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インサイドストーリー

商品づくりの現場から

2016年3月23日

語り/西村恵美、久保良允
(ワコール ファミリーウェア営業部)

BODY

下着メーカーのこだわりが詰まった渾身の骨盤ベルト!

ワコール人間科学研究所と(公社)日本助産師会の共同開発で誕生した「産前&産後 骨盤ベルト」。マタニティのからだを測定したデータから導き出したサポートのポイント、日本全国から選りすぐった技術力など、開発へのこだわりを聞きました。 産前&産後骨盤ベルト
マタニティのからだを
測定してわかったこと
――「産前&産後 骨盤ベルト」を開発したきっかけは何ですか?

西村
 以前から、多くのマタニティさんに「マタニティ用の骨盤ベルトをつくってほしい」という声をいただいていたことが第一です。さらに、ワコールの人間科学研究所には、マタニティのからだが妊娠中にどのように変化していくのかを計測したデータもある。これまでさまざまな商品開発をするなかで、産婦人科の先生方や助産師の先生とのつながりも生まれ、アドバイスをいただいたり、モニタリングを行う環境も整っている。ならば、この環境を生かして、ワコールならではの、下着メーカーにしかつくれないベルトをつくろう、と開発が始まりました。

――人間科学研究所には、マタニティ(妊婦さん)のデータもあるのですか?!

西村
 そうなんですよ。妊娠がわかったときから早い方で妊娠2ヵ月から、多くの方は妊娠3ヵ月から、妊娠10カ月まで、毎月1回のデータを測っています。さらに出産後も0か月、1ヶ月と約1年間、同じ方を一年にわたり追い続けるという時系列で測定したデータと時系列ではない妊娠中の各月妊婦さんのデータなど多くのデータがあります。

――その結果は?

西村
 妊娠月ごとに寸法や姿勢の特長を見ていくと、おなかが前へ突出するにつれて、腰が反り気味になって、バランスをとる傾向があることがわかりました。また、妊娠月が進むにつれ、腰痛を感じる人の割合が増えていきました。腰痛の負担を少なくし、少しでも快適に過ごせるのかを、専門の先生がたにアドバイスをいただきながら、考えていきました。 ファミリーウェア営業部・西村恵美 ファミリーウェア営業部・西村恵美 ――実際、どの部分をサポートしているのですか?

西村
 妊娠中に赤ちゃんが大きくなるにつれ、赤ちゃん(子宮)を支える上で骨盤に負担がかかってきます。「産前&産後 骨盤ベルト」では、骨盤下部を"環状"にサポートしています。具体的には「恥骨結合」部分と、「大転子」、「仙腸関節」という骨盤のポイントとなる3点を "環状"にサポートしています。 骨盤まわりの3つのポイントを環状にサポート
つけごこちのよさや快適さが
発売後じわじわと話題に
――"環状"にというのは?

久保
 骨盤まわりを立体的に囲むということです。いかに立体的に、人体の仕組みに添って設計するかには、これまでに培った下着メーカー、ワコールならではのパターン力が反映されています。横から見ると、おしり部分に向かってベルトが斜めになるY字構造を採用して、フィット感を高めてズレにくくしています。

――素材選びにも、こだわったのだとか?

西村
 表側と肌側で生地を替え、さらにその中間部分には、"ウレタン"と呼ばれる材料を接着しています。空気清浄機などのフィルターにも使われているウレタンを使用することで、通気性に優れ着用時にもムレにくい設計に。

肌側、表側、中間部分とそれぞれの箇所ごとにメーカーも異なるんですよ。肌側の生地だったら、凹凸の少ない縫製仕様で、やさしい肌あたりに仕立てられるメーカーを、中間のウレタンをつくるメーカーを探す際には、上質なウレタンを生産しているだけでなく、異なる素材同士を張り合わせる技術をもっているところは、と試行錯誤を重ねて、今の形にたどり着きました。

産前&産後骨盤ベルトの5つの特長 西村恵美、久保良允 ――1本のベルトに多くのメーカーの技術が集結しているのですね。

西村
 はい。ほかにも、ひもを通すバックルも樹脂製のものを使ってソフトなつけごこちを実現しています。縫製できるやわらかさと品質を保ったバックルをつくることはとても難しく、半年かけて日本中の発注先を探し回りました。

下着をつくるときにも絶対的にこだわっている肌触りのよさは、ワコールとしても譲れない部分ですし、そういった技術面だけでなく、接着剤など素材の安全性についても何度もテストを重ねて確認しました。こんなことが起きるのでは、あんなことがあったらと、まるで重箱の隅をつつくような想定をして、何万回のテストをクリアして、と気の遠くなる作業でした(笑)。

久保 僕は、ちょうど部署異動したばかりのときに、すでに開発が始まっていたのですが、初日からものすごい意見を闘わせている現場を目の当たりにして、最初は戸惑いました(笑)。 ファミリーウェア営業部・久保良允 ファミリーウェア営業部・久保良允 ――それは...大変でしたね(笑)。産後に使えるのもうれしいポイントです。

西村
 出産に向けてゆるんだ骨盤周辺の靭帯や筋肉などは、すぐに元に戻るわけではないので、ベルトで骨盤まわりを環状にしっかり支えて、動いたときなどにムダな力がかかりにくくすることで、腰への負担もやわらぎます。

――発売後、じわじわと話題になっています。

久保
 「ズレない」「巻きやすかった」など、ありがたいことに発売と同時にくちコミや評価をたくさんいただきました。喜んでくださる声がある一方で、見えてきた改善点もあり、そこを解決し、リニューアル商品を発売することに。
おしゃれ心が加わった
新たなラインナップ!
――どのような点が改良されたのですか?

西村
 ひとつめは、前ベルトです。初代は、2重に巻く前ベルトの太さが異なっていたのですが、2本とも細いほうで統一して、よりからだへの当たり方がソフトになるようにしました。もうひとつは、裁断をより立体的に、ヒップへのフィット感を高めています。また、最大の改善点は、柄が登場することです。

おしゃれ心が加わった新たなラインナップ! ――かわいい! 雰囲気が違いますね。

西村
 外に見えなくても自分のなかで楽しみたいとか、おしゃれなものを身につけていると気分もアガるなど、女性ならではの楽しみ方ですよね。発売後かわいい柄があったら欲しい、という声は多く寄せられていたので、ぜひ叶えたいと思いました。

ただ、プリントものというのは、生地に色を乗せているので、毛自体が寝てしまうんですね。マジックテープを施すとなると、プリントでもある程度毛を起こせる技術力をもっているところを探すという新たなミッションが。でも、日本のどこかにはあるはずだと仕入れ先様に相談したりと、駆け回りましたね。

――この先の展開もあるのでしょうか?

西村
 今後、チェック柄やアニマル柄などもあったら楽しいですよね。トレンドも追えるなど、ファッション性も高まりそうです。

――プレゼントにもよさそうですね。

久保
 実際、贈り物として選んでくださる方も多いと聞いています。長く愛用していただけたら、うれしいですね。

西村恵美

西村恵美 ファミリーウェア営業部 商品部 商品企画課。1983年に入社し、ワコールブランドデザイン課 ランジェリーデザイナーを担当。出産後、人間科学研究所でパターン作成や研究業務を経て、1995年ファミリーウェア営業部に。マタニティインナーを中心に、デザイン・機能開発を行う。2008年からは、マタニティインナー・パジャマ・子どもインナー・パジャマのチーフ・プランナーを担当。

久保良允

久保良允 ファミリーウェア営業部 商品部 営業課。2007年入社。2010年にワコールブランド・インナーウェア商品営業部 FL営業課にて、ボトムMDのサブ、ランジェリーMDなどを経て、2014年よりファミリーウェア営業部。子どもおよびマタニティ用のパジャマMDをメインの後にマタニティインナーMDに。

取材・文/大庭典子
人物撮影/平賀 源

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