撮影する傍ら、作品制作に取り組む。2010年、Visual Arts Photo Award 2010大賞受賞。写真集『きずな』(青幻舎)を発表し、同年 第36回 木村伊兵衛写真賞を受賞。現在鹿児島県在住。毎日新聞(鹿児島)で写真×コラム連載「解放区」を隔週で発表。鹿児島県いちき串木野市観光大使。
「はかなくて、感動をもって眺めることができるものは、
どれも美しい」
中川正子さん
中川正子さん 私が「美しい」と思うものの共通項をあげるとしたら、「自然であること」「無理がないこと」。それは固定されたものではなくて、時間や年月とともに変わることも意味します。今回展示したのは、一瞬の花火の写真、都会の摩天楼に差し込む光、隅田川の夜景など、光を集めたものになりました。中には、肉眼では美しいと思えなくても、それを見る自分の気持ちが感謝にあふれたとき、そこに美しさを感じてシャッターを切ったものもあります。人間がつくったもの、自然によってできたもの、どちらが優れているとか、どちらがいいというものではなく、はかなくて、そして感動をもって眺めることが私にとっては美しい。そう感じています。 中川正子さんの作品 中川正子(写真家)
なかがわまさこ/1973年神奈川生まれ。津田塾大学在学中にカリフォルニアに留学。写真と出会う。自然な表情をとらえたポートレート、光る日々のスライス、美しいランドスケープを得意とする。写真展を定期的に行うかたわら、雑誌、広告 、書籍など多ジャンルで活動中。写真集に「新世界」(PLANCTON)「IMMIGRANTS」(Octavus)など。2017年5月に最新作「ダレオド」(pirglim)を刊行予定。全国及び台湾にて展覧会を行う。
「人それぞれに人生があり、歴史がある。
だから存在そのものが美しい」
野村佐紀子さん
野村佐紀子さん 人を撮影するとき、その人の美しいところを見つけて撮ろうとは思っていません。その人の存在自体が美しいのですから。今回展示した写真は、岡山県玉野市の高齢者施設や商店街などで、お年寄りを撮影したものです。見た目が美しいとか、実際より若く見えるとか、そういうことはもうどうでもよくて、被写体の人生を見る側が感じることができる。そこがいいな、と思って撮影しています。それぞれに人生があり、それぞれに歴史がある。それ自体が、とても美しいことなのだと思います。 野村佐紀子さんの作品 野村佐紀子(写真家)
のむらさきこ/1967年山口県生まれ。九州産業大学芸術学部写真学科卒業。91年より荒木経惟に師事。93年より東京中心にヨーロッパ、アジアなどでも精力的に展覧会をおこなう。おもな著書に「裸ノ時間(平凡社)」「愛ノ時間(BPM)」「黒猫(t.i.g)」「夜間飛行(リトルモア)」「黒闇(Akio Nagasawa Publishing)」「nude/a room/flowers(match and company,inc.)」「 hotel Pegasusl( Libro Arte)」「 TAMANO( Libro Arte)」「another black darkness(Akio Nagasawa Publishing)」などがある。
あなたにとって女性の美しさとは?
4人の作品展示のほか、さまざまな分野で活躍する12人の女性インタビュー動画、ブックディレクター幅 允孝さんによる美のミニライブラリーも披露されました。
そして訪れた人も参加できる、新しい創作の試みも披露。「あなたにとって女性の美しさとは?」の問いに対して、来場者が回答となる言葉を選んで飾り付けをすることで完成するインスタレーションです。用意された言葉と、全回答者(1540名)の内訳は以下のとおり。

「表情」181票、「愛情深い」178票、「知性・教養」169票、「姿勢」169票、「思いやり」162票、「自立・自信」157票、「ボディライン」149票、「前向き」149票、「顔」114票、「髪・爪・まつげ」112票

この回答からもわかるとおり、「女性の美しさとは?」でイメージするものは、幅広くそしてどれかが突出することもなく...。つまり、美しさは人それぞれ。そしてさまざまな要素をバランスよく兼ね備えることこそ、現代の美しさといえそうです。

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  1. 写真
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