子どもの眠りに関するアンケートをもとに開発した、ワコールキッズの「睡眠科学 KIDS」から発売中の「さらっと快適パジャマ」が人気です。夏の夜を快適に過ごせる素材選びやニーズに応えた機能性、ユニセックスなデザインなど、工夫のつまった商品の成り立ちを追いました。
子どもの「眠り」アンケートでわかった寝姿勢の実態
――まず、「睡眠科学 KIDS」シリーズと「さらっと快適パジャマ」の特徴を教えてください。
磯 「睡眠科学 KIDS」は、子どもの眠りに関するアンケートと、ワコール独自の設計から誕生したパジャマシリーズです。特に、寝相を考えたパターン設計で、寝ている間も動きやすく、季節にあった素材を使ったここちよさが特徴です。その中で「さらっと快適パジャマ」は、暑くて寝苦しい夏にぴったり。4月の発売以降、夏を迎える前からご好評をいただいています。
小野 子どもは1日の1/3以上の時間を睡眠に費やすので、パジャマの役割は大切だと思っています。過去にもワコールのナイトウェアブランド「睡眠科学」で子ども用のパジャマを扱っていた時期がありましたが、昨今の睡眠に対するニーズの高まりを受け、2020年に開発を再開しました。
――アンケートではどのようなことがわかったのでしょう?
磯 社内で100名以上の調査を二度行ったのですが、「子どものパジャマに求めることは何ですか?」の問いには、「季節にマッチした素材にこだわりたい」「寝相が悪くておなかが出るのが気になる」などの声が集まりました。
寝相について「うつ伏せ」「正面向け(仰向け)」「大の字」「横向き」からお子さまの睡眠時の姿勢を2つ選択してもらったところ、ほとんどの方が「横向き」を選ばれたんです。横向きになるということは寝返りをうっているわけで、つまり腕が動いているんですね。それで着衣が引っ張られて乱れるので、「ポイントは腕の動き」だと話し合いながら取り組みました。
小野 調べていくと、10歳ごろまでがいわゆる“子どもっぽい”寝相になりやすいということが見えてきました。大の字になったり、手足がM字になったり。特に夏は汗をかくので、クーラーをつけっぱなしにされているご家庭も多いのですが、そうなるとなおさら、動いておなかが出るのが気になるんですよね。
-
磯 美穂(いそ・みほ)
第2ブランドグループ ファミリーウェア商品営業部 商品企画課
2005年入社。ワコールブランドにてキャンペーンブラジャーからショーツまで幅広いアイテムの企画開発に携わり、その後ウンナナクールでプランナーを経験。
2019年よりキッズジュニアのインナーウェアからパジャマまでのデザインを担当。
-
小野絵里奈(おの・えりな)
第2ブランドグループ ファミリーウェア商品営業部 商品企画課
2017年入社。キッズジュニア男児・女児のインナーウェアからパジャマまでのデザイン担当とShinzi Katoh氏とのコラボレーション企画も担当。
撮影/合田慎二